ダーツは学生スポーツになるのか? ②学生スポーツへの発展の展望と課題 /NEW WAVE ~学生スポーツへの可能性~(3)

明大スポーツ新聞
2022.11.05

 ダーツは果たして学生スポーツになる可能性があるのか?今回は競技ダーツの普及に取り組んでいらっしゃる公益社団法人日本ダーツ協会(以下:協会)の萩尾純子会長に取材を行った。

 第2弾は、競技ダーツが学生スポーツになる可能性をまとめていく。

※この取材は10月7日に行われたものです。

 

 学生スポーツとしての競技ダーツの展望を述べる前に、日本におけるその立ち位置を確認しておきたい。「若い人たちはおしゃれなイメージでダーツをしている。一方で我々の競技会は堅いイメージがある」。試合を行う際のドレスコードなどプレー以外の規定もしっかりしており、カジュアルにできるソフトダーツよりも敷居が高いと思われている。それでも、2013年に東京で行われた国民体育大会では、デモンストレーションスポーツとして種目となった。葛飾区と協力をすることで実現し、大会後も区が推奨スポーツとして競技ダーツに力を入れている。区内では現在10ヶ所でハードダーツが投げられる場所があり、協会主催の大会の協賛のほか、全国規模の大会を誘致し区民にレベルの高いダーツを見せることで技能向上を図る活動もしている。協会と地方自治体がタッグを組む事で、未来のプレーヤーにつながるような取り組みが現在行われている。

部屋に集まっている人たち

自動的に生成された説明

(公民館でのダーツ講習会の様子)

 

 そして、そのさらなる広がりのために、競技ダーツの大学スポーツ化は協会としても重要視している。ダーツと学業の両立をしているような大学生プレーヤーは比較的少ない。そのため、協会は大学の科目にダーツを加え、学生に理解を深めてもらうことを目標としている。「(ダーツを)受講した学生が教員となり、さらに下の世代にスポーツとしてのダーツを伝えていってもらいたい」。この第1歩として、ある大学で新設された健康スポーツ科学部において2年後に科目として新規参入が決定している。「一つ大学で成功を収めれば、その事例をもとに全国に普及していけるよう私たちが努力しなければいけない」。ダーツを取り入れる大学が増えれば、学生の競技ダーツへの関心も高まり、大学スポーツとしての発展も十分に見込めるのではないだろうか。

 

 他にも、大学で行われている地域貢献の点に着目すると、さらにダーツと大学はマッチする。例えば、サークルやゼミでの地域支援活動、子供や高齢者の方との交流会などにおいて「ダーツというツールを使えば、費用もあまりかからず、地域の方たちが世代を超えてプレーできる」。ダーツの『生涯スポーツ』『教育スポーツ』としての魅力は、大学におけるさまざまな活動の幅をも広げる。遊びとしては大学生にとってメジャーなダーツ。しかし、大学スポーツとしての可能性も無限大だ。

 

[堀之内萌乃]