

水木亮輔 チームを担うエースQBへ
期待の司令塔がやってきた。QB(クォーターバック)#38水木亮輔(商1=千葉日大一高)は身長187センチという体格とスピードを武器に春シーズンも4試合に出場。高校時代にはケガも経験したが仲間と共に乗り越えてきた。成長を糧に大学でさらなる高みを目指す。
挫折と成長
「僕のミスで負けた」。アメフトにおいてオフェンス陣の司令塔的役割を果たすQB。高校2年次には秋季全国大会でその大役を任された。しかし、自身のミスによるインターセプトが重なり、14点を失い敗北してしまう。全国大会での悔しい経験をバネに必死に練習に励んだ。その矢先、大きな不幸が水木を襲う。練習中に左足首の腱を脱臼。4、5カ月練習できない日々が続いた。春シーズン直前の練習試合、水木の代わりに試合に出たのは1年生の後輩だった。試合で後輩が活躍する姿を見て自分の未熟さを目の当たりに。「一番精神的に辛かった」。自分がチームの戦力になれていないことを痛感。ケガから復帰し迎えた春シーズンも地区大会3位という結果に。そんな時、水木を支えてくれたのは同学年の仲間だった。「水木がいないと」。エースQBとして水木を認める同期からの声もあり、期待に応えるために練習に取り組んだ。
高校3年、最後の秋季大会。チームの目標とした全国ベスト8は叶わず。地区大会で敗退となった。しかし、1年前とは心持ちが違う。練習量を増やし、万全の準備で挑んだ結果に悔いはなかった。
新たな目標
この春、グリフィンズの一員となった水木。大学進学後初の公式戦となる国士大戦では納得のいくプレーができ、QBの序列も4番手から2番手に。「自信がついた」。しかし次の試合で相手がTOP8の日大となると自分のプレーを発揮できず。続く専大戦、日体大戦と3試合連続でインターセプトされてしまう。「全力で挑んだが自分が未熟だった」。大学レベルの選手との差を実感した。
「秋本番に拓郎さんのバックアップQBになる」。今秋の目標は再度QBの2番手になること。グリフィンズのエースQBである吉田拓郎(法4=日大鶴ヶ丘)は秋に引退を迎える。共に練習できる時間も残りわずか。今はできるだけ多くのことを吸収しようと練習後にも指導を受けている。「本番は来年の春」。秋シーズン後もグリフィンズを引っ張るルーキーから目が離せない。
[坂内咲月]
◆水木 亮輔(みずき・りょうすけ)商1、千葉日大一高。好きな食べ物はラーメン。試合後に食べに行くことが多い。187センチ・87キロ。
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