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(7)シーズン直前インタビュー 佐藤駿

フィギュアスケート 2022.09.24

 シーズン開幕目前。明大にはシニアデビューの選手がいるが、今季限りで引退という選手もいる。新たなシーズンの始まりを前に何を思うのか。一人一人の声をお届けする。

 (このインタビューは9月15日に行われたものです)

 

第2回は佐藤駿(政経1=埼玉栄)のインタビューです。

 

――もうすぐ学校が始まりますね。どのような気持ちですか。

 「学校に行きたい気持ちはあります。でも秋はシーズンが始まるので、春よりは行けなくなりますね。学校は、授業は大変ですが友達に会うのが楽しいです」

 

――夏休みは楽しみましたか。 

 「ずっと合宿続きだったので、楽しいことはなかったかもしれないです。でも今度大学の友人とボウリングに行く約束をしました。夏休み唯一の楽しみですね」

 

――昨シーズンを振り返っていかがですか。

 「シーズン序盤は自分の中でも良いスタートを切れたと思いますが、シーズン後半は、全日本選手権(以下、全日本)でのケガなどもあってどの試合にも出ることができませんでした。とても悔しい思いをしたので、今シーズンは出られる全ての試合に出て、シーズンを通してケガすることなく終えることができたらいいかなと思います」

 

――初戦を2週間後に控えた今の心境を教えてください。

 「正直すごく不安な気持ちはあるのですが、ここまでたくさん合宿などをやってきたので、試合に向けて自分のできることをするだけかなと思っています」

 

――今シーズンのプログラムを教えてください。

 「SP(ショートプログラム)は『キャロル・オブ・ザ・ベル』で、FS(フリースケーティング)は『レッド・バイオリン』です」

 

――曲を選んだ理由を教えてください。

 「SPの曲はユーチューブで探して決めました。FSは、昨シーズンにクラシック曲を使用して、またクラシック曲がいいなと思ったのでこの曲を選びました。クラシックの中でも他の選手が使っていない曲を探しました。また、僕は王道の曲で滑ることが多いので、今シーズンは変えてみたいと思って王道ではない曲にしてみました。(ご自身で選ばれたのですか)そうですね。SPは自分で探しましたが、FSは『この曲いいんじゃない?』と先生が持ってきてくれました」

 

――プログラムの完成度は何%くらいですか。

 「SPはかなり良くなっていて85%ぐらいですが、FSはまだ65%ぐらいです。今週と来週に振り付けというか手直しが入るので、試合までに調整できればと思います」

 

――プログラムの見せどころはどこですか。

 「SPはステップを見てほしいと思っています。FSは後半のジャンプが連続して続くところを見てほしいです。跳んで跳んで、という感じで休憩なしでテンポ速くジャンプを跳びます」

 

――衣装はどのような感じですか。

 「SPは黒地に青色のたすきを掛けたような感じです。好きな色が黒色と青色なので、衣装を作ってくれる方にお願いしてその2色で作ってもらいました。FSはプログラムが『レッド・バイオリン』なので、赤色が良いかなと思い赤っぽい衣装になっています」

 

――現在の4回転ジャンプの調子はいかがですか。

 「ルッツの調子が最近上がってきて、全体的に4回転ジャンプの確率が上がってきています。シーズン初戦の東京選手権に向けてここからもっと調子を上げていきたいです」

 

――2月に肩の手術をしてから4回転ジャンプの調子を戻せたのは7月と聞きました。ジャンプを戻す際に苦労はありましたか。

 「戻すまでにかなり時間がかかったので大変でした。すぐまた跳べるようになるかなと思っていたのですが、3カ月ぐらい跳んでいなかったので戻すのに1カ月以上かかりましたね。(今は手術する前と同じくらい跳べていますか)そうですね。でも手術前に比べたら成功確率は良くないと思います。それでも少しずつ手術前の調子に戻ってきていると思うので、この調子でいければと思います」

 

――今シーズン特に力を入れたい大会はありますか。 

 「全日本で表彰台に乗りたいというのはあります。それに加えて、今年から日本学生氷上競技選手権(以下、インカレ)に出ることができるので、そこで明大の優勝に貢献できたらいいなと思っています」

 

――シーズン初戦にはどのように調子を作っていきますか。

 「シーズン初戦は(調子が)良くないことが多いのですが、そこでいい結果が残せればその後の試合は徐々にもっと良いものになると思います。シーズン初戦の試合が一番大事だと思うので、最初の試合できちんと自分の満足のいく演技をしたいなと思います」

 

――同じ舞台で演技したい選手はいますか。

 「以前までは羽生結弦さんの演技を間近で見てみたいと思っていたのですが引退してしまったので、今は同期の鍵山優真(中京大)選手や海外のトップ選手などの演技は見てみたいと思いますね。(グランプリシリーズ(以下、GP)のフィンランド大会でイリア・マリニン選手と同じ試合に出るので注目されそうですね)そうですね。マリニン選手は4回転アクセルをこの前の試合で成功させていたのですごいと思いますが、そのような選手に勝っていかないといけないので、僕も頑張ろうと思います」

 

――現在4回転ジャンプの種類や本数が重要になっている中、勝つために重要だと考えていることはありますか。

 「トップ選手は皆4回転を跳んでいて、今は跳んで当たり前の時代だと思います。その中で、いかにジャンプの質を良くするか、またいかに加点をもらえるかが大事だと考えています。同じ4回転でも他の選手よりもいい4回転が跳べるようにこれから練習していくつもりです。(4回転を4本もプログラムに入れて質も維持するのは大変ではないですか)はい、とても大変です。曲かけ練習でも全く安定していないですし、まだ4本は難しいなと思いますね」

 

――4回転ジャンプを4本成功する時とそうでない時はどんな違いがありますか。

 「僕の場合は気持ち、メンタルの問題かなと思います。4回転1本や2本なら降りられると思いますが、そこから3本4本となると体力や気力、気持ちの面が大きいと思います」

 

――佐藤選手憧れの羽生結弦さんが8月にユーチューブチャンネルを開設しましたね。『Share Practice』はご覧になりましたか。

 「見ました。フィギュアスケート選手にとって、とてもためになります。あれを無料で見られるのは本当にすごいです。なかなか見られないですから。(どんな観点でご覧になりましたか)どういうアップをしているのか、2時間の練習の使い方をどうしているかなどですね。羽生さんの練習を見られる機会がないのですごかったです」

 

――ファンの方に向けてメッセージをお願いします。

 「今シーズンは全日本で表彰台に上がれるように頑張っていきたいと思います。昨シーズンはケガで思うようなシーズンが送れなかったので、今シーズンこそはケガなくシーズンを送れるようにしたいと思っています。応援よろしくお願いします」

 

――最後に今シーズンの目標を教えてください。

 「GP2戦とも表彰台に乗ってグランプリファイナルに行くことと、全日本で表彰台に乗ること、そしてインカレで優勝することです」

 

――ありがとうございました。

 

[布袋和音]


(写真は本人提供)


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