
(35)総理大臣杯開幕直前 注目選手インタビュー/上林豪編
夏の日本一へ。8月18日より第46回総理大臣杯全日本大学トーナメント(以下、総理大臣杯)が幕を開ける。直近で出場した6大会全てで決勝進出を果たし、そのうち3回で日本一の称号を手にしているなど相性の良いこの大会。予選となった「アミノバイタル®」カップ関東大学トーナメント(以下、アミノバイタルカップ)で準優勝した明大は、関東第2代表として参戦。2020年度の関東大学1部リーグ戦(以下、リーグ戦)での優勝以来、1年8カ月ぶりのタイトルを目指す戦いは、8月22日、関東学大と九州産大の勝者との2回戦から幕を開ける。
初戦まであと5日となった今回は、ビッグセーブを連発し、前期リーグ戦では4試合連続無失点勝利に大きく貢献したGK上林豪(商2=セレッソ大阪Uー18)へのインタビューをお届けします。
――前期リーグ戦を振り返っていかがですか。
「チームとしては、首位かつ最少失点で前期を折り返せたことは非常に良かったと思います。チームとして年間で失点20点未満を掲げていた中で、前期の失点数が8点であったことを考えると、それも良かったところだと思います。個人としては、開幕戦で0―4という結果で敗れましたが、そこから4試合連続無失点勝利をすることができたのは非常に良かったです。その次の早大戦では終盤で追い付かれて引き分けたというのは、チームとしても個人としても課題になりました。その次はケガもありましたけれど、個人的には非常にコンディションがいい前期を送れたのではないかなと思っています」
――リハビリの期間はどのように過ごされていましたか。
「正直気持ち的に落ちた部分が多少なりともあったのですが、すぐに切り替えて、リハビリの時間は自分の足りないところを鍛える時間になりました。肩をケガしていて上半身のトレーニングができなかったので、お尻周りのトレーニングであったりとか、客観的にチームを見たりする時間にしたことで、プレーしているときにはできないような、客観的に捉える時間にできたかなと思います」
――アミノバイタルカップを振り返っていかがですか。
「2回戦でベンチに入ることができて、遠藤さん(雅己・法4=桐蔭学園)のアクシデントもあって、怪我から復帰してすぐに3回戦で自分がチャンスを得たのですが、なかなか思うようなパフォーマンスをすることができませんでした。結果的に勝利はしたのですが、自分自身がなかなかふがいなかったです。その後は佐藤文太さん(商3=仙台育英学園)にスタメンの座を渡してしまって、その中でチームに何ができるかを考えて行動はしていましたが、自分としては非常に悔しい大会期間になりました」
――GKはスタメン争いが激しいと思います。
「GKは遠藤さんと僕と文太さんと久保さん(賢也・商3=大宮アルディージャU―18)の4人でトップでやっているのですが、栗田さんが「誰が出ても遜色ない」と言うぐらい高いレベルでスタメン争いができています。練習の中でもワンプレーで次のスタメンが変わるような熾烈(しれつ)なポジション争いをしているので、一瞬たりとも気が抜けません。そういう意味でも切磋琢磨(せっさたくま)し合える環境があって、非常にいい環境でプレーできていることに感謝しています。(前期リーグ戦の)開幕から自分がずっと出ていましたし、出た試合では結果を残してきたつもりではあります。自分がスタメンフル出場した試合では5試合が無失点勝利なので、そういったところで見たら結果は残せていると思います。これから試合も続きますが、自分が絶対に出るという思いもありますし、そういう自信もあります」
――8月9日に行われた後期リーグ戦の筑波大戦ではスタメン出場し、無失点勝利を収めましたが、感覚としてはいかがでしたか。
「栗田さんからもずっと言われていたのですが、見方のDFの背後のところの対応がやはり昨年度からの課題としてありました。背後へのロングボールに対して、CBの選手と自分のところで誰が対応するのかが少し曖昧なところがあったりして、そこは課題かなと思っています。一対一のシュートを止めることや、クロスの対応は自分の武器なので、そういうところで違いを見せることができたのかなと思いますし、感覚的には総じて悪くはないかなと思っています」
――総理大臣杯に向けてチームの状態はいかがですか。
「(後期リーグ戦)流経大戦の前の週からいいトレーニングができていましたし、流経大戦は立ち上がりから2失点してしまって課題も残りましたが、結果的に勝つことができました。その試合の修正を踏まえて、9日の筑波戦は無失点で勝利することができました。チームとして状態は良いのですが、もっと自分たちが求めている基準を追い求めれば、もっと高い基準で相手を圧倒して勝つことができると思います」
――チームとして掲げる目標はやはり優勝しかないですか。
「絶対優勝というのは掲げています。やはりアミノバイタルカップを目の前のところで落としたことや、昨年度のリーグ戦で勝てば優勝というところで流経に負けて3位になったこともあって、何かやはりスキや甘さがあるから優勝できないのではないかというのは選手で話し合っています。そのスキをなくすことが優勝につながってくると思うので、スキをなくす作業は日々やっていますし、あれだけ悔しい思いをした分全員優勝に向かって、優勝しか考えていないと思います」
――個人的な目標はありますか。
「もちろん自分が試合に出るというのは一番大きな目標としてありますが、チームの優勝が一番ですし、その中で自分が出て全試合無失点で優勝できたら最高だと思います」
――総理大臣杯に向けて意気込みをお願いします。
「アミノバイタルカップの決勝であれだけ悔しい思いをした分、自分はアミノバイタルカップで試合に出ることができずにチームとしても個人としても悔しい大会になりました。明治はやはり優勝に値するチームだと思いますし、絶対に優勝するべきだと思っています。これからすぐ始まりますが、優勝だけを考えてチームとしても個人としてもやっていきたいなと思います」
――ありがとうございました。
[萩原亜依]
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