村田一公 大好きなフェンシングを極め躍進の年に

フェンシング
2022.03.31

 新進気鋭の実力者たちを見逃すな!今回は、4月1日発行予定の紙面に載せ切らなかったルーキーを、一足お先にお届け。第6弾はフェンシング部、村田一公選手(令4理工入学=米沢中央)。

 

 明大に期待の戦力が加入する。村田はインターハイで準優勝し国際大会にも出場経験がある実力者だ。彼の強みは疲労がたまるゲーム終盤、不利な状況でも平常心を保つことができるメンタルの強さ。しかし、元々は自分に自信が持てず弱気な性格だった。それでもメンタルを武器に変えることができたのは、高校時代の経験のおかげだ。米沢中央高にはフェンシング部がなく、校外部として活動。練習場所の確保はもちろん、毎日指導者がいるわけではなかったため、練習メニューを考えるところから始めなければいけなかった。自分たちで一から作り上げることは「正解が分からず、何も見えない状態で続けることがつらかった」。さらに、エペ団体戦に出場する4人のうち村田以外が全員エペ種目の初心者。自分の練習をやりたい時でも「チームのことを優先し、練習を作り上げていくことを心掛けていた」。一風変わった環境に身を置いていたが、主体性を持ち、常に自分たちで考えて動いてきたことがチームの団結力と自信につながった。高校3年次には、かけがえのない仲間との努力が実を結び、第45回全国高等学校選抜で団体ベスト8。個人でもインターハイ準優勝を成し遂げた。

 

 今後の目標は「自分のゲームを確立すること」。どんな相手にも通じるような動きや構成を模索する。また、村田のモチベーションはフェンシングをすること自体にある。五輪に出るためや試合に勝利するためではなく、競技そのものに魅力を感じ、日々己の技を磨いているのだ。彼にとってフェンシングは「自分を高めてくれるもの」。確固たる意志を持ち、新たな仲間と共にさらなる頂を目指す。

 

[正野真由夏]

 

◆村田 一公(むらた・いっこう)令4理工入学、米沢中央。明大を選んだ理由の一つは建築学部があること。172センチ・61キロ

 

(写真は本人提供)