学生スポーツ

明大スポーツ新聞
2022.01.22

 「場合によってはもう応援してほしくないと思っています」。この一文は、競走部の園原健弘総合監督が箱根駅伝直後のブログで書いたものだ。選手や部全体に向けて心ない言葉を送ったOBへのメッセージ。この一文を読んだ時に園原総合監督がすてきな人だと感じることができた。

 新年明けたばかりの1月3日。明大は復路3位と健闘したものの、総合14位でシード権獲得とはならず。私自身もラグビー取材の傍ら、箱根駅伝を楽しみにしていた。結果は残念だったかもしれない。だが、試合後選手たちのSNSに寄せられた罵詈雑言(ばりぞうごん)をとても見てはいられなかった。     

 学生スポーツの在り方とは何なのでしょうか。選手たちは、プロではない。もちろん注目を集め、学生ながらスターの選手は存在している。けれど、あくまでも選手はみんな大学生。ファンの方のお金を基に生活しているプロとは違う。プロは結果が出せなければ厳しい言葉を掛けられることも起こり得る。しかし、学生は立場が違うでしょう。選手として活躍して生きていけるのはほんの一握り。大半の選手は最終的に社会で働かなければいけない。社会人として通用する人材を送り出すために学生スポーツは存在するのではないだろうか。

 お金の絡まない、純粋な学生たちの熱い心に魅力を感じている人も多いはずだ。八幡山で頑張る選手たち。サッカー部と競走部の寮はお世辞にもあまりきれいとは言えない。あの環境の中で、全国上位に食い込んでいるだけで十分に立派だ。文句ではなく、温かい応援と目に見える支援をしてはいかがだろうか。総じて、結果がどうであれ競走部の皆さんには拍手を送りたい。乱暴な言葉が聞こえないように大きな音で。


[田中佑太](執筆日:1月7日)