中山律希 前向きに、ひたむきに さらなる高みへ

2021.02.13

 ラグビー歴はわずか5年。中学時代から本格的に始めたラグビーだが、その才能はすぐに開花。高校では全国高校大会(以下、花園)出場、高校日本代表選出とスピード出世を果たしてきた中山律希(政経1=天理)。関東大学対抗戦では早くも紫紺をまとい、破竹の勢いで旋風を巻き起こす。

 

闘球の道へ

 「ラグビーやってみないか」。中学校に入学したての頃、監督に誘われ入部。小学生の頃から続けてきたサッカーを辞め、本格的にラグビーに取り組み始めたのは中学2年生から。当初は「何となく動いておかなきゃという感じでやっていた」。しかし、すぐに頭角を現す。初めて出た試合では、3トライを奪う活躍ぶり。この試合をきっかけに「このスポーツ楽しいなって思えた」。腕前は上達していき、選抜にも選ばれるように。「嬉しかった」。気が付けば、ラグビーの世界へと引き込まれていた。

 

栄冠と悔恨

 高校は奈良県の名門・天理高に進学。天理高の練習は、とにかく走らされ「地獄みたいだった」。また生活面での制限も厳しく、高校生活はラグビー一色だった。

 高校2年次には花園の舞台を経験。「のびのびとできた」。持ち前の突破力でその存在を全国に知らしめた。そして、最終学年で迎えた奈良県大会決勝。相手は、天理高と並んで奈良の2強と呼ばれる御所実高。前半、10ー10で折り返すも、後半に攻め込まれ点差を広げられる。試合終了が近づくにつれて「みんなが泣き出して、実感が湧いてきた」が、決して最後まで諦める姿勢を見せなかった。しかし、無情にもノーサイドの笛が鳴り響く。最終スコアは10―22。最終学年での花園への道は絶たれた。

 テレビで見る花園。部員たちと見ながら「俺たちも出たかったな」。この悔しさを原動力に、大学ラグビーという新たなステージを駆け抜けていく。

 

ひたむきに

 中山は4年間のテーマとして「ひたむき」を掲げる。この姿勢は、天理高のラグビーから得た。ホイッスルが鳴るまで体を張り、走り続ける。天理高には、大柄な選手が少なかった分、最後まで戦い抜くといった精神的な部分を鍛えられてきた。大学では「試合中に頼られるような存在になりたい」。ひたむきな姿勢で、明大に新たな風を吹かす。

 

[宇野萌香]

 

◆中山律希(なかやま・りつき)政経1、天理高。第二外国語はフランス語を選択。「響きがよかったので(笑)」。169センチ・105キロ。