表現武器に銀盤彩るアーティスト 本田真凜

フィギュアスケート
2020.09.21

 今号では、春から明大生の一員となったスケート部フィギュア部門の本田真凜(政経1=青森山田)にインタビューを行いました。スケート一家で生まれ育ち、2年前からはアメリカを拠点に活動してきた彼女。大学へ抱いていた憧れや、家族に対する思いなどを語ってくれました。(取材は3月8日、電話で行ったものです) 


――明大進学のきっかけを教えてください

 将来自分が何をするにしても、大学は卒業しておきたいと思っていました。新葉ちゃん(樋口・商2=開智日本橋学園)など知っている先輩も多くいますし、明大ってなんかすごいじゃないですか(笑)。そんな憧れはありました。

――アメリカでの生活はいかがでしたか

 コーチが新しい方になり、練習も大きく変わる中、その変化にうまく慣れることができませんでした。休みに友だちと遊びに行くことも、日本語で話すこともないので、生活面でも苦労しました。スケートをやめて、何か他に楽しいことをしようと考えたこともありました。


――つらいときの支えはありましたか

 家族の存在はとても大きいと、改めて感じました。昨年の試合前は日本で調整することも多く、昔のように兄妹一緒に練習することがで きました。そのおかげか、久しぶりに全日本選手権で良い演技ができました。また、家族以外では、卓球日本代表の伊藤美誠ちゃん(スターツ)とオフの日に会って、一緒に卓球をしたこともあります。2年前の全日本選手権で良い演技ができなかった時に見に来てくれていて、試合後に「誰かのためじゃなくて、自分のために演技をして喜べるのが一番なんじゃないかな」と言ってくれました。その言葉が私を変えてくれました。


――注目されることに関してどう感じていますか

 平昌五輪シーズンはどこにいても注目してもらっていて、それがすごく苦しかったこともありました。何をしたら誰が喜んでくれるのか、他人のことを気にし過ぎていました。でも、今は自分が楽しいと感じられることが一番だと思っています。昔と比べると、だいぶ素の自分を出せるようになったので、決してしっかりしたお姉ちゃんではないということをどんどん伝えていきたいです(笑)。

――ファンの応援は後押しになっていますか

 もちろん後押しになります。毎年、誕生日の時には寄せ書きを4、5冊ほど頂いているのですが、本当に感謝しています。その気持ちを表すのは演技しかないです。いい演技をして、私が喜んでいる姿を見せるのが一番の恩返しだと思っています。


――「五輪に出たい」という気持ちはありますか

 (かなり悩んでから)今は、出たいと思っています。でも、まだ自分の中では夢って感じで、近い目標ではないです。現実的にそこに近づけるようになってから、もう一度考えたいです。


――大学での目標をお願いします

 インカレに出て優勝したいのと、今年は全日本 選手権に兄妹4人で出られる機会なのでぜひ出場 したいです。また、競技を続けるのは大学までという予定なので、やめた後に何をするかを大学で学びながら決めていきたいです。 


【聞き手・青木優実】