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(2)「全員が今年1年間楽しかったと思えるチームにしたい」箸本龍雅主将 新体制インタビュー

ラグビー 2020.04.02

 3年連続で日本一を争っている明大。ウイニングカルチャーが根付きつつある今、新スローガン〝One by One〟の下、目標とするジュニア選手権、対抗戦、大学選手権の3冠達成なるか。勝負の秋を占う挑戦の春、箸本龍雅主将(商4=東福岡)率いる新体制が始動する。本連載では新幹部の今シーズンに懸ける意気込みを全8回にわたって紹介します。

 

 第2回は箸本龍雅主将のインタビューをお送りします。(この取材は3月12日に行われたものです)

 

※3月30日、関東ラグビー協会より「関東大学春季大会・オールスターゲームの中止決定」が発表されました。一部取材内容と齟齬(そご)がありますが、ご了承ください。

 

ーー主将に選ばれて、今の心境はいかがですか。

 「変わることはないです。昨年からチームを引っ張っていくぞという気持ちがありました。それが主将となっただけでやることは変わりません。昨年の夏合宿の時に、監督と面談をして、それとなく言われていました。夏初めは自分から発信する意欲とかもなく、先輩に付いていくことが多かったです。面談してからは、来年に向けて自分のためにもなると思ったので、そういう意識を持って取り組みました」

 

ーー主将として意識していることはありますか。

 「僕自身がこうしようというわけではなく、今までやってきたキャプテンの柄として、いろいろな人にいろいろな役割を持たせてやってきました。自分一人では見切れない部分も多いので、いろいろな人から個々に派生していくようにすることが理想です。大学や高校は最上級生のチームになってくるので、その学年がどれほどいいモチベーションを持てるか。きれい事ではないですけど、高校の時も実際それでいいチームでできていたし、メンバー外の人たちも一つになれたと思います。昨年、一昨年のチームもそうだったように、4年生がどういう態度で1年間取り組むのかがチームに大きく関わってくると思います」

 

ーースローガンについて教えてください。

 「オフ中に4年生一人一人に言葉を考えてきてほしいと話しました。みんなが考えた中から決めました。昨年は最後の最後にチームが良い状態でしたが、先読みしすぎて結果が出ませんでした。〝one by one〟には一人一人とか一つ一つという意味があって、足元見て、いつも大切にしていることを慢心せずにやっていこうと。いろいろな意味を込めていて、一人一人がなんでも言えるチーム。個人がチームのために何をすべきなのかというのを込めて、このスローガンにしました」

 

ーーサンウルブズに合流して感じたことは何ですか。

 「フィジカルや体の強さ。大学では通用していましたが、向こうでは通用しませんでした。改めて課題が分かったので、これからのトレーニングのモチベーションになりました。実際行ってみて楽しかったですし、みんな優しくて良かったです。高校の先輩である布巻峻介選手(パナソニックワイルドナイツ)に個人練習に呼んでもらったり、ご飯も連れていってもらえたりしてうれしかったです」

 

ーーコロナウイルスへの対策はしていますか。

 「毎年予防注射を打ちに来てくれるドクターがいて、その方が話に来てくれて、チーム全体に共有してくれました。防ぎようがないですし、必要以上に人混みを避ける意識、そういうところです」

 

ーー今年のポジションはどこを考えていますか。

 「言われたところをやるつもりですけど、監督と相談しながら、6番、8番とかバックローもやれるようにしていくって言われています。まだ試合も始まっていないですし、チームとしてラグビーの練習はしていません。チームで合わせるというより、個のスキルを高めるようにしています」

 

ーー今年のチームの雰囲気はいかがですか。

 「フラットな雰囲気を作りたいので、学年関係なく積極的に話せて、私生活においても誰にでも気軽に話せるチームを目指しています。現段階では、4年生からコミュニケーションを取るように心掛けています」

 

ーー新入生が入ってきていかがですか。

 「良い選手が多いですね。今はFW、BKの練習が多くて、日曜日の練習くらいしか一緒にやりません。まだあまりよく分からない部分もありますね。自分から、練習中に声をかけて、気にかけてはいます」

 

ーー春シーズンに心掛けることを教えてください。

 「チームとして戦術的なことはやってきていないので、個人がやってきたことをチャレンジすることです。個々のベースアップしてきたところがどれだけ相手に通用するか。明治は強さを出して前に出ることが強みだと思うので、そこを出していけるかです。春はずっとタックル練習をしていて、相手を向こう側に倒すタックルを心掛けています。アーディー・サヴェア選手(ハリケーンズ)や姫野和樹選手(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)などを参考にしています」

 

ーー今シーズンの目標をお願いします。

 「僕の目標は、全員が今年1年間楽しかったと思えるチームにしたいというのと、後悔のない1年間にしたいです。メンバーがどうだったとかではなくて、このチーム1年間雰囲気として好きだなと思ってもらえるようにしたいです。そうなれば、絶対良いチームになると思います」

 

――ありがとうございました。

 

[田中佑太]


 

◆箸本 龍雅(はしもと・りゅうが)商4、東福岡、188センチ、107キロ

 オフの期間は、福岡に帰省。地元の友達と遊び、いいリフレッシュとなった。


次回は片倉康瑛(法4=明大中野)のインタビューをお送りします。お楽しみに!


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