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(65)~FINAL CHALLENGE~ 武井日向(後編)「勝利を追求する文化を明治の文化に」

ラグビー 2019.11.30

――今シーズンは主将に選ばれました。

 「主将は4年生の話し合いで決まりました。それはきつい時にきついことができてという信頼をチームメイトが持ってくれていたということだと思います。僕自身主将をやっても主将ではなくても4年生の責任感を持ってやろうということは決めていたので、主将になったから焦るとかそういうことはなかったです。チャンスがあるならやりたいとは思っていました」

 

――どのような主将を心掛けていますか。

 「プレーで引っ張る、言葉で引っ張るとかあると思うのですが、僕はどっちで引っ張るということをなくそうと意識しています。どっちかにこだわる必要はないと思っていて、別に話すのが苦手なわけではないですし。体を張って、かつ話せる主将を目指しています。自分たちが積み上げた部分、自信にしている部分を体現できた時は自信にしようという話をして、悲観することはないけどまだまだ課題はあるという感じで話しています」

 

――どんな最上級生でありたいですか。

 「去年の4年生を見てその代の色というものがあることを強く感じました。自分達らしくというのを意識しています。そういう部分はプレーに出ると思うので、自分たちらしさを生かして優勝したいです。献身的なプレーだったり、基本のプレーもですが、細部をつめて勝利に繋げたいです」

 

――対抗戦はここまで全勝です。

 「W杯期間で少し空いたのですが、慶応戦で6週間積み上げてきたものも見られました。すごくチームとして成長しているというのは感じます。ただ細かい部分、今年掲げたディティールの部分はもっともっと追求していかないといけない部分です。細かいところをこだわってこれからやっていきたいと思います」

 

――慶大戦、帝京大戦と大舞台に臨む前に選手たちにどのような言葉を掛けましたか。

 「自分たちに、今までやってきたことに自信を持つことという話をしました。あとはチャンピオンになったのは去年のチームだから、今年はまだ成し遂げていないと。ハングリーという言葉も掲げたけど、ハングリー精神を持って、こっちがチャレンジャーの気持ちで向かおうという話をしました」

 

――主将として大変な時期はありましたか。

 「夏合宿です。慶応に負けたり、スクラムで上手くいかなかったりとかあの時期はちょっとどうしようかなというのは感じていました。ただ他のリーダーであったり、下級生もそうですし、リーダーシップを持ってやってくれました。夏合宿ということもあってラグビーに触れる時間は多かったので、選手ともコミュニケーションを取れました。夏合宿はチームとしては伸び悩んでいたというか、思ったように上手くはいかなかったのですが、僕も色んな選手がこういうこと考えているんだと感じられました。主将の僕をすごくサポートして助けてくれるメンバーもいたので、改めてチームを感じられたのは良かったと思います」

 

――明日は明早戦です。

 「伝統の一戦ということもありますし、何が起こるか分からない特別な試合という感じはします。早稲田は1年生から出ているメンバーが今4年生になって、BKの充実はすごく感じます。それもそうなのですが、FWも今年はすごく強いです。スクラム、モールに自信を持ってくるチームなので、そういうところでいかにこちらがプレッシャーをかけるかが重要になってくると思います。昨年負けているのでリベンジという気持ちはすごくあります。負けられない相手なので、意識してやりたいと思います」

 

――全勝対決です。

 「早稲田に対して優勝とか全勝対決とかももちろんあるとは思うのですが、まずは目の前の相手に勝つこと、変な意識を持たずにただ目の前の早稲田に勝ちに行くということだけを考えてやりたいです」

 

――明大ラグビー部は勝利を挙げることが多い中で、勝利から学ぶことはありますか。

 「勝つことから学ぶことというのはかなり意識しています。ただ勝つだけではなくて、今年は内容にもこだわれるようになってきていると思います。ただ勝って喜ぶチームではもうないので、良かったところもそうですし、課題も見つけながら。勝ちながら、成長していくチームになりたいと思います。そういうところはリーダーもそうですし、僕も意識しながら、良い試合のなかでも課題を見つけつつ、修正して成長していくチームになりたいと思います。同時に勝ち続けることの難しさというのも感じます。そういうのは2年前からどんどん積み上げてきて、勝つ文化は浸透している部分だと思います。それを明治大学の文化として残していきたいと思います」

 

――武井選手にとって〝真価〟とは何ですか。

 「今年のチームのテーマですけど、僕としては明治大学ラグビー部のテーマだと思っていて、長い歴史の中でも本当に大事な年になると思います。明治大学ラグビー部としての価値を上げ続けるために、勝ち続けられるチームになるかというのは僕らの姿勢にかかっていると思います。そういう意味でも重大な代だと思っています。今年だけではなくて、明治大学ラグビー部の歴史の中でも真価を見出せるようなチームになれればいいと思います」

 

[上松凜助]

 

◆武井 日向(たけい・ひなた)商4、国学院栃木高、171センチ・97キロ

武井の最近の趣味は英語の勉強。同部屋の後輩・猿田湧(営3=秋田工)とともに勉学に励む。「純粋に楽しいです。和泉でももっと頑張ればよかったです」


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