

(42)安×武井×笹川 4年生フロントロー対談
本連載では主力選手の対談を全4回に渡ってお届けする。第1回は安昌豪(営4=大阪朝鮮)、武井日向主将(商4=国学院栃木)、笹川大五(政経4=明大中野)。4年生となった今季、第一列のスタメンとして体を張るFWの屋台骨たちだ。最上級生としてチームを支える3人にお互いの印象や対抗戦の意気込みなどについて語っていただいた。(この取材は10月25日に行ったものです)
――まず始めに、お互いの紹介をお願いします。
安「武井は派手なプレーではなくて基本を忠実にするような…寝起きだからあんまり頭が動いてない(笑)。(堅実な?)そうそれや。堅実なプレーヤーです。冷静に周りを見られるのでアドバイス的なこともしっかりとしている選手です。キャプテンだからと言って変に硬くなっていないというか周りにも話しかけるしフレンドリーな感じで、周りからも接しやすいと思われていると思います」
武井「笹川はどんな練習でも試合でもしっかり声を出すプレーヤーです。そうやってチームのことを第一に考えていて、エナジーを一番に感じる人ですね。盛り上げやすい選手ですし、こういう選手がいてくれたらチームも盛り上がります。そういう面がすごく僕も助かっている面があります。スクラムでは一番考えていますし、プレーに対する責任もそうですし、準備もそうですし一番やってくれている選手です。いろんな面で信頼がある選手だなと思います。グラウンドではそういうふうにやっていますけど、キャラクター的には私生活がちゃらんぽらんな人ですね。おちゃらけタイプなので(笑)。」
笹川「載る?」
武井「載る載る(笑)。私生活ではいい意味で盛り上げてくれているので…いい意味ですよ。彼もなんていうかミーハーなのでいろんなことに手を出してすぐに飽きていますそういう性格ですね」
笹川「昌豪もフィットネスがプロップの中ではずば抜けています。練習をしていてももっと自分も走らないと、動かないといけないということを考えさせてくれるような選手です。昌豪もだいぶちょけてますけど」
――3人が初めて会った時の印象を教えてください。
安「大五は高ジャパ(高校日本代表候補合宿)やったっけなあれ。高ジャパの合宿で一回一緒になったときにたまたま駅であったんですけど、僕は一人で行っていて、朝高(大阪朝鮮高)からは一人でした。大五も明中(明大中野高)一人だったんですけど仲いい子と二人でいて僕そん時『あのでっかい二人絶対高ジャパやな』と思って行ったら、『お前も明治やんな!』みたいな感じだったのを覚えていますね(笑)。けっこうイケイケなやつが明治来るんだなと思ったのを覚えています」
武井「昌豪は合宿の試合とかで」
安「菅平やったっけ」
武井「昌豪がキャプテンやっていて僕は知っていたんで『これが安昌豪か~』っていう感じですごいやつが明治に来るんだなと思いました」
武井「大五は中学から合宿とかで一緒でした」
笹川「同じチームでやったことがあって僕の(武井選手の)第一印象は中学生の中でもずば抜けて足が太かったんですよ。それがすごい印象に残っていて、あの足を目指してスクワットしましたね(笑)」
武井「こんなでかいやつが同じ学年にいるのかと思いましたね。大五は最初からデカかったんで」
笹川「あんま中学から体格は変わってないですね」
――プレーでの持ち味を改めて教えていただきたいです。
安「さっき大五も言っていましたが、自分は運動量に自信があります。それしかないというくらいです。他の選手より走って他の選手より仕事してという試合の中でも自身が持てる部分だなと思います」
武井「僕はワークレートの部分で自信を持っています。それ以外にもキャプテンとしてというわけではないですが一番体を張れるようにしています。そういったことを昔から考えてプレーしていました。派手なプレーはないかもしれないですが、泥臭くチームのために体を一番張るというところを意識して試合に取り組んでいます」
笹川「自分はまずエナジーの部分でチームを活気づけるというところをすごく意識しています。あまりアタックは得意ではないのでディフェンスの部分でしっかりドミネートして勢いづかせるようなプレーをできたらいいなと思いますし、そういったプレーをしようと心掛けています」
――先輩方から学んだことはありますか。
安「齊藤剣さん(平31政経卒・現NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)と久原綾眞さん(平30政経卒・コカ・コーラレッドスパークス)ふたりのプレーを客観的に見て学ぶというよりはそのプレーを見て自分から質問をしていました。僕が2年生とか3年生の時はスクラムが課題であまり試合にも出られなかった部分がありました。そうしたすごい先輩たちがいたのでしっかり自分から聞くようなことはしました。(一番印象的だったのは)久原さんからは姿勢の部分もそうですが相手との駆け引きの部分ですごく参考になりました。あと僕は1番の人だけじゃなくて3番の吉岡さん(平31農卒・現ホンダヒート)とか練習で組む中ではむしろ3番の人とコミュニケーションを取ることも多かったです」
武井「健太さん(福田健太・平31法卒・現トヨタ自動車ヴェルブリッツ)とかはこないだの試合とか見に来てくれたりして話したりしました。一人でやりすぎないというのは健太さんからも言われましたし、満さん(古川満・平30商卒・現トヨタ自動車ヴェルブリッツ)からも学んだことではあります。キャプテンとしてだからと言って一人で全部やるのではなくていろんな部分を4年生に任せることや、スクラムに関しても全部僕がリードするのではなくて大五にも昌豪にもリーダーシップを取ってもらってやっています。私生活の部分でも役割を分担させたりとかは健太さんにも満さんにもキャプテンとして学んだことです。僕だけじゃなくてリーダーとしての自覚を持っている選手は多いですし、リーダーズグループに入っていない選手でも積極的に声を出す選手もいます。そういう部分は全部自分がやらなくても全員に責任感が生まれているなと思います」
笹川「吉岡さんとよく話していました。スクラムにこだわっている人で僕はケガも多かったんですけどそのケアの部分だったり、自分とリザーブを競る中でも僕にとってプラスになることを教えてくださったのですごく尊敬しています」
――対抗戦、大学選手権への意気込みをお願いまします。
武井「W杯で日本がベスト8まで行ってラグビーも注目されるようになりました。僕たちも感動しましたし、そういった意味では注目されている中で試合ができるというのはうれしく感じています。対抗戦もこれからですが、対抗戦の優勝は僕らが入学してからしていないので、スキのないチームをつくっていきたいなと思います。一戦一戦成長していきたいです」
[清水康佑、上松凜助、田中佑太]
◆安 昌豪(あん・ちゃんほ)営4、大阪朝鮮高、177センチ・112キロ
◆武井 日向(たけい・ひなた)商4、国学院栃木高、171センチ・98キロ
◆笹川 大五(ささがわ・だいご)政経4、明大中野高、185センチ・116キロ
次週は片倉選手、箸本選手の対談をお届けします。
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