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關根瑞己 宿命も味方に 百折不撓の精神を貫徹

ラグビー 2019.09.20

 50メートル走6秒2の韋駄天がグラウンドを駆け抜ける。競技歴わずか半年で花園に出場し、トライを挙げたウイング關根瑞己(商1=明大中野)。一度は競技を離れるも、春から紫紺を身に着け活躍している。未だ成長を遂げる新鋭に、期待は高まるばかりだ。

 

不屈の精神

 早稲田との新人戦。開始2分、ハーフウェーラインから自慢の脚力でゴールラインへ一直線。チームの舵を取る。幸先の良い先制トライを筆頭にチャンスメークを見せ、ルーキーとして驚異のハットトリック。一躍名を轟(とどろ)かせた。苦しいときこそチームのために。チームメートと歓喜に沸く姿は高校時代を喚起させた。

 高校入学を機に始めたラグビー。8年間続けた野球で培った瞬発力を武器に、わずか半年でスタメンを勝ち取った。しかし1年経たずして退部を余儀なくされる。度重なる脳震盪によりドクターストップ。「ラグビーに人生はかけられない」。退部を惜しむ声を振り切ってチームを後にするも、待っていたのは何をしても面白くない毎日。仲間がいるグラウンドへの思いは消えず、隠れて観戦にも行った。ラグビーがしたいのではない。みんなともう一度プレーがしたい。花園予選会まで10か月を切った3年次春、新人戦で異例の復帰を見せる。仲間の熱心な勧誘が、關根を再びグラウンドに引き戻した。「他のメンバーだったら戻っていない」。そこには最高の仲間とラグビーを楽しむ姿があった。

 

巡り合わせ

 大学でラグビーを続けるつもりはなかった。關根の今があるのは高校のコーチ・花井良達氏(平7政経卒)からの言葉。「お前は大学でも続けた方がいい」。俊足を見出し、フランカーからウイングへ転向させた花井コーチ。「ラグビーの9割は花井さんから教わった」。紫紺をまとい初出場した立大戦でも正確なボール運びでチームに貢献。恩師の教えは全国でも通用すると確信した。

 高校の引退試合では1トライ差で涙を呑んだ。悔しさを胸に、選んだのは最強の大学。目標とする山﨑洋之(法4=筑紫)のように、プレーでチームを引っ張るムードメーカーへ。1トライを着実に。關根の快進撃はまだ序章にすぎない。

 

[中村奈々]

 

◆關根 瑞己(せきね・みずき)商1、明大中野高、178センチ・81キロ。春学期はスペイン語に苦戦。午前3時まで戦い、何とか単位を手にした。


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