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「ほめられた事が君の才能」 オリエンタルラジオ・藤森慎吾さん インタビュー

明大スポーツ新聞 2019.03.26

 卒業生の皆さん、明治大学での日々はいかがでしたか。大学生活最後の日にお送りする本紙・卒業記念号を通して、皆さんのかけがえのない青春の日々を振り返るお手伝いができれば幸いです。1面を飾るのは本学OBであり、お笑いコンビ・オリエンタルラジオの藤森慎吾さん(平17政経卒)です。ご自身の4年間の思い出と、卒業生へのエールを語っていただきました。藤森さんに伺ったお話をお祝いの言葉と代えさせていただきます。このたびは卒業おめでとうございます。


――大学時代を振り返って印象に残っていることについてお聞かせください。
 「定番なテニスサークルに所属していて、1、2年次はサークル活動に力を注いでいました。チャラめのサークルでテニスの練習より飲み会の方が多い感じでした。そこで人生初の彼女もできて、今のチャラ男が養われたかもしれないですね」


――大学3年次に、お笑いの道に進まれたのはなぜですか。
 「一番はやりたかったからです。少し就活の情報収集はしましたけれど、自分的にやりたいという衝動が湧くものが当時はなかったです。それよりもいろいろな芸人の漫才やコントを見ていて、これをやってみたい、これを自分の一生の仕事にしてみたいという思いが強かったから、心が動いたことを優先させました」


――在学中にM-1グランプリで準決勝に進まれたときの周りの反応はいかがでしたか。
 「もう有頂天でしたよ(笑)。これは学生のみんなにも気を付けてと言っておきたいです。人生はいい波のときが必ずあるけれど、いかに自分の沸き立つ高揚を抑えられるかです。実際、当時手応えがあったのだと思います。学校でもちょっとした特別扱いみたいな感じでした。当時は遅刻したら丸刈りだったんですけれど、僕が遅刻しても、それが免除されたりしましたね。結果があれば待遇も変わる。会社もそれはそうかもしれないです。ちゃんと仕事で説得させられるだけの内容ができていれば、多少のことは何か許されたりするかもしれないですし、早くも大学生の時点でそういう社会を知りました」


――社会に出て、生きた大学での経験はありますか。
 「大学時代の人脈は生きています。今になって、仕事で一緒になる同級生もいますし、会社をやっている同級生もいます。自分でお金を稼いで従業員にお金を払っている人の話はとても面白いです。最近はそのような人とよく会っていて、話を聞くのはとても楽しいです。例えば自分がやりたいことを言うと、アイデアをくれて、芸人は発想やアイデアに関しては一番優れていると思う節がありますが、全然そんなことはなくて、その道のプロの方が全然すごいです」


――社会人になる上で、必要なことはありますか。
 「昔だったらしっかり目上の人にはあいさつしてハキハキ、ニコニコ受け答えした方が絶対に印象良いよと言っていましたけれど、この年になると案外そうじゃない人もすごい才能を秘めているのだと分かりました。あいつは暗いから駄目だと決め付けてしまったら、それで終わりです。大切なのは決め付けないこと。例えば自分は声が変だけど、変わっていて良いよねとよく言われます。それを生かして積極的に声優や音楽の仕事を行うようになりました。だから、駄目だったことや反省点はメモを取らずに、人に褒められたところを僕はメモするようにしています。相方の本にも書いてありますけれど、誰しもが天才なので、あなた自身だけの才能を伸ばすということをしてほしいです」


――明治大学はどのような存在ですか。
 「明治は名前として出すとやっぱり格好いいです。いまだに明治と言うと、オーって言われます。世間一般的にステータスのある学校だし、誇りを持っていいと思います。相方が慶大ですけれど、負けてないと思います。学力だけじゃなく、文武両道のバランスが良く、雰囲気がとても好きです。


――卒業生へエールをお願いします。

 「とにかくつらいことが絶対待っていると思いますけれど、悩んでいた時期に自分が最も嫌悪していた部分、軽薄な部分、隠していた部分を全面的に出すことによって人生が変わりました。だからそういう局面が来たときに、もう一度自分の才能を見つめ直してほしいです。それが実はあなたの才能だったりする可能性があると思います。僕は人に褒められたことしかやらないですけれど、チャラ男の考えに少しでも賛同してくれる人がいたら、そういうやり方もあるというのはお伝えしたいです」


【聞き手・大西健太、素宮愛結】


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