山本佑樹駅伝監督 新指揮官改革の1年目

競走
2018.12.19

 今年度からチームを率いる山本佑樹駅伝監督。監督自身、日大時代には西弘美SVから指導を受け、箱根では花の2区を二度経験したエリートランナー。卒業後は名門旭化成で選手、引退後はコーチとして活躍した。

 「予選に落ちたチームだったので選手に迷いがありました。練習一つに対してどうこなしたらいいのか。選手が悩んでいる印象が強かったですね」。


 山本駅伝監督が明大の指導陣に加わったのは昨年度の春。箱根予選会後のチームの印象をこう語った。昨年度は箱根予選落ち、全日本では関東勢最下位。とことん、どん底を味わった1年だった。

 「箱根で何位を目指すとかそういう目標は立てないようにして、まずはコミュニケーションを取ることを重視しました」。


 自信を持てていない選手が多かった箱根予選会直後。選手と監督の意識のズレを修正すべく、双方における意思の疎通を重視した。また体調管理のアプリを導入し、選手それぞれのコンディションを把握。成果は目に見える形で表れた。阿部弘輝(政経3=学校法人石川)の27分台入りを筆頭に、佐々木大輔(営3=八千代松陰)らが28分台ランナーに。

 「(記録が出たことは)気持ちの面でプラスになる」。


 就任時に課題として挙げた中間層も順調に力を付けている。エースの台頭だけでなく、全体の底上げも成された。

 「意識の統一という部分が大きな変化じゃないかと思います」。


 今年度からの変更点に挙げたのは、目的意識の定着。練習の意図をより詳細に説明し、練習の流れ、手段と目的の理解を図った。自主性を重んじつつ、意識を統制する。この取り組みの結果、選手間の意識が統一され、一枚岩のチームが出来上がった。

 「今回はシード獲得を目標としています。あまり何年後に何位に入るぞ、とかっていう先の目標の話は今はしていません」。


 一歩ずつ、それでも確実に前へ。2年ぶりの箱根路を戦う準備は、着実にできている。

 「区間ごとの流れを意識していって、シード獲得を目指します」。


 目指すゴールへ、一つずつ。新生明大の幕開けだ。

【垣内萌恵】


◆山本佑樹(やまもと・ゆうき)日大卒業後、旭化成陸上部に所属。昨年度、明大競走部コーチを務め、今年度、駅伝監督に就任