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(29)八王子ロングディスタンス・1万m記録挑戦会 レース後コメント①(山本佑樹駅伝監督・阿部弘輝・中島大就)

競走 2018.11.26

 迫る箱根に向けてチームの層がさらに厚くなった。24日に行われた八王子ロングディスタンスと1万メートル記録挑戦会で計15人の選手が自己ベストを更新。中でも阿部弘輝(政経3=学校法人石川)は27分台に突入、今季学生最高記録を叩き出した。今回はその2つの記録会を選手のコメントで振り返る。(この取材は1124日に行われたものです)



山本佑樹駅伝監督

――レース振り返りをお聞かせください。

「阿部の27分台というのは上出来です。27分台が出ればいいなという感じではありましたけど、それに向けてガチガチに合わせるということではなかったです。しかし、その中でも記録を出したというのは力がついたということですね」

 

――中島の方はいかがですか。

「調子が良くなく、全日本では外しているので、組を落として上げた方が良かったのかなと思います。でも彼なりには崩れずに粘ったのかなと。本人も変わろうとしている気があったということは、こちらも買ってあげようかなと思いましたね」

 

――この2人にはかなり期待しているから八王子に出した感じしょうか。

「そうですね。実業団と走るということで、よりレベルの高い中での走りが経験になると思います。今後の期待を込めて、早い段階からこの2人にはこちらに出すと決めていました」

 

――チーム状況というのはいかがですか。

「中間層の選手が次々と自己ベストを出しているので、チームの雰囲気と底上げは非常に上手くできていると思います」

 

――現状、箱根で何位くらいに入れそうですか。

「7、8番くらいには十分絡めると思います。悪くてもしのげばシードは取れると思うし、上手くいけば5番くらいはいける感じはします」

 

――山本監督の目から見てライバル校はどこでしょうか。

「法大・国学院大・城西大あたりは全日本でも競りましたし、そこは似たようなところだと思います。ただ上手くはまったら、一個上の駒大・帝京大に挑んでいって、チャレンジしたいなという気持ちもあります」



阿部

――今日のレースを振り返っていかがですか。

  「今日はもう27分台を出すという目標を立てていたので、27分台を出すイメージ、覚悟を持って臨めました」

 

――5000m地点では14分を少し超えるようなタイムでした。

  「ちょっと遅かったのですが、僕自身体が動かない部分もありましたし、後半上がり切れるかという不安はあったのですが、ラストしっかり絞り込めたのは自信になったと思います」

 

――今日のレースの位置づけはどこにあったのでしょうか。

  「佑樹さん(山本駅伝監督)とも話していたのですが、箱根予選会、全日本駅伝、今日の大会というのをセットに考えて、この3セット目でしっかり自分の力を出し切るという目標にしていたので、プラン通りに調子を持ってくることができたというのは、今後にいい刺激になったと思います」

 

――好成績の要因。

  「自分自身のことをしっかり分析して、どの大会でどのように走りたいだとかしっかり逆算して考えられるようになりました。27分台を出すためのどんな練習や生活面を意識してやった結果が27分台につながったと思います」

 

――鎧坂哲哉選手(平24営卒・旭化成)と共に走ることになりました。

  「ラスト手招きをして下さって、最後ぺースをずっとつくって下さったので、本当に感謝しています。今日は負けてしまって力の差がついてしまったのですが、いつかは鎧坂選手も戦っていかなければならない相手だと思っているので、何年かしっかりと継続した練習を積んで勝てるように頑張っていきたいと思っています」

 

――今日のレースには納得していますか。

  「納得していますね。27分台を出すという目標でやっていたので、それを達成できたという点では久しぶりに充実感のあるレースになりました」

 

――坂口裕之主将(政経4=諫早)や本日調子の悪かった中島大就(商3=世羅)については。

  「必ず上がってくると思って心配も僕自身してないですし、本来であれば僕と張るような選手だと思うので、今はそういう時期ということで、何故そういう時期なのかということを考えてしっかり切り替えられるようにしてほしいです」

 

――箱根に向けて

  「いい感覚で臨めたと思うので、今後はケガをしないことが一番重要だと思います。継続した練習をしっかり積めれば箱根でも安定した成績を出せると思うので、引き続き自分のできることをしっかり踏まえて、今日の結果は今日の結果としっかり捉え箱根に合わせていきます」



中島大就(商3=世羅)

――レースを振り返っていかがですか。

「調子が悪いことはわかっていましたが、思ったよりも動きませんでした。我慢という部分を重視して走り切りました」

 

――調子はいつ頃から悪くなりましたか。

「夏合宿後半くらいから、疲労が溜まり、体調を崩し、予選会でもっと悪くなり、悪循環にハマった感じですね。今は体の使い方が上手くないです」

 

――今大会の位置付けとしては。

「僕の中では箱根に向けて、刺激を入れようと。春先にタイムを出したので、当初の目的ではそれよりも速いタイムのいう気持ちだったんですけど、良くなかったですね」

 

――収穫・課題はありますか。

「収穫は現状、頑張ってもこんなもんというのが分かりました。今回(1周)68秒というのが設定だったんですけど、それは3000までが限界で。箱根では少しペースは落ちますけど、それでも7072のペースで我慢しなくてはならないと思います。その点で自分の余裕度というのも上げないとダメだなと感じましたね」



激励コメント

鎧坂哲哉選手(平24営卒・現旭化成)

――後輩の阿部が27分台を出しました

「最初、僕は阿部よりも前を走っていたので、わからなかったです。僕自身は余裕があった中で、最後阿部が出てきたので、彼が27分台を出せるようにアシストしましたね」

 

――阿部の箱根での活躍をどう予想しますか。

「何区を走るかは知らないですけど、最近明治は元気がないので、ちょっと頑張ってもらいたいですね。それこそエース区間か流れを変えるところで走ると思うので、彼が勢いをつけて、明治の流れにできるような走りをしてほしいです」

 

――これから箱根を走る後輩に一言よろしくお願いします。

「予選会を通ったことは良かったですが、予選会を通ることが目標ではないと思います。最終的に箱根でどう結果を残すのかが大事なので、そこを見失わずに頑張ってもらいたいですね。そこでしっかり結果を出せるようにこの1カ月の調整、練習をきちんとこなしてもらえればと思います」

 

[競走担一同]


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