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やっぱり野本がNo.1 返り咲きロード∨

自転車 2018.09.26

 最後の舞台で王者に返り咲いた。インカレ男子ロードレースで野本空(政経4=松山工)が優勝を果たした。2年前のインカレでも優勝を収めておりロード制覇は自身2度目。自転車部でのラストレースを王座奪還という形で締めくくった。


◆9・2 第74回全日本大学対抗選手権(大町市美麻地区)

▼男子ロードレース

 野本――1位


エースの走り

 有終の美にふさわしい走りを見せた。序盤から梅本泰生(法2=石田)が逃げを展開。先頭集団に食らいつき野本を援護した。最終盤は野本と昨年度王者・武山晃輔(日大)との一騎打ちに。一時は5秒差まで縮まったが「絶対勝ちたい」と下級生の武山に対し意地を見せる。ラスト1㌔、得意な登りで加速。差を24秒に広げ、最後は人さし指を突き上げながらゴールした。4時間を超えるレースを、最高の形で終えた。


悪夢のコース

 大会の舞台・大町市美麻。インカレで走るのは3度目となった。1年次のインカレでは必死に格上の選手を追ったが「体が気持ちに付いていかなかった」。レース中に嘔吐(おうと)を繰り返し、無念の途中棄権。先輩に背負われ涙ながらにレースを後にした。

 2度目も悔しい結果に終わった。昨年度のインカレは2年次でロード優勝した野本に連覇の期待が集まった。しかし、連携ミスに他大のマークが重なり、自分のレースをさせてもらえず結果は12位。野本にとって「苦労をし続けたコース」だった美麻。最後の年に、因縁の地でつかんだ優勝の喜びはひとしおだった。


己に打ち勝つ

 昨年度はスランプにも陥った。目標にしていた、地元・愛媛県の国体で26位と大敗。精神的な疲労はピークに。練習に身が入らない日々が続いた。そんな中、プロチーム・愛三工業レーシングチームから声を掛けられ加入。「体が元気でも、心が疲れていたら自転車は進まない」。チームメートからの言葉で不調の原因は精神面だと気付いた。世界で活躍する選手と共闘する中でスランプは解消。万全の状態でラストレースに臨んだ。

 インカレが終わり、世代交代を迎える。これからは後輩たちがチームを率いる。4年生が自転車部として出場するのは今大会が最後。2年ぶりの王座奪還は、これ以上ない幕引きとなった。


【上代梨加】


◆野本空(のもと・そら)愛媛県出身。愛車とサングラスはチャンピオンカラーの黄色にして願掛け。171㌢・58㌔


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