(17)第553号拡大版 佐藤駿選手×三浦佳生選手 特別インタビュー Vol.1

 ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪(ミラノ五輪)を特集した明大スポーツ第553号。フィギュアスケートからは、ミラノ五輪出場が決まった佐藤駿選手(政経4=埼玉栄)と三浦佳生選手(政経2=目黒日大)を取り上げ、2人の対談を掲載した。五輪を懸けた全日本選手権(全日本)の振り返りをはじめ、2人の出会いや普段の関係性などについてお話を伺った。本記事では、紙面に載せ切れなかったインタビューを拡大版として掲載する。

(この取材は1月7日に行われたものです)

――年末年始はどのように過ごしましたか。
佐藤「練習はせずに体を休めてという感じで、今週から徐々に負荷を上げていって、今週インカレ(日本学生氷上競技選手権)があるので、それに向けて頑張っているという感じです」

――リフレッシュはできましたか。
佐藤「そうですね。友達と遊びに行ったりとかして。リラックスして過ごしました」

――先ほどご友人と遊びに行かれたとおっしゃっていましたが、具体的にどこに行かれましたか。
佐藤「大宮でサウナに行ったりしたくらいなのでそんなに遠出をしたとかそういうことではないんですけど。まあサウナに行ったり、普通にご飯を食べに行ったりとかそういったことをしました。(大島光翔選手(令7政経卒・現富士薬品)とでしょうか。)あ、そうですね。大島くんと昨日(6日)行きました」

――三浦選手は年末年始どのように過ごしていましたか。
三浦「年末年始は本当にだらだらしてゴロゴロして、テレビとかゲームとかですね。(具体的にはいかがでしょうか。)駿くんとかとアソビ大全のルドーとかやったり、あとはマインクラフトをハードコアでやったりしました」

――リフレッシュはできましたか。
三浦「そうですね。別に年末年始じゃなくてもこんな感じでやっている気はしますけど。でも普通にリフレッシュしていたという感じです」

――1月4日に行われた名古屋フィギュアスケートフィスティバル(名フェス)はいかがでしたか。
三浦「名フェスは練習不足を実感した部分はありましたけど、ただ楽しくはできたかなという感じと、選手もほぼ全日本メンバーというか、駿くん以外は全員いたので、そこも非常に新年から刺激をいただいたという部分ではありますかね」

――昨年12月の全日本を振り返っていかがですか。
佐藤「僕は初めて表彰台に立てたということがすごくうれしかったですし、本当に全日本とは思えないくらい最終グループの雰囲気もすごく良かったので、その雰囲気に自分も乗っていい演技をすることができたので、本当に楽しく全日本滑れたかなと思っています」

三浦「僕も駿くん同様、初めて表彰台に乗ることができたので良かったのと、やはりシーズンを通して苦しい時間の方がどうしても長かったので、そこは全日本で1個殻を破れたかなというのと。あと、なんと言っても、駿くんとあと鍵山優真くん(オリエンタルバイオ/中京大)と3人で表彰台というのは、ジュニアの時、関東ブロックかどこかで表彰台に乗っていたその規模から、その3人がそのまま全日本でワン、ツー、スリーというのは、非常にドラマチックだなという感じはしました」

――表彰式では感慨深そうな表情を浮かべているように見えましたが、その時はどのような感情でしたか。
佐藤「まずはうれしさがこみ上げてきましたし、長かったなというのが率直な感想で。全日本に9回出て、ようやく表彰台に立つことができたので、本当にようやく立てたんだというふうな実感が湧いたのと、3人で表彰台に立てたというのが本当にうれしかったです」

三浦「そうですね。本当、泣くかなとか思っていたんですけど、僕の前に駿くんが呼ばれて表彰台に向かっていったんですけど、駿がめちゃめちゃ泣いていて。良かったと思う反面、それを見て、自分は思っていた以上にガチ泣きしているから、笑いの方がというか、感情としては良かったなという感じのが大きいですね」

――去年は緊張感があったというお話をされていましたが、今年の空気感はどのように感じましたか。
佐藤「先ほども言ったんですけど、本当に雰囲気がすごく良かったというか、6分間(練習)にいく前もみんなで頑張っていこうみたいな雰囲気があって。去年とは本当に違うような空気感で臨めましたし、6分間(練習)もみんなすごく気合も入っていて、調子も良かったと思いますし、本当に良かったなと思います」

三浦「それぞれの選手にやはりドラマがあるので、それぞれの背景が見えるような、6分間(練習)前から覚悟をみんな持った表情をしていて。優真くんからもね、オリンピックに一緒にいこうということを、滑り出す直前に言われたのも覚えていますし、3人でいこうという話もありました。あとはやはり一番代表を争っていたであろう一希くん(友野一希・第一住建グループ)からも、本番直前に言葉ではないんですけど、お腹をポンと触れるような感じで、お互いに頑張ろうねというのをその1ムーブで表現したりしていたので、すごく熱かったなと思いますし、全体の雰囲気が本当に熱かったなという感じがあります」

――お二人はライバルですが、お互いに応援し合っているというふうには感じますか。
佐藤「グランプリ(GPシリーズ)からあまり同じ大会(への出場)はなかったんですけど、本当に応援していましたし、お互いシーズン序盤は本当に苦しかったので、ケガもありながらのシーズンで一時はどうなることかと思ったんですけど、結果的に最高の形でオリンピックに行くことが決まって、本当にうれしく思っています」

三浦「ドリームアイス(ドリーム・オン・アイス)を、僕はケガで出られなかったんですけど、観戦というか、見に行っていて。そこでちょうど僕の目の前で駿くんがフリップを飛んで、そこで(足が)穴についちゃって。やってしまったところを見ていたので、ガチで心配していたんですけど、グランプリで元気な姿を見せていたので、僕も安心というか元気をもらった部分もありますし、自分は本当にグランプリは散々な結果にもなったりがあったんですけど、何とか活力を消さないでいけるくらいのモチベーションは与えてもらっていたなというふうに思います」

――佐藤選手には、全日本のSP(ショートプログラム)は少しミスがあって、高い順位でのスタートではなかったと思いますが、FS(フリースケーティング)では1位、全体では2位でした。そういう土壇場でのメンタル面についてお聞きしたいなと思いますが、今シーズンを通してご自身のメンタル面ついて何か感じるものはありますか。
佐藤「自分でもすごく(メンタルが)強くなったなというふうに感じますし、今シーズンからメンタルトレーニングとかを取り入れていて、それのおかげもあって今シーズンGPシリーズから緊張も本当にあまりすることなくいい緊張感で臨めるようになったので、全日本も(GP)ファイナルはすごく緊張したんですけど、(GP)ファイナルの経験を経ての全日本だったので、全日本は今までで一番緊張感なく臨めたかなと思います」

――GPファイナルではイリア・マリニン選手(アメリカ)が直前の滑走でしたが、それがやはり大きかったですか。
佐藤「もうあれ以上の後に滑ることはないと願ってはいるんですけど、本当にもう正直死ぬかと思ったというか、この後滑るのかという感じで思っていました。逆に、諦めがついたというか、ポジションに立ってからは先生からは『彼は別のことをしているだけだから大丈夫』というふうに言われて、それでスタートポジションに立ったので、本当に先生のおかげかなと。それで緊張感が一気に取れたというか、ノーミスの演技はできたのかなと思っています」

――メンタルトレーニングといえば、三浦選手もエンタルトレーニングされてらっしゃるということですが、全日本の時はそういうメンタル面ではいかがでしたか。
三浦「全日本は僕は位置的にも、オリンピックにいけるかどうかというところで迎える全日本だったので、SPの前も頭がおかしくなるくらいすごく緊張したんですけど、FSの時もしていたんですけど。その中でも今の自分に集中するということを、なかなか意識しようと思っても難しい部分ではあると思うんですけど、そこを一つガッと周りの音を気にせずにできたというところは、自分自身のやってきたメンタルトレーニングの成長かなというところはあります」

――直前の選手の演技はあまり見ないようにしているとおっしゃっていましたが、全日本でもそういったことはされていましたか。
三浦「全く見ていなかったんですけど、ただ一つだけ懸念点として、やはり6分間練習で一回も(4回転)ループが入っていなかったので、壁に激突して大の字になっていたので、あれだけは本当に怖くてさすがに抜こうかなというところで。そこはもう本当に一希くん(友野)との勝負だったと思ったので、一希くんの演技内容だけ先生から聞いて、やるかやらないかという判断はしました」

――結果的に4回転ループはものすごく綺麗な着氷でしたが、入れて良かったですか。
三浦「跳び上がった瞬間に『あ、来た』って感じの『あ、これはもしや』って感じの跳び上がりをして、そのままガッてきたんで、あーって思いました」

[大島菜央、野原千聖]

Vol.2に続きます。

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