(96)全国大学選手権・早大戦 試合後コメント 阿部煌生「『俺を見てくれ』という気持ちで臨んできた」

2026.01.19

 7年ぶりに日本一を成し遂げた。平組は5年ぶりに関東大学対抗戦(対抗戦)を制覇すると選手権も決勝戦へ。5年前に決勝戦で敗れた早大を22―10で下し単独2位となる史上14度目の日本一に輝いた。栄冠をつかみ取ったスタメン選手15人、幹部陣にお話を伺った。

 第10回は左ウイング阿部煌生(政経2=流経大柏)のインタビューをお送りします。(この取材は1月13

――決勝戦を振り返っていかがですか。

 「とにかく緊張していました。決勝戦なのでどっちにしろ終わりにはなるのですが、勝って終わるのと負けて終わるのとでは気持ちが全く違うので緊張感がとにかくすごかったです。前日もぐるぐる頭の中で明日のことを考えていましたし、プレー中もずっとドキドキしていました」

 ――ご自身のプレーを振り返っていかがですか。

 「すごく緊張感はしていたのですが自分の役割であるハイボールの処理と、新しく意識し始めたランニングのところでいいパフォーマンスができたと思います」

 ――緊張感を感じさせないプレーでした。

 「本当にこのチームでプレーするのはこれが最後だったし、萎縮(いしゅく)して失敗を恐れて何もしないで後悔するより、挑戦した結果起きたミスの方がずっと良いと思うので。そういう気持ちでプレーしていました」

――早大の印象はいかがでしたか。

 「対抗戦に比べてコンテストボールを多用してきた印象があります。またキーマンである服部選手(亮太・早大)、矢崎選手(由高・早大)に対しても今回の試合のテーマであった『オールコネクト』でディフェンスすることができて良かったと思います」

 ――試合が終わってからのチームの様子はいかがでしたか。

 「みんなとにかく泣いていました。ノンメンバーも上から降りてきたときに『本当に良かった』と言ってくれていて。特に印象的だったのは山川遥之さん(営4=尾道)と山村和也さん(商4=報徳学園)が泣いていたことです。遥さんは1年間寮長としてみんなを引っ張ってくれて、本当にしんどそうなときもありました。僕は帝京大戦の週にケガから復帰したのですが、さすがにその試合には間に合わないだろうということでノンメンバーの練習に参加していました。そのときのノンメンバーだけのAD(アタックディフェンス)で遥さんが『今俺たちが練習している間にもメンバーたちはミーティングして頑張っている。みんなでひとつになって応援しよう』ということを言ってくれて、それがきっかけでチームがまとまったような気がしたので、(決勝戦の後に)泣いている姿を見て本当に報われて良かったなと思いました」

 ――今年度を振り返っていかがですか。

 「去年の1月に選手権の準決勝で敗れてしまって。当時は自分の実力的にメンバーに選ばれるはずはないということは分かっていたのですがやはり悔しくて。絶対にメンバーに選ばれてやろう、『俺を見てくれ』という気持ちで練習に臨んできました。まずはセブンスだと思って世界で様々な経験を積んできましたし、ノンメンバーでの練習の時もメンバーを圧倒してやるという意識でやってきました。その結果春シーズンでも使ってもらえるようになりました。初戦の筑波大戦で負けてしまった後、青学大戦、日体大戦では自分でいいパフォーマンスをできてきた中で、ケガをしてしまったので『今シーズンはもうダメだな』という気持ちになってしまいましたが、神鳥監督に『僕を試合に出してください』と言いに行ったとき、『今のチームの現状としても戻すことが出来ない、スタッフとしても阿部のことは信頼しているからそこは信頼して欲しい、試合に出られなくて悔しいという気持ちは俺もわかる、けど今はチームのために我慢して欲しい』と言葉をかけてもらいました。それを信じて練習していたら試合にも出していただいて優勝という結果につながったので、とても濃い1年間だったと思います」

――チームのターニングポイントになった出来事はありますか。

 「僕はその時ケガをしていて出られてはいなかったのですが、慶明戦の時だと思います。ああいうふうなゲーム展開になった時、ノンメンバーのうちの一人が『慶應戦で苦戦をしたのに(あの試合をしてメンバーはそのままで)ノンメンバーの方がどうして別メニューをやるかわからない』と勇気を出して言ってくれて、そこからチームの意識が変わったように感じました。ミーティングの量も増えましたし、そこがやはりターニングポイントだったと思います」

 ――来シーズンの目標を教えてください。

 「大学選手権日本一、今年度得たディフェンス力をさらに向上させ来年もスキのない『前へ』を体現できるチームになっていきたいと思います」

 ――ファンの方へメッセージをお願いします。

 「今年度はいろいろなことがあって不安に思わせてしまったこともあるかと思いますが、変わらず温かい声援を送り続けてくださりありがとうございました。来年度も『前へ』を体現できるようなラグビーを目指し続けたいと思っているので、これからも応援よろしくお願いします」

――ありがとうございました。

[近藤未怜]

◆阿部 煌生(あべ・こうき)政経2、流経大柏高、179センチ、85キロ

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