(109)第552号特別インタビュー⑤/山本樹

2025.12.27

 今回は明大スポーツ第552号で扱った選手や指導陣の、掲載し切れなかったインタビューをお届けします。

 第5回は山本樹(営4=専大松戸)のインタビューです。(この取材は11月29日にオンラインで行われたものです)

——1年時の振り返りをお願いします。
 「上尾シティハーフマラソンに出場しました。入学してから初のハーフマラソンだったのですが、思ったより走れて63分台を出せたのはうれしかったので、よく覚えています。高校時代まで実家で暮らしていたので、初めての寮に不安な気持ちもありましたが、先輩たちが優しかったのですぐになじめました」

——2年時の振り返りをお願いします。
 「ハーフのベストを更新できましたし、実力がついてきたと実感した時期でした。箱根駅伝(箱根)のメンバーには入れましたが、走れるか走れないかのギリギリの立場にいました。結局走ることができず、悔しい思いをしたのは覚えています」

——3年時の振り返りをお願いします。
 「ケガもなく、夏合宿でたくさん練習ができた実感はありましたが、箱根駅伝予選会では満足のいく走りができませんでした。チームも落選してしまって、思うようにいかない1年でした」

——今年度はどういった1年でしたか。
 「とにかく悔いの残らないように頑張ろうと決めて臨んだ1年でした」

——4年間で最も苦しかった出来事や状況は何ですか。
 「あまり思いつきません。気持ちの浮き沈みはあまり激しくないタイプなので、目の前の課題を乗り越えることに集中していました」

——山本選手にとって、同期の選手はどのような存在ですか。
 「プライベートでも一緒に過ごしたり、遊びに行ったりしていました。特に森下(翔太・政経4=世羅)には、栄養の知識や陸上競技への考え方を教えてもらっていました。同期のおかげで自分も成長できましたし、感謝しています」

——指導陣に掛けられた言葉で、最も印象に残っていることを教えてください。
 「2年時の紋別合宿で山本豪元駅伝監督に掛けられた『苦しくなってからが練習だよ』という言葉です。走っているうちに集団から離れて、苦しんでいた時に掛けてもらいました。不思議と今でも心に残っています」

——箱根に対する率直な気持ちを教えてください。
 「もちろん箱根を目標に大学へ入学しましたが、届きませんでした。でも、先輩や同期、後輩たちに恵まれたと実感しています。後悔がないと言ったら嘘になりますが、箱根よりも大事なものを得られた、充実した4年間だったと思います」

——印象に残っているレースはありますか。
 「昨年度の日体大記録会の5000メートルです。高校時から更新できていなかった自己ベストを更新できたのはうれしかったです」

——後輩への思いを聞かせてください。
 「ただの後輩というだけではなくて、友達のように毎日過ごしてきたメンバーなので、3年生のみんなには頑張ってほしいです。ラスト1年を悔いなく走ってくれたらいいなと思います」

——これからの社会人生活で、競走部で培った経験をどうやって生かしていきたいですか。
 「目標を追い求めて、努力し続ける姿勢は生かせると思います。苦しいこともあるかもしれないけれど、逃げずに頑張っていこうと思います」

——最後に、明大に入って良かったと思う点を教えてください。
 「同期や先輩、後輩をはじめ、仲間に恵まれたと思います。指導者の方々もいい人ばかりで、教えてもらえて光栄でした。いい4年間になりました」

——ありがとうございました。

[中村慈詠]