今季初のタイトル獲得となるか  想いを一つに突き進む/全日本大学サッカー選手権展望

2025.12.06

 126日より全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)が始まる。王者の肩書きを背負って挑んだ今季だったが、結果は関東大学1部リーグ戦3位「アミノバイタル®」カップ4回戦敗退、天皇杯も出場を逃すなど成績が振るわなかった。今季ラストを飾るインカレは、彼らに残された最後のタイトル獲得の機会だ。6日の予選ラウンドでの対札幌大戦から始まり、決勝ラウンドを目指し戦っていくことになる。“優勝”の2文字を懸け、明大の意地と根性が試される。

見つかった課題

 輝かしい成績を収めた昨季から一転、初就任の池上寿之監督とキャプテンの島野怜(法4=仙台育英)を中心として始まった新体制は、期待通りの結果を出せず苦しんだ。今季を通して選手たちが課題に挙げたのは“チーム力”と“明治らしさ”。池上監督はリーグ最終戦を「勇気を持ってやれなかった」「アグレッシブさというのはなかった」と振り返る。得点源の選手に頼るのではなく、チームとして点を積み重ねていくことが選手たちの目指す姿だ。

勝利への道筋は

 課題は残るものの、充分な勝機を持ち合わせているといえる所為はその選手層の厚さにある。強靭(きょうじん)なフィジカルと豊富な運動量を誇る島野、圧倒的なドリブル力でチームに推進力をもたらす林晴己(政経4=高川学園)、攻撃の先陣を切り得点へとつなぐ真鍋隼虎(名古屋グランパス=U―18)を筆頭に、能力に富んだ選手が大勢いるのだ。また、若手選手の活躍も著しい。リーグ戦出場機会の少ない選手のために設立されたインディペンデンスリーグ(Iリーグ)では、2020年以来アットホームカップ(全日本フェスティバル)への出場を決め、実力を見せつけた。これらの選手がチームの中でどのように組み合わさり試合を進めていくのかが見どころだ。

日本一の景色を

 4年生にとってはインカレが明大サッカー部としての最後の大会になる。今季を支えてきた監督やコーチ陣、切磋琢磨(せっさたくま)し合ってきた同期部員やこれからの未来を担う後輩など関わってきた全ての人への気持ちを背負いながら試合に臨む。「日本一の景色を見せてあげたい」(島野)。勝利も敗北も充分に味わってきた彼らが果てに見る先は、黄金に輝くトロフィーのみである。フィールドに立つ紫紺の勇者たちは、優勝を目指しゴールまで駆け抜けていく。

[小松蕗由]