(42)インカレ直前インタビュー/林晴己

2025.12.05

 12月6日より全日本選手権大会(インカレ)がついに幕を開ける。今季ここまで無冠と苦しむ明大にとってタイトル奪取のラストチャンス。初戦から北海道学生リーグ無敗優勝を果たした札幌大とのマッチアップとなっており、熱戦が予想される。今季初となる全国の舞台で〝貫徹〟を胸に頂に向けた挑戦が今、始まる。

 今回は林晴己(政経4=高川学園)のインタビューをお届けします。

――4年間を振り返っていかがですか。
 「率直にあっという間で、サッカー人生の中でも一番濃い4年間でした」

――4年間関わってきた指導者の方々への思いをお聞かせください。
 「1年から3年まで栗田(大輔前)監督に指導していただいて、まずは高川学園から明治大学に入れていただいたという感謝の気持ちもあります。その分結果で応えられるように明治を勝たせることができる選手になりたかったですが、まだできていないですね。今は池上(寿之)監督ですが、勝たせられるように表現したいなと思います。少しでもプレーで恩返ししていきたいなと思います」

――指導者から言われたことで印象に残っている言葉はありますか。
 「栗田監督から『自分の良さをしっかり表現しろ』と強く言われたことです。自分は表現するのが苦手で黙々とやってしまうタイプなので、その言葉があったからこそ今につながっているなと思います」

――昨年度のリーグ戦を無敗優勝へ導いた先輩たちへの思いを教えてください。
 「自分が1年生のころはリーグ優勝をして、2年生の時にインカレ優勝、去年はリーグ戦を無敗優勝と毎年当たり前のように先輩たちはタイトルを取ってきましたが、自分が4年生になってタイトルを取ることや明治を引っ張っていくことの難しさを身にしみて感じました。1年生の時にいた4年生の先輩たちは全員がプレーだけではなく人間性の部分から磨かれていて、今の自分と比較してもすごく差があるので少しでも追いつけるように頑張っていきたいです」

――4年間をともにプレーしてきた同期への思いをお聞かせください。
 「明治は同期で協力する場面が多くて、ミーティングする中で同期の言葉が自分の原動力にもなっていたので、この代のみんなと一緒にできて良かったなと思います」

――同期で特に仲のいい選手を教えてください。
 「特に仲がいいのは島野(怜主将・法4=仙台育英)、森田(翔・法4=東京FCUー18)、真鍋(隼虎・政経4=名古屋グランパスUー18)ですね。自主練習を一緒にしたり、プライベートでも一緒に遊びに行ったりします」

――この4年間で一番成長した部分を教えてください。
 「ドリブルで相手を抜いたりして満足するタイプだったのですが、サッカーは結果を残さないといけないスポーツで、シュートの意識や結果を残すことにフォーカスするのが意識としてだいぶ変わりました」

――いつ頃からその意識に変わりましたか。
 「3年生からリーグ戦に最初から出させていただいたのですが、自分は得点もアシストも取れずに全く貢献できていなくて、そのときに栗田さんに結果にこだわることを言われたのがきっかけです」

――このリーグ戦を振り返って、ご自身のプレーについてはいかがですか。
 「リーグ戦もゴール数は全然足りていないですし、全然満足できていないです。去年からサイドハーフやウィングバックをやっていましたが、どのポジションでも自分の良さを出せと栗田さんからは言われ続けてきたので悔しさがあります。どのポジションでも自分の良さを消さないのは大事になってくるので、どのポジションでもゴールやアシストを狙うようにしています」

――リーグ戦の結果についてはいかがですか。
 「2位とも勝ち点差が離れていて、それが自分たちの力ですし満足はしていないですが、インカレにつなげられたことや残留できたことをプラスに捉えて、インカレに向けてチームとして一体感を出してやっていきます」

――昨季の無敗優勝のプレッシャーもありましたか。
 「プレッシャーはありましたが無敗を成し遂げている先輩たちがいるので、できないことはないと思うのですが去年より力がなかったのとチームにスキがあったなと思います」

――4年間で一番印象に残っている試合はありますか。
 「印象に残っているのは大学1年生の頃、総理大臣杯(全日本大学トーナメント)でデビューした試合です。その試合でゴールを決めた時はしっかり結果を残して勝てたので初めてチームの力になれたなと思いましたし、いいデビュー戦になったからです」

――そのゴールに至るまでに苦しい思いもありましたか。
 「入部してからセカンドチームでずっとプレーしている中で、同期でトップチームに上がっている選手もいて悔しさがありました。でも、自分のその時の力では通用しないとわかっていたので色々考えて取り組んだことでチャンスをつかめたなと思います」

――プロではどんなタイトルを取りたいですか。
 「Jリーグ優勝したいです。個人としては得点王とは言わないですが、二桁ゴールというのを目標に頑張っていきたいです」

――理想の選手像を教えてください。
 「ベルギー代表のアザール選手が好きで、よくプレーも見ています。チャンスメークもできて、結果も残せるのか憧れです。ドリブルが自分の強みなので、そこを生かしてゲームもつくれてゴールも取れるというスタイルでゴール前の怖さを発揮していきたいです」

――インカレへの意気込みをお願いします。
 「今季は何もタイトルを取っていない状況で、インカレがラストチャンスになるので、明治やスタッフ、後輩に何か残すためにも自分の全てを出して明治のために戦いたいなと思います。そして優勝したいです」

――今季初の全国の舞台ですが、プレッシャーはありますか。
 「プレッシャーはないです。自分たちのサッカーをどれだけ貫けるかが大事なので、この1年間の集大成として一人一人が己に負けずに明治のために戦えば結果はついてくると思います」

――最後に個人の目標を教えてください。
 「1試合1ゴールを目指して、インカレでは5ゴール決めます」

――ありがとうございました。

[早坂春佑]

林 晴己(はやし・はるき)政経4、高川学園、177センチ・73キロ