あと一歩届かず 優勝を逃す/エイワ杯関東大学リーグ戦

 明大は、エイワ杯関東大学リーグ戦(秋リーグ)最終戦で中大との負けられない一戦に臨んだ。前試合の東洋大との敗戦からより実戦的な紅白戦練習を通してチームの士気を挙げ直したが、明大FW陣は中大の堅い守りに阻まれ、思うようなプレーをさせてもらえず。中大の意地を見せつけられ、この勝負をモノにすることができなかった。

◆9・6~11・30 エイワ杯関東大学リーグ戦(ダイドードリンコアイスアリーナ)
▼11・30 対中大戦(ダイドードリンコアイスアリーナ)
明大3{2―1、0―0、1―3}4中大〇

 激しいパックの争奪戦から始まった第1Pは、序盤からGK工藤授(政経1=駒大苫小牧)と明大守備陣のプレーが光った。中大の攻めが続く序盤5分にDF村社海莉(文4=埼玉栄)主将がシュートブロックでゴールを守ると、6分38秒のキルプレーにも、明大守備陣が高い守備力を見せた。開始12分、FW寺内理雲(政経2=駒大苫小牧)がDF工藤秀生(商1=北海道清水)にパスを出すと、FW岸本航大(政経3=白樺学園)が最後に押し込み得点を挙げる。流れをつくった明大は、先制点から1分31秒後に寺内が運んだパックを村社主将がゴールに決めた。「ターンして上向いたら村社主将がいい感じに走ってきてくれた」(寺内)。しかし、およそ3分後に工藤授がはじいたパックがそのままゴールに流れてしまい、失点を許す。失点を返そうとシュートを重ねるも、中大に阻止され、2—1で第1Pを終えた。

 リードを広げたい第2Pは、一進一退の攻防となった。開始1分30秒でパワープレーを迎えるも、アタッキングゾーンでプレーをさせてもらえず、歯がゆい時間が続く。明大は、パワープレー残り44秒にゴール前の混戦から得点したかに思われたがビデオ判定の結果、ゴールは認められず。1プレーも長くなり、攻撃の次なる一手を探る両者であったが、第2Pでの得点には至らなかった。

 運命の第3P。アッタキングゾーンでのフェイスオフ直後には、村社やDF福田琉太(営4=白樺学園)のディフェンス陣がダイレクトにゴールを狙うも相手GKの好セーブもあり、ゴールを奪うことはできず。その後も果敢に攻め続ける明大だったが、ブルーラインから抜け出したFW香田龍冴(文2=白樺学園)がゴール前で待ち構えていたFW城野友咲(政経2=駒大苫小牧)にパスを出すも、得点にはつなげることはできなかった。第3P残り時間も7分を切った中、均衡した状態を破ったのは中大であった。明大は、キルプレーの状況で中大の巧みなパス回しに崩れ、同点に追いつかれる。そのわずか15秒後には、中大の勢いそのままに逆転ゴールを許してしまう。それでも明大は、冷静さを欠くことはなかった。残り時間5分29秒に工藤秀から岸本がフリーの状態でパスをもらい、巧みなスティックさばきでパックをゴールに押し込んだ。土壇場で追いついた明大であったが、残り時間1分33秒に工藤授がクリアしたパックを拾われてしまい、勝ち越しゴールとなる4点目を決められた。残り時間も少ない中、6人攻撃を仕掛けるなど諦めずに攻めの姿勢を貫き通したものの、1点が遠く、勝利をつかむことはできなかった。

 秩父宮杯関東大学アイスホッケー選手権(春リーグ)での悔しさを晴らすことに闘志を燃やしていた明大であったが、一筋縄ではいかなかった。春リーグの〝無敗の明治″からは一転して、東洋大や中大の粘り強さに勝ち切れない場面がいくつもあり、秋リーグを3位で終えた。残す大会は、全日本アイスホッケー選手権と日本学生氷上選手権(インカレ)。プロとの試合経験を糧に、1年の集大成として迎えるインカレでの躍動に期待したい。

[ウエスト宙、吉澤真穂]

試合後のコメント
村社
——秋リーグを振り返っていかがですか。
 「チャンスはたくさんありましたが、勝ち切れなかったところが3位という結果になったと思っています」

——3位の結果についてはどのように捉えていますか。
 「勝ち切れなかったというのはありますが、絶対に勝てない差ではないので、悲観することなく、インカレまでに改善していきたいと思います。最後はインカレ優勝をして、1年を締めくくれるようにあと1カ月間頑張ります」

岸本
——声かけが目立っていましたが、チームで意識されていたことはありますか。
 「すごく攻撃力のあるセットがあるので、声出して、チーム全体でケアしようという感じでした」

寺内
——インカレへの意気込みをお願いします。
 「今年度は、明大スケート部100周年ということもあり、4年生のためにも残りの1冠を取るために頑張ります」