(8)全日本大学選手権(インカレ)事前インダビュー/千葉天斗「幼少期から続けてきたバスケットの集大成」
全日本大学選手権(インカレ)がついに開幕する。今年度は、春に関東大学選手権で3位、秋季リーグ戦でシード権内の7位と飛躍を遂げた明大。今回は秋季リーグ戦の振り返りと、インカレに挑む選手たちの意気込みを伺った。
第8回は千葉天斗(法4=明成)のインタビューです。(この取材は11月27日に電話にて行われたものです)
――インカレ1週間前ですが、今の率直な気持ちを教えてください。
「素直に言うと『もうあと1週間で始まっちゃうのか』という気持ちですね」
――緊張や、ドキドキされている感じですか。
「最後の大会なのですごくワクワクした気持ちもありますが、4年目の最後なので『もうあと1週間か』という、少し寂しい気持ちもあるなという感じです」
――チームのここまでを振り返ってみていかがですか。
「春(関東大学選手権)は自分たちが思っていた以上の順位まで行けて、この大会はすごく自信になった部分はありました。自信をつけて臨んだリーグ戦では、インカレのシード権獲得というところを目標としていて、目標自体は達成できました。一試合一試合を終えるごとに、上位のチームと接戦して、勝てるような内容のゲームが多くあったので『もっと勝ちたい、もっと上に行きたい』という欲が出たと思っています。チームとしてはこれまでの明大よりも活気があるような状態だと思っています」
――印象に残った試合を教えて下さい。
「印象に残っているのは、(秋リーグ)1巡目の東海大戦、2巡目の早大戦ですね」
――東海大戦を挙げた理由は何ですか。
「東海大など、毎年インカレでも上位に行くチームには、ここ数年間でなかなか公式戦で勝ったことなかったので、勝てた時にリーグ開幕戦というところですごくいい入りができたので、すごく印象に残ってます。去年までは東海大の名前を聞いて、怯えていたというわけではないですが、なかなか『勝ってやるぞ』という気持ちも芯の部分では思えなかったところもあったと思います。スプリングトーナメントの結果というのも自信にしながら、自分たちのバスケをして、開幕戦勝てたというところで印象に残っています」
――早大戦を挙げた理由は何ですか。
「早大戦は、六大学リーグ(東京六大学リーグ戦)とリーグ1巡目で、2試合とも点差をつけられて負けてしまいました。自分たちはディフェンシブなチームで、点数を取れないというところが逆に課題になってたんですけど、あの試合(2巡目の早大戦)で超攻撃型の早大と点数を取り合うようなゲームができたことはインカレに向けてすごくいい収穫になりました。自分たちも点数が取れるんだということが証明されて、自信になるようなゲームだったので、すごく印象に残ってます」
――ディフェンシブなチームとのことですが、チームとしてディフェンスに自信はありますか。
「例年の明大は、やはり点数が取れないという課題になっていたので。自分たちのチームは留学生もいなくて、インサイドで安定して点数を取ることはできないので、やはり守るしかないというところは、今シーズン初めにチームの中で一番の軸としてありました。練習からもディフェンスの強度を上げてやってきたので、ディフェンスで失点を抑える部分に関してはすごく自信を持ってリーグ戦に入れましたし、リーグ戦通しても『守れる』というところがよく出た部分だと思います。ディフェンスにかなり自信はあります」
――その強みを自覚した上で、インカレに向けて力を入れてる部分はどこですか。
「よく中で相手にリバウンドを取られて、セカンドチャンスを与えてしまって、(失点が)かさんでしまうゲームもあったので、リバウンドを取り切る、ルーズボールを取り切るまでやるところを意識して、インカレまで練習は取り組んでいます。オフェンスの部分でもズレができたらしっかりと処理できるように、1対1から始めて、3対3の練習をして、積極的にアタックの練習をしています」
――個人としての取り組みは何をされていますか。
「個人としては、リーグ戦で自分が思っていたよりも3Pシュートが入った部分があるので、3Pシュートを練習をしています。また、ポジション上ボールを持ってドリブルをやらないといけないので、なかなか機会は多くないかもしれないですが、ピックアンドロールを使う練習だったり、ハンドラーの練習というところを重点的にやっています」
――そのような練習を積み重ねている中で、現在の調子はいかがでしょうか。
「練習の中ではリーグ戦までと比べてちょっと落ち着いてボール持てるようになったなと感じますし、シュートはこれから大会に向けてもっと上げていければいいなと思っています」
――インカレに向けて意識されていることはありますか。
「目標としている『インカレベスト8』を最初に掲げてシーズンスタートして、まずそこをクリアすることはチーム全員の共通としての最低限の目標として取り組んでいます。ですが、もっともっと上に行けるチームだと思うので、みんなが目の前の試合を大事にしつつ、日本一を目指して頑張っている感じです」
――リーグ戦の中での役割はどのようなものを担っていましたか。
「自分が担っていた役割としてはスタートで出て、ゲームの強度のトーンセットをする、ディフェンスの強度を上げるっていうところが自分の役割だったと思ってます」
――明大は留学生不在ではあるものの、フィジカルの差を感じさせなかった印象です。
「今年はやっぱりディフェンスをフィジカルに頑張るというところでチームがスタートしていたので、インサイドの部分でも3年生の鬼澤(伸太朗・国際3=福岡大大濠)だったり、4年の山岸(優介・政経4=洛南)たちが留学生とコンタクトして頑張ってくれたので、その部分に関してはうちからして大きなディスアドバンテージにはならなかったと思ってます」
――リーグ戦の7位という結果についてどう捉えていますか。
「リーグ戦22試合と長い中だったので、自分たちのゲームに対するモチベーションが結果に大きくつながってるという部分を、改めて感じた部分がありました。(リーグ戦に)最初いい入りをしていい順位につけて、その後に4連敗した時に、なかなかチームとして前を向けずに、どこか不完全燃焼のようなところが残る試合が続いてしまいました。その中で自分たちがしっかりゲームに向き合って、最大限の準備をするということを一度見つめ直して臨んだゲームでは、いい内容で試合ができました。本当に自分たちのモチベーション(がゲームを左右する)というところは、リーグで明らかになった自分たちのいい点でも悪い点でもありました」
――リーグ戦の調子で波がある中で千葉さんから前向きな言葉をかけられたというのを多くの選手から伺いました。
「リーグ戦は22試合あって、毎週末試合はどんどん続いていくので、一つのゲームに一喜一憂してる時間がありません。その中で落ち込んで、次に入ってしまってもいいことは何もなかった、と思っています。(以前は)連敗して負けて、上位のチームに負けて悔しいと思えるチームではなかったので、(今シーズンの)自分たちはそういうゲームでも悔しいと思えるくらいに成長という実感もありました。そういうポジティブな要素を捉えながら、チーム全体に雰囲気づくりをするようにしました」
――リーグ戦の後半あたりからは『相手の対策よりも自分たちのするべきことを見つめ直す』ことにフォーカスをしていた印象を受けました。そうなった転換点や原因はありますか。
「4連敗した時に相手の対策に力を入れて、自分たちのバスケットができずに不完全燃焼で終わってしまったっていうところがありました。ただ負けるだけじゃなくて、本当に何かモヤモヤするような、やり切れなかったっというのがあったので、そこを機に、もう一回原点に帰って『自分たちのバスケットをしよう』とやるべきことを見つめ直すきっかけにもなりました。2巡目の早大戦も、相手に合わせずに自分たちのバスケットをしようっていうところで、最終的に負けてしまったんですけど、ある程度やり切れるような次につながるようなゲームの内容だったので、自分たちのバスケットをやろうという雰囲気が出てきました」
――今シーズン主将を務められましたが、これまでにキャプテン経験はありましたか。
「キャプテン経験は全然なかったです」
――インカレのチームの目標と個人の目標を教えて下さい。
「チームは最低限『ベスト8』に入るということです。まずこれは一番にしています。これがあくまで最低限で、絶対に超えようという目標です。それをクリアした上で日本一を目指したいと思ってます。個人としては、やはり幼少期から続けてきたバスケットの集大成になるので。幼少期から上手にプレーしてきたわけではないので、泥くささでチームに勢いを与えて、気持ちを熱くプレーしたいと思います」
――ありがとうございました。
[中川美怜]
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