(11)加藤良典監督 試合後コメント総集編
全日本学生選手権(インカレ)で、創部87年目にして初の日本一に輝いた明大。優勝に際しては、加藤良典監督の要所での采配も光った。今回は優秀監督賞に輝いた加藤監督の、1回戦から決勝までの試合後コメントの全編をお届けする。
11・2 1回戦 対高松大戦
◯明大40{16―15、24―17}32高松大
――どんな気持ちで試合に臨みましたか。
「2年連続初戦で敗退しているということで、難しいゲームになるのは分かっていたんですけど、予想以上に相手が粘ってくるチームだったので、そういった中でしっかり勝ち切れたのが良かったです」
――前半は流れをつかみ切れませんでした。
「オフェンスもディフェンスも勝負所で決められて、粘っているところで最後決められたり、シュートまで作れているのに決め切れなかったり、そういったところが前半多かったので、いつもの自分たちのゲームの流れは引き寄せられなかった前半だったと思います」
――その中でも前半終了間際、熊谷継選手(農1=藤代紫水)のシュートでリードを奪って折り返しました。
「残り7秒で、最後シュートで終わるところをしっかり決め切って終われたので、良かったと思います」
――ハーフタイムにはどのような話をしましたか。
「セットオフェンスに関してはミスも5本でシュートまで行けていたので、もう一回ディフェンス、バックチェックをしっかり徹底して、リセットしてやろうと話しました」
――後半点差が離せた要因を教えてください。
「足が動いてフットワークで相手にプレッシャーをかけた状態でシュートを打たせて、自分たちのセットオフェンスで点が取れていたので、そこが後半良かったと思います」
――明日は中大戦です。意気込みをお願いします。
「インカレ4連覇していて5連覇が懸かっている中央大学で、自分たちの力を全て出し切らないと勝てない相手だと思うので、明日120パーセントをチーム全員で出し切って、勝てるように頑張りたいと思います」
11・3 2回戦 対中大戦
◯明大39{17―18、22―19}37中大
――今の気持ちをお願いします。
「4連覇している中央大学で、5連覇を狙っている本当に強いチームだったので、そこにまず勝てたことが素直にうれしいです」
――試合を振り返っていかがですか。
「60分、選手たちが体を張ってプレーして、ルーズボールもそうですし、本当に一点への執着心を一人一人が出してくれたので、120パーセントを選手たちが出し切ってくれたと思います」
――中大と当たることが見込めた中で、どういった対策をしてきましたか。
「相手がやりたいハンドボールはもう自分たちでも分かっていたので、勝負どころの徹底を、組み合わせが出てから徹底してやっていたので、それが今日出せたので良かったです」
――前半は中大がやりたい攻撃をできていた中で1点差で粘りました。
「立ち上がりはうまく入れて、そこからお互い点の取り合いだったんですけど、その中で相手の個々の判断の正確さだったり、ディフェンスが守り切れなかった部分があったので。でも1点差で後半に持っていけたのが良かったと思います」
――後半勝ち越したのは何がかみ合っていましたか。
「後半に関しては、ディフェンスで足を動かして、相手のやりたいことをやらせないようにできていたので、オフェンスにもいい影響が出て逆転して勝ち切れたと思います」
――前半の7メートルを連続で外したところでは秋リーグの国士大戦がよぎりましたが、後半は青砥直輝選手(商1=駿台甲府)がたくさん決めました。
「そうですね(笑)。ペナルティを外すことで流れが相手に行ってしまうところがリーグ戦もあったので、そこで1年生の青砥がしっかり決め切ってくれてたのでそれは本当に大きかったと思います」
――今日の試合を通しての収穫を教えてください。
「収穫というよりも4連覇していて優勝候補の中央大学に勝ったというところが本当に大きくて、あと決勝までは3試合あるので、一試合一試合大切に戦っていきたいと思います」
――東海大戦に向けて意気込みをお願いします。
「1週間前に日本選手権の関東予選でやっている相手で、お互いよく知り合ってる相手なので、相手の良さを出さないで、自分たちの良さをしっかり出し切って、準決勝につなげられるゲームをしたいと思います」
11・4 準々決勝 対東海大戦
○明大32{14―16、18―15}31東海大
――試合全体を振り返っていかがですか。
「全体を通して、自分たちがシュートまで行っていたんですけど、そこで甘いコースでシュートを外していたので、いつもだったら離せるところを離せなかったのを、1試合引きずってしまったのかなという印象です」
――立ち上がりを振り返っていかがでしたか。
「立ち上がりはディフェンスも足が動いていて得点も入っていたので、そこは良かったと思うんですけど、要所要所のシュートミスが目立ったかなと思います」
――相手のディフェンスが良かったというより自分たちのミスということですか。
「前半が終わって、シュート到達率85パーセントでシュートまでは行けていたので、攻撃の組み立ては問題なかったと思います」
――ハーフタイムの話の内容を教えてください。
「もう一回ディフェンスがしっかり足を伸ばして、シュートのところで甘いコース打たせないように話していました」
――栃尾佑選手(法3=北陸)のプレーはいかがでしたか。
「間を割っていくプレーが持ち味なので、スペース狙ったところで攻め切ってシュートまで持っていけていたので、彼の良さが出たと思います」
――勝てた要因はなんですか。
「最後の勝利への執着心はもう一番大きいと思いますし、最後坂本(京介・営1=洛北)がバックシュートを取ったので、そこは本当に1年生がよくやってくれたなと思います」
――国士大戦に向けて意気込みをお願いします。
「優勝候補の大学で、秋も1点差で負けている相手なので、本当にハードなゲームになるのは分かっているんですけど、自分たちが試合を積み重ねることに強くなっていると思うので、しっかり勝ち切って、決勝まで進めるように頑張りたいと思います」
11・5 準決勝 対国士大戦
○明大32{13―15、19―16}31国士大
――試合全体を振り返っていかがですか。
「何も覚えてないよもう(笑)。最初から接戦になることは分かっていたんですけど、そこで選手たちが離されずに我慢して、最後の最後に逆転できたので良かったと思います」
――前半を振り返っていかがでしたか。
「ディフェンスに関しては、守って守って最後撃ち抜かれていたところがあったので、15失点に抑えられたところは良かったかなと思います」
――監督の選手交代の采配も勝負を分けましたね。
「ほんとにいい感じで、ベンチメンバーも含めて控えの選手が出てもクオリティを落とさずに60分戦えるメンバーがそろっているので、ゲームの流れと出ている選手のその日の調子を見ながら選手を変えて、ゲームの流れを相手に渡さずに(試合を)運べています」
――タレント集団の国士大相手に、どのようにケアしましたか。
「国士大の選手は一人一人シュートのがある選手が多いので、そこに対してしっかり利き手側を守ろうと話をして、右サイドまで持っていくところを今日もミーティングで話したので、そこを最後後半に出し切れたのかなと思います」
――向谷内海都選手(営3=氷見)が決勝ゴールを決めました。
「ディフェンスの3枚目の中心選手として負荷がかかるポジションで、オフェンスでもフルで出るような連戦で、疲労もあったと思うんですけど、最後の最後決めきってくれて良かったです」
――初優勝にむけて意気込みをお願いします。
「9年前に吉野樹(平29政経卒・現トヨタ車体ブレイヴキングス刈谷)がインカレで準優勝したのが最高成績なので、明日はそれを超えられるように。創部初の優勝を目指して頑張りたいと思います」
11・6 決勝 対関西学大戦
○明大34{18―10、16―18}28関西学大
――今の気持ちを教えてください。
「やっとここまで来れたかなと思います。ほんとに選手たちがよく頑張ってくれた大会だったと思います」
――試合前に話していたことを教えてください。
「お父さんお母さんや、色々な支えてくれている人たちに一番いい色のメダルを取って首にかけてあげようという話をして、選手たちが試合で出し切って、結果を残してくれたので良かったと思います」
――前半はリードして折り返しました。
「ディフェンスがほんとによく機能していたので、そこが一番今日あのようなゲーム展開で進められた要因だと思うので、スタートからよく頑張ってくれました」
――勝てた要因を教えてください。
「リードした展開で60分戦えたので、リーグ戦でもリードしている時の逃げ方はリーグ上手くできていたので、それを今日もプレッシャーのかかる中で選手たちがやってくれたので良かったです」
――最後4年生全員がコートに立った状態で優勝を達成しました。
「4年生4人で本当に少ない学年で、大変な学年だったんですけど、そういった思いもあって4年生が最後に全員立って、優勝の瞬間を迎えられたのがほんとに良かったです」
――今年度はどのようなチームでしたか。
「外種子田(渓汰・商4=国分)がキャプテンとしてチームをしっかりまとめて、それに後輩たちがついてくるというチーム力が、この優勝につながったと思います」
――選手たちに伝えたいことはありますか。
「去年から厳しい状況の中で、新戦力も加わって、試合を重ねるごとに力もつけて、取り組む姿勢もそうですけど、本当に優勝を狙えるチームになったのかなと思います」
――ありがとうございました。
[堀口心遥、木曽琴乃、橋場涼斗]
◆加藤 良典(かとう・よしのり)平23農卒。2017年に明大ハンドボール部監督へ就任。
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