完遂(69)特別編 早大突撃インタビュー! 野中健吾主将「大学でも優勝して最後まで笑って終われるような人生を送りたい」

2025.12.03

 早明戦直前ということで早大の野中健吾主将(スポ4=東海大仰星)にインタビューを行いました。早明戦への意気込みはもちろん、全国制覇を経験した高校時代や早大での日々を振り返っていただきました。野中主将の原点に迫るインタビューとなっております!(この取材は11月27日にオンラインで行われたものです)

――東海大仰星高に進学した理由を教えてください。

 「兄(亮志さん・元清水建設江東ブルーシャークス)が行っていたので格好よく感じましたし、兄に追いつきたい、追い越したいという気持ちがやはりあったのでその思いから同じ学校に進学していました」

――東海大仰星高のラグビーは練習が自主的だそうですがその経験は今も生きていますか。

 「実際に試合するのは自分たちなのでどう練習を運営してラグビーをどう動かしていくかというところは自分たちで考えないといけないというのは高校で学びましたし、そういう理由から練習の運営は部員でやって監督はあまり介入しませんでしたね。これはラグビーをやるうえで必要なことだなと今でも思っています」

――全国制覇したときの感想を教えてください。

 「正直、(当時の)東福岡が強いというのは聞いていたし、花園の戦前から注目されていてそこが勝負だなとはずっと思っていました。準決勝で当たったとき、チームとしてもその前の報徳学園の試合で自信をつけられたと感じていて、それもあって東福岡に勝てたところはありました。最後の決勝は自分たちが勝つという強い気持ちを持って全員で戦った結果が優勝だったと思います」

――中高と全国制覇されていますが大学でもその気持ちはありますか。

 「優勝の重みが全然違うなと思います。中学よりも高校、高校よりも大学というふうに優勝の価値そのものの大きさが違う中で、大学でも優勝して最後まで笑って終われるような人生を送りたいなと思います」

――AO入試と花園予選の日程が近いですが、当時はプレッシャーを感じましたか。

 「今思えば相当なプレッシャーだったと思うんですが、当時はやるしかないという感じだったのであまり(負担だとは)考えていなかったです。今思えばすごいと思います(笑)」

――早大への思い入れが強いのはなぜですか。

 「テレビで見て憧れたのは齋藤直人さん(令2スポ卒・現スタッド・トゥールーザン)の代の優勝かなと思います。それを見て自分自身もこの会場でこのジャージーを着て優勝したいと思いました。そこから早稲田を目指して生活していました」

――高校3年時を振り返っていかがですか。

 「とにかく落ちたら終わりという状況だったので悔いのないように自分の持っているもの全てを出そうという気持ちで挑んでいました。浪人しても行こうと決めて割り切ってはいましたが今年行きたいという気持ちはやはり強かったですね」

――初めて赤黒ジャージーを着たときはいかがでしたか。

 「全てが初めてだったのですごく新鮮でしたが、意外と『あ、自分(赤黒を)着てるんだ』という感覚で緊張はあまりしませんでした。『気づいたらなんか着てるわ』って(笑)」

――主将を任されたときを振り返っていかがですか。

 「伝統あるラグビー部だったので自分自身がしっかりしないといけないなという自覚と日本一に今まで(4年間)なれていないので自分の代で絶対優勝させるという強い気持ちはありました」

――佐藤健次前主将(令7スポ卒・現埼玉パナソニックワイルドナイツ)から受け継いだことはありますか。

 「あの人はすごくリーダーシップを持っていたので一人の影響力もあったのですが、僕はあまりそういうタイプではないので、僕は僕らしくということを心がけつつ、あの人の影響力は見習わないといけないなと思っています」

――昨年度の早明戦を振り返っていかがですか。

 「全勝で対抗戦を優勝していい流れで来ている実感はありながら、優勝できるという自信を持って臨んだ決勝だったのですが、帝京さんの経験値が上だったなと感じました。今思えば、去年にその決勝の雰囲気を味わえたところはすごく大きいなと思います。この経験を忘れずに今年も臨みたいです」

――『One Shot』に込めた思いを教えてください。

 「一つ一つのプレーに対するこだわりと、チームが同じ方向を向くまとまり、最後に勝ち切ることという三つの意味を込めて『One Shot』にしました。本当にチームが一つになって同じ方向を向いて『One Shot』を体現すれば勝ち切れるチームになれると思っています」

――今年度の早大の強みについて教えてください。

 「チームの一体感は強みだと思いますし、スピードあるアタックと粘り強いディフェンスもそうだと思います」

――BK陣をまとめるのに何を意識していますか。

 「コミュニケーション量にはこだわっています。いろいろな考えやプレーのできる選手がいる中で同じ方向を向かせるのはコミュニケーションで解決するしかないと思うのでそれをしながら同じ方向に誘導しているところです」

――早明戦に懸ける思いを教えてください。

 「大学生で国立競技場というあれだけ(の規模)の舞台で試合ができることはやはりなかなかないことだと思いますし、本当に幸せだなと改めて感じるところと、今年は勝った方が対抗戦優勝というシンプルな結果なので世間の注目度も高いと思うし、その中でプレーして勝つことに喜びを感じるので今年も勝ちたいです」

――『荒ぶる』への思いを教えてください。

 「やはり4年間一度も歌えていないので自分自身荒ぶるところに歌いたいなと思いますし、一生つきまとってくるもの、一生の価値があるものを今年できるチャンスなのでそこをチャレンジしたいと思います」

――ありがとうございました。

[近藤未怜]

◆野中 健吾(のなか・けんご)スポ4、東海大仰星高。180センチ・92キロ

 以前のインタビューで平翔太主将(商4=東福岡)との仲の良さを公言していた野中選手。明大の選手ばかりの飲み会に早大生一人で飛び入り参加したこともあるそう。