(6)インカレ事後インタビュー 栃尾佑
全日本学生選手権(インカレ)で、創部87年目にして初の日本一に輝いた明大。今大会は1回戦から決勝まで、どの試合も息をのむような接戦が続いた。インカレ4連覇中の中大には土壇場での逆転勝利、さらに今年の関東学生春季、秋季1部リーグ戦を制した国士大にも終盤に意地を見せて勝利するなど、強豪相手に真っ向から挑み続けた。2年連続で初戦敗退という悔しさを胸に臨んだ今大会で、ついに悲願の頂点へ。今回は歴史的快挙を成し遂げた10人の選手の声をお届けする。
第6回は栃尾佑(法3=北陸)のインタビューをお送りします。
(この取材は11月14日に行われたものです)
――今の気持ちを教えてください。
「インカレが終わってから少し体調を崩していたので、何も考えていなくて、やっとここ2、3日くらいで試合の映像とかを見返して、実感が湧いてうれしいなという感じです」
――決勝の時の体調はいかがでしたか。
「試合前は熱はあったのですが、インカレの決勝というのをずっと考えていたら、アドレナリンで試合はできるかなという感じになりました。閉会式とかはきつかったです」
――一番きつかった試合を教えてください。
「国士大戦ですね。油断だったり、そういうのがほとんど見えなかったので、逆転するタイミングがあまり見つからなかったです。それに加えて、秋リーグは逆転できそうで、できないみたいな感じだったので、隙がなかなか見えなくて精神的には結構しんどかったです。個人的には高松大、中大戦とかは調子があまり良くなくて、東海大戦でちょっと本調子に戻して、でも本調子じゃないまま国士大戦を迎えたので、自分じゃなくて、今度は佑樹さん(近藤・農4=春日丘)が出た方がいいのかなと思いつつプレーしながら、若干迷いのあるゲームだったのですが、それでも勝ち切ることができたので良かったです」
――国士大戦の決勝点はどういう心境でプレーしたのでしょうか。
「タイムアウトがあったじゃないですか。そのプレーの直前は別に何も会話なく、ただただパスを回してとりあえず攻撃で終わろうという話をしていました。特別、バックの直輝(青砥・商2=駿台甲府)とか熊谷(継・農1=藤代紫水)とも別に会話せず、そのままシュートで終わろうと話していて。1回直輝がフリースローで止まって、その時に目が合ってブロックしてくれるなと分かったので、そっちの方に行きました。僕からのポストプレーが多分対策されていて、あまり使えなかったので、その試合でポストプレーをできていない分、最後に生きて良かったのかなと思います」
――追い上げる力はどこから湧きましたか。
「リーグ戦ではあまり逆転勝利がなくて、自分でもあまりこういう形になるのは結構驚いていたのですが、僕自身としては、小中高の頃から逆転勝利で勝つことが多くて、追い上げる側の立場は僕が慣れていたので、そこはいつも通りに出られたのかなと思います」
――決勝では今までと違って大量リードの展開でした。
「中大、東海大、国士大と3連戦をしていたので、関東と関西に比べると強度の差に違いがありましたが、前日の国士大戦で目とか体が慣れて、うまく守ってくれていました。僕も最初はベンチスタートだったのですが、佑樹さんと直輝がいつも通り、点をいっぱい取ってくれたので、自分は何の緊張も焦りもなく試合に出られて良かったです」
――今年度はどんなチームでしたか。
「1年生がすごく活躍していて、佑樹さんとかも直輝がすごいのを見て、チームとして嬉しいと思いつつ、悔しいなという部分も少なからずあるのではないかなと思います。僕も隣で直輝が活躍しているのを見て『俺も頑張ろう』というふうに思いました。1年生たちに感化されて、トレーニングであったり去年までにはないような会話が増えて、さらに強くなったというか、全員の意識が上がったことが、チーム力が上がった要因だと思います」
――来年は追いかけられる立場になります。
「攻撃のメンツはあまり変わらないので、とりあえず自分たちのレベルを上げて、かつ僕は4年生であと1年で引退なので、後輩に色々教えながら自分も成長していきたいです。試合に関しては、一試合一試合、自分たちが上とか考えることなく、油断せず行ったら必ず勝てるチームだと思います。今年のインカレも、誰一人油断もおごりもなく試合に臨めたのが勝った要因だと思ったので、その気持ちを忘れず、来年も最終的に2連覇したみたいな感じで、一試合一試合を大事にしていければなと思います」
――宿泊中のエピソードはありますか。
「ホテルではずっと1年生や小泉(涼太・農3=藤代紫水)とかとずっとスマブラしてましたね(笑)」
――ありがとうございました。
◆栃尾 佑(とちお・たすく)法3、北陸高。180センチ、80キロ
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