(9)インカレ事後インタビュー 熊谷継
全日本学生選手権(インカレ)で、創部87年目にして初の日本一に輝いた明大。今大会は1回戦から決勝まで、どの試合も息をのむような接戦が続いた。インカレ4連覇中の中大には土壇場での逆転勝利、さらに今年の関東学生春季、秋季1部リーグ戦を制した国士大にも終盤に意地を見せて勝利するなど、強豪相手に真っ向から挑み続けた。2年連続で初戦敗退という悔しさを胸に臨んだ今大会で、ついに悲願の頂点へ。今回は歴史的快挙を成し遂げた10人の選手の声をお届けする。
第9回は熊谷継(農1=藤代紫水)のインタビューをお送りします。
(この取材は11月11日に行われたものです)
――優勝に対する率直な感想を教えてください。
「チームとしては優勝できてうれしいですが、個人としてはまだまだ改善点が多く残る大会だったと思います」
――関東学生秋季1部リーグ戦(秋リーグ)は開幕6連勝しながら惜しくも3位に終わりました。どのような気持ちでインカレに臨みましたか。
「春より確実に力をつけて秋を終えることができたので『このまま練習していけば必ず優勝できる』という自信はありました」
――組み合わせを見た時の率直な感想はいかがでしたか。
「インカレで優勝するにあたって、どこか強いチームとやらないといけないことは分かっていたので、僕としては早く当たれて良かったという感じでした」
――中大戦に臨むにあたって重視していたことはありましたか。
「特にディフェンス面です。秋リーグが終わってから中大戦に向けて準備していて、そこがうまく機能しました」
――中大戦では試合を通してリードされる苦しい展開でしたが、最後に逆転しました。
「今大会は4年生がとてもチームにいい働きをしてくれて、僕ら下級生がやりやすいように試合を進めてくださったので、4年生の力が大きかったなと思います」
――中大戦の勝利に直結したプレーは思い当たりますか。
「ディフェンスで小嶋選手(悠斗・営3=市川)がリバウンドに飛び込んだところです。ディフェンスがよく守れていましたし、ボールに飛び込むというところで『勝ちたい』という思いが見えたプレーだったので、そこでチームの士気が上がって、いい流れに持っていけたと思います」
――1点を争う中で、最後盛り返しての逆転勝利が続きましたが、後半盛り返す力はどこから湧き出ていましたか。
「中大戦でディフェンスがすごく機能したこともあって『ディフェンスができれば勝てる』という自信があったので、後半点差を離されても、慌てることなく試合は進められたのではないかと思います」
――特に国士大戦ではリードした時間がほぼなかった中で、最後は勝ち切りました。
「本当にディフェンス(が勝因)だと思いますね。外種子田選手(渓汰主将・商4=国分)がとてもいい働きをしてくれて、それに下級生もつられていいディフェンスをできたのが、逆転の要因だったと思います」
――決勝は前半から流れをつかんで、リードした状態で試合を進められました。
「自分たちのいい形が出て前半リードできましたが、相手も決勝まで来る力のあるチームなので、『後半絶対に自分たちの流れではない時間が来る』とハーフタイムに話していて、気を引き締めてやろうと話していました」
――優勝が決まった瞬間はいかがでしたか。
「本当にうれしかったんですけど『もう終わっちゃったんだ』という率直な感情でした」
――インカレでの自身のプレーに対する評価はいかがですか。
「大会を通してミスを少なくすることはできましたが、もう少しチャレンジできた場面があったなと思います」
――チームでMVPを選ぶとしたら誰になりますか。
「4年生の4人がMVPだと思います。チームを引っ張る声掛けであったり、プレーで引っ張ってくれるのがとても頼もしくて、チームがまとまる感じがありました。これも優勝の一つの要因だと思います」
――チームを引っ張ってきてくれた4年生に伝えたいことはありますか。
「春リーグ、秋リーグ、インカレと1年間引っ張ってきてくれて、本当に感謝の気持ちしかないです。日本選手権が最後にあって、そこで高いレベルの相手と試合ができるので、一勝でも多くして、4年生を勝たせてあげるような試合がしたいです」
――日本選手権ではどのようなプレーをしたいですか。
「自分がインカレでチャレンジしたフェイントを、日本選手権でよりレベルの高い相手にどこまで通用するか試してみたいというのが個人としてあります。チームとしては、ディフェンスがどこまで通用するか楽しみではあります」
――ありがとうございました。
[橋場涼斗]
◆熊谷 継(くまがい・けい)農1、藤代紫水高。178センチ、78キロ
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