(4)インカレ事後インタビュー 小嶋悠斗

2025.12.02

 全日本学生選手権(インカレ)で、創部87年目にして初の日本一に輝いた明大。今大会は1回戦から決勝まで、どの試合も息をのむような接戦が続いた。インカレ4連覇中の中大には土壇場での逆転勝利、さらに今年の関東学生春季、秋季1部リーグ戦を制した国士大にも終盤に意地を見せて勝利するなど、強豪相手に真っ向から挑み続けた。2年連続で初戦敗退という悔しさを胸に臨んだ今大会で、ついに悲願の頂点へ。今回は歴史的快挙を成し遂げた10人の選手の声をお届けする。

第4回は小嶋悠斗(営3=市川)のインタビューをお送りします。

(この取材は11月9日に電話で行われたものです)

――今のお気持ちはいかがですか。
 「まだ実感が湧かないです」

――大会を振り返っていかがですか。
 「本当にあっという間でした。今大会は4年生が最後まで苦しい時も精神的な支えになってくれたことがすごく大きかったです」

――具体的なエピソードを教えてください。
 「プレー面でもほかちゃん(外種子田渓汰主将・商4=国分)、佑樹(近藤佑樹・農4=春日丘)の2人に関しては非常に支えになりました。後藤(圭汰・営4=高知中央)や細野(聖太・政経4=春日丘)はプレー時間が限られていましたが、相手に流れが行きそうな場面でも一番声を出してチームを鼓舞し、タイムアウト中、士気が下がらないようにチームのためを思って動いてくれたことはチーム全体として4年生の影響力は大きいと思いました」

――決勝前にみんなで話したことを教えてください。
 「どのチームよりも厳しいトーナメントを勝ち抜いてきたことは事実なので、自信を持っていました。試合前に相手の特徴などはしっかりと確認して準備していたので優勝に向かって、いつも通りプレーするだけでした」

――同じポジションの選手とはどのようなコミュニケーションがありましたか。
 「中大や国士大のような自分1人で60分を戦い抜けない相手に関して、試合前に自分がマッチアップする選手の特徴を書き出して、それを試合の前日から後藤と2人で共有しようと話し合っていましたね」

――ディフェンスが勝利のカギになりましたね。
 「中大や国士大のような同格、格上の相手に対して、リードされている時間が長く、つらい時間でした。それでも、最後の最後に自分たちに流れが来ることを信じ、キャプテンを中心に簡単に負けず、必ず外までもっていくことを徹底し、60分間通して気持ちが消えることなく、みんなで守り続けることができました。今までの明大にはなかった力が、残り5分で逆転勝利できたような良い試合が多かった要因だと思います」

――決勝の時に調子が悪かった理由を教えてください。
 「ボールが手になじまず、1球目からつかめないまますっぽ抜けて2球目も1球目のすっぽ抜けたことが怖くていつもと違う、置きに行く投げ方になってしまいました。外してからはあまり記憶がないです。キャリアワーストの試合にはなってしまいました。ただ、後藤が出て、活躍できて良かったです」

――一番気持ちの入った試合を教えてください。
 「インカレ4連覇中だったということもあり、毎日、中大を意識して練習してきたっていう自負があります。結果に結びついたことが自分の中でもうれしかったので涙が出てしまいました。中大戦が自分自身のプレー、メンタル、体のコンディションが一番ピークだったと思います」

――今年はどんなチームでしたか。
 「キャプテンを中心にまとまり、それぞれの強みが一番生き、層が厚いチームだったと思います」

――仲間についてどう思いますか。
 「一番意識が低いのが自分かと思うくらいみんなの意識が高いです。部活以外でも、自主的にトレーニングをしている人たちが近くにいることは自分にとって良い刺激になり、ともに優勝を成し遂げられたのは本当に周りの環境に恵まれていると思います。先輩同期後輩全員に感謝しています」

――仲間へコメントをお願いします。
 「1年生があそこまで活躍してくれたら自分もやるしかないと思っていました。本当に4年生と3年生、1年生のおかげです。2年生は来年から頑張ろうという感じですかね。1人ではここまでできませんでした。明大に来て良かったと思いました。」

――来年度への意気込みを教えてください。
 「今年より難しい戦いになると思いますが、相手から対策されても勝てるようなチームづくりをキャプテンの向谷内(海都・営3=氷見)を中心にできればいいなと思います」

――大会中の小ネタを教えてください。
 「向谷内が個人賞をもらって帰ってくる時の顔が優勝した時よりうれしそうで可愛いなと思って見ていました。あと、国士大の前日は20時にベッドに入ったんですけど頭の中で止められるシーンが浮かんで寝れなくて気づいたら24時になっていました(笑)」

――ありがとうございました。

[木曽琴乃]

◆小嶋 悠斗(こじま・ゆうと)営3・市川高。181センチ、75キロ