(3)インカレ事後インタビュー 小泉涼太
全日本学生選手権(インカレ)で、創部87年目にして初の日本一に輝いた明大。今大会は1回戦から決勝まで、どの試合も息をのむような接戦が続いた。インカレ4連覇中の中大には土壇場での逆転勝利、さらに今年の関東学生春季、秋季1部リーグ戦を制した国士大にも終盤に意地を見せて勝利するなど、強豪相手に真っ向から挑み続けた。2年連続で初戦敗退という悔しさを胸に臨んだ今大会で、ついに悲願の頂点へ。今回は歴史的快挙を成し遂げた10人の選手の声をお届けする。
第3回は小泉涼太(農3=藤代紫水)のインタビューをお送りします。
(この取材は11月13日電話で行われたものです)
――優勝した率直な気持ちを教えてください。
「4年生を日本一にできてうれしいです」
――2年連続で1回戦敗退となっていた中で、今年度は創部史上初の優勝を選手の立場で達成できた点に関していかがですか。
「歴史を変えられたチームの一員というのはやはり誇らしいです。チームメートにありがとういう感じです」
――決勝でのプレーを振り返って後半は多くのシュートを決められていました。
「キーパーとバックプレーヤーの選手が角度の広いシュートを打たせてくれたので、(相手の)キーパーを見てしっかりと落ち着いて打てたという感じです」
――決勝は好守がかみ合っていたと思いますが、試合全体を振り返ってみていかがです。
「ディフェンスがとにかく良くて。立ち上がりも12―4で完璧だったので、やなり外種子田渓汰主将(商4=国分)をはじめディフェンスと、坂本(京介・営1=洛北)も頑張ってくれたかなという感じです」
――普段対戦しない関西学大相手だったと思いますが、どのような作戦で臨みましたか。
「自分たちのやることをやるというのと、バックチェックは徹底しようという話だったと思います」
――インカレ5試合戦った中で、一番印象に残っている試合があれば教えてください。
「中大戦です。組み合わせが出てから、みんな2回戦の中大戦が一番大事だと分かっていたので、やはりそこに懸ける思いというのはみんなが一番大きかったと思います。苦しい試合だったのを最後何とか粘って勝ち切れたので2回戦なのに終わったら泣いている人も多かったので、印象に残っています」
――前半ビハインドで後半巻き返して勝利という試合展開が多かったと思いますが、後半に強かった要因があれば教えてください。
「後半というより一試合通して全員でずっと我慢しようという雰囲気があって。我慢して我慢して最後巻くろうというような、チームとして意思統一できていたなというイメージはあります」
――関東学生秋季1部リーグ戦(秋季リーグ)終えてからの1カ月間は、チームとしても個人としてもどのような意識で過ごしていましたか。
「とりあえず先は見ないで、中大に勝つためにどうするかというのを逆算しながら1カ月やれていたと思うので、一日一日を無駄にしないで過ごしていたのかなと思います」
――国士大戦はビハインドの時間が長かった中でチームの雰囲気として、勝てるぞというようなものはありましましたか。
「本当に最後まで(結果がどうなるのか)分からない展開で、勝つためにやるしかなかったので、みんなでずっと我慢してついてこうという雰囲気でした。結果、最後に向谷内(海都・営3=氷見)が決めて逆転できたので良かったかなと思います」
――インカレを通してMVPを選ぶなら誰ですか。
「自分は外種子田主将だと思います。1年生の活躍もありますが、チームを支えていたのはやはり4年生で、外種子田主将がチームの雰囲気や一体感をすごくつくってくれたので、自分たちもりやりやすかったです。あとは、キャプテンシーではないですが、大事な場面での声掛けやタイム中の声掛けもすごくみんなの気持ちを一つにしてくれたので、やはり外種子田主将がキャプテンではなかったら絶対優勝できなかったなと思います」
――同じポジションに同学年の崎前(風諒・政経3=北陸)選手もいる中でだと思いますが、どういう気持ちでプレーしていましたか。
「自分が外しても、崎前がいるので、安心してできた感じです」
――昨年度までと比べてチームの雰囲気も少し変わったようにも感じているのですが、実際プレーしている立場としてはどのような印象がありますか。
「僕らの代が上級生になったので、栃尾(佑・法3=北陸)もそうですが、向谷内や小嶋(悠斗・営3=市川)もチームを引っ張ろうという意識がすごく感じられたことが一番変わったのかなと思います。2年生の時はどこか自分のことが一番大事だったように感じましたが、3年生になって、向谷内も近藤もみんなチームにフォーカスしているなと感じました」
――今年はルーキーで青砥(直輝・商1=駿台甲府)選手をはじめ、坂本選手や熊谷(継・農1=藤代紫水)選手が入ってきたのもチームとしては少し刺激になっているのかなという印象ですが、ルーキーたちの活躍を見ていていかがですか。
「やはり1年生であれだけやってくれるというのはすごく頼もしく、上級生も応えないとなという感じです」
――下級生の選手が「4年生のために」というような感じでいろいろな選手が言っていたのですが、4年生の4人はどのような存在だったのか教えてください。
「僕たちは3年間被っているので『4年生のために』と全員が思っていました。日常生活でも、ハンドボール以外ですごく接点が多い代で、絶対全員4年生を日本一にしたいと思っていました。本当に頼れる存在で、日本一に一緒になりたいなという感じでした」
――12月には日本選手権も控えていると思いますが、そこはどういう位置づけで臨みたいですか。
「やるからには一勝でも多くしたいです。実業団を倒せたらうれしいです」
――ありがとうございました。
[堀口心遥]
◆小泉 涼太(こいずみ・りょうた)農3、藤代紫水高。173センチ、73キロ
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