(2)インカレ事後インタビュー 近藤佑樹

2025.12.02

 全日本学生選手権(インカレ)で、創部87年目にして初の日本一に輝いた明大。今大会は1回戦から決勝まで、どの試合も息をのむような接戦が続いた。インカレ4連覇中の中大には土壇場での逆転勝利、さらに今年の関東学生春季、秋季1部リーグ戦を制した国士大にも終盤に意地を見せて勝利するなど、強豪相手に真っ向から挑み続けた。2年連続で初戦敗退という悔しさを胸に臨んだ今大会で、ついに悲願の頂点へ。今回は歴史的快挙を成し遂げた10人の選手の声をお届けする。

第2回は近藤佑樹(農4=春日丘)のインタビューをお送りします。

(この取材は11月12日に電話で行われたものです)


――今のお気持ちはいかがですか。
 
「自分たちがやってきたことがしっかり結果として表れたので、安心感といいますか、やってきたことが間違っていなかったという実感とうれしさがあります」

――決勝前に話していたことを教えてください。
 
「チームミーティングでは、自分たちが初めて対戦する相手だったので、最初の10分でどういう相手なのかをしっかりつかんで、自分たちがやってきたハンドボールを出すという目標がありました。メンバー内で同期とよく喋っていたのですが、中大、国士大、東海大と、負けていながらも最後の5分で逆転して勝ってきた実績があったので、決勝もどういう展開になるのかは分かりませんでしたが、勝てる自信があるといいますか、勝つ話はしていました」

――ハーフタイムで話していたことは何ですか。
 
「昨年度の日体大との試合を参考にしていましたが、関西学大が1点差をひっくり返したチームだったので気を抜かないということは一番みんなが思っていたことでした。点差はありましたが、その点数に関係なく、もう一回後半は自分たちのハンドボールをしっかり表現しようという話をしていました」

――決勝戦の最後では、4年生全員がコートにいましたが、いかがですか。
 「4年生が4人と少ないメンバーで、外種子田主将(渓汰・商4=国分)を筆頭に今までやってきた中で、後輩の力を借りることも多く、直接4年生が結果を出したのかといわれたら、そういうことはなかったと思います。やはりキャプテン中心に最終的には一つのチームにまとまれたので、試合が終わってから気づきましたが、4年生が全員出場していて終わった後、フィールドを見た時に4年生がみんな飛んでいる姿が見えて、それがうれしかった印象はあります」

――一番大変だった試合は何ですか。
 「中大戦です。前半の立ち上がりは長い時間リードする展開もありましたが、そこからずっとチームの苦しい展開が続いていたので、その中で全員が役割を果たして勝てたという印象が残っています」

――同じポジションとの連携はいかがでしたか。
 「試合前やインカレ前、リーグ戦前はチームのメンバーで合わせることが多かったので、自分と同じポジションで合わせることは、あまりありませんでした。栃尾(佑・法3=北陸)がチームの司令塔だったので、そことうまく合わせながら、栃尾が試合に出場しない、休憩できる時間に青砥(直輝・商1=駿台甲府)がセンター(バック)をやったことが大きかったと思います」

――ご自身にとって苦しいシーズンだったと思いますが、いかがですか。
 「関東学生春季1部リーグ戦(春リーグ)は出場機会が少なかった悔しさがあり、せっかく出場できるチャンスがあるなら、自分の力を最大限出したい気持ちも強かったです。結果はリーグ戦が終わってからしか分からないので、春リーグが終わってからの練習期間に自分なりに色々考えながら、フィジカル面を貪欲に努力できたことが良かったかなと思います」

――後輩に伝えたいことはありますか。
 「みんな個々の力を持っています。チームとしても今までの明治にはなかった力を持っていると思うので、自分たちの力を思う存分発揮してほしいです。やはりどこかでチームとしても個人としても壁に当たることがあると思いますが、そこは辛抱強くやってきたことを信じてというか、弱音を吐いてしまうこともあると思いますが、最終的には日本一になりたいと思ってきていると思うのでその気持ちをチーム全員で忘れずに、来年度も優勝してほしいと思っています」

――ありがとうございました。

[木曽琴乃]

近藤 佑樹(こんどう・ゆうき)農4、春日丘高。176センチ、76キロ