(63)~The road to Recapture~ 山川遥之「最後は日本一で終わりたい」
「最後の1分1秒までスキを見せず、全力を尽くす」。平翔太主将(商4=東福岡)がスローガンである『完遂』に込めた意味だ。関東大学対抗戦(対抗戦)、全国大学選手権(選手権)制覇の渇望を胸に、ラグビーに向き合ってきた4年生は明大での日々を振り返って何を語るのか。4年間の総括とラストシーズンの意気込みを伺った。11月7日より連載していく。
第21回は山川遥之(営4=尾道)のインタビューをお送りします。(この取材は11月7日に行われたものです)
――寮長になったきっかけを教えてください。
「3年生の頃から副寮長として、寮長をサポートしてきたので、その流れで必然的に寮長という形になりました」
――副寮長から寮長になり、難しいと感じた点を教えてください。
「副寮長と寮長の違いは、副寮長が主に目に見える活動というのが多く、寮長は寮全体の環境であったり、生活の中で細かいところや見にくいところを見ないといけない点です。対策するために細かいところを常に見ないといけないのですごく難しいなと思っています。また、最初の方はできていたことが時間が経つにつれて慣れてきて、生活にゆとりが出てきたりみたいな、そういう部分を気にかけるというのは難しいです」
――初紫紺を振り返っていかがですか。
「去年の流通経済大との試合です。素直に選ばれたことはうれしかったですし、たくさんの同期が『おめでとう』と言ってくれたのでうれしかったです」
――今年の4年生はどのような代ですか。
「個性が豊かといえば個性豊かですけど、あまりそんなに人に興味がない人もいたり、難しい代です。絶対的なリーダーもいなくて、他の学年に比べるとおとなしい性格の人たちが多いかなと思います」
――4年間で一番苦しかった時期を教えてください。
「今年です。(寮長として)自分が一番しっかりやらなければいけないと考えてしまっていて、うまくいかなかったり大きな問題が起きたりとまず責任を感じてしまいます。僕の一つの言葉であったり、行動で大きなミスを生むことがあったりと、すごく悩む時期です」
――早明戦で対面する矢崎由高選手(早大)はどのような選手ですか。
「間違いなく大学生レベルではないと思っています。ボールを持ったら間違いなくゲインしますし、ファンの人たちもとても注目するような選手だなと思います」
――山川選手の強みを教えてください。
「僕は今フルバックとウイングもやっている中で一貫性のあるプレーを心がけています。波のある選手ではなくて、毎試合毎試合自分の高いパフォーマンスを一貫してしっかり丁寧にやっています」
――4年間でご自身が一番成長した部分を教えてください。
「今年はチームのことについても自分のことについても考える時間が多くて、実感はないですけど大人になったんじゃないかと思っています」
――お世話になった先輩を教えてください。
「1個上の山本文士郎さん(令7営卒)と秋濱悠太さん(令7商卒・現リコーブラックラムズ東京)です。山本文士郎さんはずっと同じ部屋で色々相談に乗っていただいていました。秋濱さんは、(本人は)覚えてないと思うんですけど、僕が大学1年生の時に福島で合宿をした時の話なのですが、当時僕らの学年はABチームに僕含めあと4人ぐらいいたんですけど、その4人がみんな体調不良になってしまいました。その時ケガが明けて調子が良くて入ったばっかりで、廣瀬雄也さん(令6商卒・現クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)、池戸将太郎(令6政経卒・東芝ブレイブルーパス東京)さんや石田吉平さん(令5文卒・現横浜キヤノンイーグルス)などすごい人たちの中にポツンと取り残された感じでした。ペアでやる練習で誰と組んだらいいか分からない時に、一番最初に声をかけてくれたのが秋濱さんで、それから仲良くしてもらって他の人たちとの関わりもできて、とてもありがたかったなと思います」
――期待を寄せる後輩を教えてください。
「もちろん全員に頑張って欲しいですけど、部屋っ子の大川虎拓郎(法3=東福岡)です。頑張ってほしいというか、多分来年すごい悩むんだろうなと思います。高校日本代表のキャプテンだったり、花園優勝経験もあったり、大学1年生から試合に出たりと、今も学年リーダーを務めていて、来年絶対にキャプテンになるかどうか分からないですけど、リーダーとしては引っ張っていく存在だと思っています。今年僕もやってみてすごいしんどい思いをして、(大川は)ラグビーの部分では問題なくやれるので、この部分でもしっかり頑張ってほしいなと思います。あとは瓜生丈道(法3=小倉)です。しんどい練習をずっと一緒にやってきて、練習終わってから今日も乗り切ったっていいながら、寮に帰るのがとても楽しかったです。残り1年しんどいこともあるかもしれないけど、後悔のないように頑張って欲しいと思います」
――改めて、山川選手にとって『完遂』の持つ意味を教えてください。
「ラグビーの部分でいうと最後までやり切る、私生活の部分では細かいことを徹底して当たり前のことをやり切るという意味だと思います。それが当たり前になってきたら一番いいんですけど、それを全て一年間通してやり切るっていう部分を込めて、自分たちの誓いみたいなものだと思っています」
――ありがとうございました。
[保坂啓太郎]
◆山川 遥之(やまかわ・はるゆき)営4、尾道高。178センチ、82キロ
対面取材時にハリーポッターのパーカーを着ていた山川選手。「文士郎さん、秋濱さん、菊池(優希 ・政経4=山形中央)と買いに行きました。色と柄が良かったので(グリフィンドール)を選びました」
関連記事
RELATED ENTRIES

