(58)~The road to Recapture~ 最上太尊「ラグビーが好きなことが続けられた理由」
「最後の1分1秒までスキを見せず、全力を尽くす」。平翔太主将(商4=東福岡)がスローガンである『完遂』に込めた意味だ。関東大学対抗戦(対抗戦)、全国大学選手権(選手権)制覇の渇望を胸に、ラグビーに向き合ってきた4年生は明大での日々を振り返って何を語るのか。4年間の総括とラストシーズンの意気込みを伺った。11月7日より連載していく。
第16回は最上太尊(商4=仙台育英)のインタビューをお送りします。(この取材は10月22日に行われたものです)
――4年間を振り返っていかがですか。
「4年間の振り返りとしては、明治じゃなかったら経験できないことを経験させてもらいました。4年間通して早朝練には慣れませんでした」
――初紫紺(2023年度対抗戦・慶大戦)の時の心境とご自身のパフォーマンスを振り返っていかがでしたか。
「シンプルにうれしかったです。タックルに思い切り入ったら、頭から相手のことを落としてしまい、シンビンになったのを覚えています」
――印象に残っている試合を教えてください。
「去年の選手権の帝京戦です。僕たちは勝てると思って準備してきて、やり切った感じはあったんですけど、帝京さんに負けて、このチームも終わっちゃうんだなっていう、喪失感があって悲しかったです」
――争いの激しい環境でラグビーを続けられた理由、原動力を教えてください。
「シンプルにラグビーが好きなことが一番ラグビーを続けられてる理由かなと思います」
――個人で一番伸びたと思うプレーを教えてください。
「オフザボールです。元々僕自身オフザボールがいい選手じゃなくて、しょっちゅう監督から言われていました。去年1年間は特にそこを意識していて、対抗戦が始まって選手権が終わるにつれてだんだんと伸びていきました」
――同期の印象と、エピソードがあれば教えてください。
「とても愉快な仲間たちです。一番思い出に残っているのは、僕は基本キックオフの時試後ろの西野帆平くん(文4=東福岡)にリフトされる準備をしているんですけど、その時の西野くんのつぶやきが好きです。西野くんはキックオフして開始5分で『疲れた』って言うタイプなんですけど、そのネガティブ発言が原動力になって僕は頑張れます(笑)」
――後輩の存在は最上選手にとってどのような影響を与えていますか。
「特に同じポジションの人は、追い上げてくるという意味で、常に緊張して練習に取り組める環境ができているので、後輩にはとても感謝しています。3年間同じ部屋っ子の物部くん(耀大朗・商3=中部大春日丘)とは日常の愚痴を言い合ったりして、日々楽しい生活を送れてうれしいです」
――最上選手にとってスローガンである『完遂』の意味はどのようなものですか。
「全てにおいてやり切るという意味を込めて『完遂』になったんですけど、僕が一番強く思っている『完遂』は、絶対に今年日本一を取ることです」
――秋シーズンここまでを振り返っていかがですか。
「夏合宿が終わってから僕たち自身うまくいっていないことが多いです。筑波さんに負けたりして、まだ僕たちは発展途上のチームだなと思っています」
――選手権優勝に向け、必要なことは何だと考えていますか。
「ここまで来るともう積み上げてきたものは春からあるので、あとは試合中にどれだけ出せるかがカギになってくると思います。やっぱり日頃の練習から詳細にこだわったり、結末にこだわることを意識して取り組んでいけばいいかなと思っています」
――残りのシーズンに向けての意気込みをお願いします。
「日本一取ります」
――ありがとうございました。
[晴山赳生]
◆最上 太尊(もがみ・たいそん)商4、仙台育英高。185センチ・105キロ
最近のマイブームは「夜の空を見てぼーっとすること」だそう。「時々ベランダとかに出てみると『俺って何なんだろう』って、よく人生について自問自答するのにハマっています」。
最上選手なりの息抜きなのかもしれません。
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