(57)~The road to Recapture~ 平岩昭英「自分にとってすごく特別なものだった」
「最後の1分1秒までスキを見せず、全力を尽くす」。平翔太主将(商4=東福岡)がスローガンである『完遂』に込めた意味だ。関東大学対抗戦(対抗戦)全国大学選手権(選手権)制覇の渇望を胸にラグビーに向き合ってきた4年生は明大での日々を振り返って何を語るのか。4年間の総括とラストシーズンの意気込みを伺った。11月7日より連載していく。
第15回は平岩昭英(法4=明大中野)のインタビューをお送りします。(この取材は10月31日に行われたものです)
――4年間を振り返ってみていかがですか。
「4年間、思い通りに行かないことがすごく多くて、甘くないなっていうのを体感できました」
――明大ラグビー部に入った理由を教えてください。
「高校からラグビーを始めたので、実力者が相当いる中、入部するのを迷っていたのですが、付属でも明大ラグビー部に入って試合に出られるということを証明したかったので入ったというのが一番大きな理由です。それと、お世話になった高校の先生たちにもすごく迷惑を掛けたので、そういった部分でも自分が試合に出ることで恩返しできるかなと思いました」
――入部当初を振り返ってはいかがですか。
「入った時は毎日の練習についていけませんでした。走る練習などの体力を使う練習は気合で乗り越えられるのですが、ユニットのスキル練習になると、自分は他の選手とスキルに大きな差があったので、練習していく選手たちと毎回失敗してしまう自分の差がすごくて、毎日きつかったです」
――スキルの差を埋めるために何か取り組んだことはありましたか。
「1年生、2年生の時は空いている時間に、先輩を誘って練習をしていました。1人でも差を埋めようとしましたが、通常の練習もできなくなるようなケガばっかりだったので、そういったケガとの向き合い方が難しかったです」
――ケガとはどのようにして向き合いましたか。
「1年生の時は両肩を手術して、2年生の時は足首もケガをして、3年生、4年生でも肉離れや前十字靭帯を切るなどの大きなケガが何度もありました。周りの部員との差がある中で練習をしたい自分と、体がうまく動かせない自分がいて、差を埋めようにも埋められなくて、甘くないなと思いました。そういった中で両親、同期のみんな、先輩や後輩がすごい元気づけてくれました。監督、コーチ陣もすごい気にかけてくれて、この人たちのために頑張って復帰しようと思えました」
――この4年間で成長できた部分はありましたか。
「最初に入部する時に監督と2人で話をした時に印象に残っている言葉があって、試合に出るだけではなくて、自分がいる環境や目指していることに誇りを持って取り組んでほしいと言っていただきました。試合に出ることだけではなくて、自分が目指していることや自分が諦めずに努力をしていくことが大事さや、人生うまくいかないっていう大きな挫折も経験したので、支えてくれている人への感謝の気持ちを学べました」
――上級生になるにつれて意識していることとかはありますか。
「練習の面ではまだまだですけど、積極的に声を出す回数や発言する回数も増えて、下級生にどう見られているかっていうのを意識しています。寮生活では下級生の部屋のみんなが過ごしやすいように積極的に声を掛けたりすることが増えたかなと思います」
――試合に出る際にプレーなどで心がけていることはありますか。
「自分のプレースタイル的に器用なタイプではないので、とにかく体を張って、少しでもチームのためになるようなことをしたいと考えていました。」
――寮生活で最も印象に残っている出来事を教えてください。
「1つに絞るのは難しいですけど、同期の仲間たち、先輩たちや後輩たちと空いている時間にご飯食べに行くとか、遊びに行く時間というのは、自分にとってすごく特別なものだったなと思います」
――4年間の間で一番思い出深い部屋はありますか。
「どれも本当に印象に残っているのですが、2年生の時の前期と後期の部屋になると思います。どっちの部屋もすごく先輩たちがよくしてくれました。1年生の時の自分は寮生活で遠慮しがちな面もあったんですけれど、2年生の前期、後期の部屋ですごい心地よく過ごせて、そこから周りの人とも積極的にコミュニケーションが取れるようになったので2年生の前期、後期の部屋がすごい僕にとっては大きかったかなと思います」
――後輩の中でプレーの面においてイチオシの後輩はいますか。
「僕と同じ部屋の亀井秋穂(政経3=長崎北陽台)くんです。身長が190センチ以上あって、体の芯があってコンタクトも強くて、足も速くて、体を張れてすごく素晴らしいプレイヤーだなと思います」
――平岩選手にとってスローガンの『完遂』の意味はどのようなものですか。
「どんな練習、どんな試合でも手を抜かずに全力でやりきるっていうのは完遂だと思います。これからシーズンがどんどん佳境に入って、出られるメンバーが限られてくると思います。出られるメンバーだけが頑張っても完遂はできないので、僕らが下から底上げすることで、最終的には完遂できるのかなと思います」
――ありがとうございました。
◆平岩 昭英(ひらいわ・しょうえい)法4・明大中野高。173センチ・79キロ。
気分転換をする際は、実家に帰るという平岩選手。「寮生活であんまりテンションが上がらない日とか、1人の時間が取れない時は実家に帰ってリフレッシュしたり、母親のご飯を食べてリフレッシュしたりします」
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