(56)~The road to Recapture~ 西野帆平「80分間セットプレーで圧倒する」
「最後の1分1秒までスキを見せず、全力を尽くす」。平翔太主将(商4=東福岡)がスローガンである『完遂』に込めた意味だ。関東大学対抗戦(対抗戦)全国大学選手権(選手権)制覇の渇望を胸にラグビーに向き合ってきた4年生は明大での日々を振り返って何を語るのか。4年間の総括とラストシーズンの意気込みを伺った。11月7日より連載していく。
第13回は西野帆平(文4=東福岡)のインタビューをお送りします。(この取材は10月24日に行われたものです)
――明治のラグビー部に入部された理由を教えてください。
「FWと言えば明治だったので、自分もフッカーというポジションをやっている身としてFWの強い明治に行きたいと思い憧れていきました」
――ラグビー部に入る前と入った後で印象が変わったところを教えてください。
「入る前に感じたFWのこだわりは実際入部した後もコーチ陣や選手陣が言い続けており、入った後の方が強くこだわりというのは感じました」
――4年間を振り返ってみていかがですか。
「最初に浮かぶのは楽しくすごく充実した4年間だったと思います。大学1年生時は試合に出られずに苦労したのですが、大学2年時からメンバーに絡ませてもらって試合に出る機会も増えたのですごいいい経験をさせてもらったと感じています」
――初紫紺の試合はいかがでしたか。
「一応初紫紺は大学1年生の時なのですがその時は、自分の実力というかケガ人が重なって、出させてもらったという感じだったので、あまり自分の中で納得してない初紫紺だったという感じです」
――4年間で一番印象に残っている試合を教えてください。
「印象に残っているのは大学2年時の早明戦です。明治のファンに感動したというので一番印象残っています。国立で初めての早明戦で明治ファンの校歌斉唱をグラウンドで見られてその圧に驚きました。明治は長い伝統の中で、これだけのファンがいるのだなというのを改めて感じて、明治がこれだけ愛されているのだなというのを再認識した試合でした」
――4年間で一番苦しかった時期を教えてください。
「二つあって一つ目は大学1年生の時です。試合に出られない期間で大学のレベルに圧倒されて、なかなかレベルが追いつかず苦労しました。二つめは去年です。去年からスタメンで出させてもらっていて、大学2年の時はリザーブでの出場が多かったのですが、大学2年生時の4年生FWがごっそり抜けて、FWが強い明治というのを自分の手で作っていかないといけないという時期でした。その中でなかなかセットプレーの部分、スクラムやラインアウトの部分においてフッカーである自分が引っ張っていかないといけない時に、あまりいい結果が出せませんでした。そういう点では一番悩んだのは去年だったかなと思います」
――昨年度と比べ今年度のセットプレーはいかがですか。
「去年のFWの先輩方が結構抜けてしまったのですが、セットプレーやスクラムにおいては、フロントローが去年から出ていたメンバーが残っているので、去年の積み重ねが残っており、今年においてもどんどんその経験を積み重ねていくことができたので今年は自信を持って試合や練習でも、いい雰囲気でできていますし、武器になっているのかなという感じです」
――特にお世話になった先輩と期待している後輩を教えてください。
「お世話になった先輩は、自分が1年の時の4年の先輩だった、紀伊遼平先輩(令5営卒・現中部電力)と2年の時4年の先輩だった松下潤一郎先輩(令6法卒・現浦安D-Rocks)です。大学に入って、高校レベルと大学レベルがぜんぜん違うというのを思い知らされたのですがその中で、スキルの部分であったり、マインドの部分であったりを教えてくださいました。期待を寄せる後輩は松岡風翔(政経3=大阪桐蔭)です。すごい部屋を明るくしてくる存在で、今年は膝をケガしてしまってチャンスがあまりなかったので、来年はすごい反骨心を持って練習や試合に取り組んでくれると思うので、そういった部分ではすごくハングリーな選手だと思います。注目しておいてください」
――4年間を通して一番成長したと思う部分を教えてください。
「スクラムの部分です。高校と大学ではスクラムに対する姿勢の部分であったりスキルの部分で全然違うので、入ってきた時はスクラムについて右も左もわからない状態だったのですが、そういう中で今は自信を持って試合に臨めて、武器にできているのでスクラムの部分は一番成長したなと思います」
――一番印象に残っているセットプレーを教えてください。
「いろいろあるのですが去年の選手権での帝京大戦です。1年間セットプレーについて考えて考えて取り組んだ結果が最後の帝京のスクラムでした。スクラムで帝京に有利に進められたので良かったです」
――寮生活で楽しかった思い出を教えてください。
「思い出いっぱいあるなあ。高校が別々のとこから来ていてすごく個性的なメンバーがいっぱいいる中で、ぶっ飛んだやつとかもいて、はちゃめちゃな寮生活だったので全部が思い出です」
――西野選手にとってスローガンの『完遂』の意味はどのようなものですか。
「まず、ラグビーのプレーにおいても生活面にしても、規則であったり、そういったものを全うしてやり切るということだと思います。その中で僕はセットプレーにおいて少し考えていて、ラインアウトであったら、スローを全部いいところに投げ切る、スクラムにおいても、自分たちのスクラムを80分間組み続けて、セットプレーで圧倒し続けるのを80分間やり続けるというのが『完遂』なのかなと自分では思っています」
――残りのシーズンへの意気込みをお願いします。
「80分間、全部のセットプレーで圧倒し続けるというのが自分の役目だと思うので、残りの試合で相手のセットプレーに関してはすごいプライド持って相手が続くと思うんですけどそういった中でもしっかり自分たちのスクラム、自分のスローをやりきって80分間セットプレーで圧倒して勝ちたいと思います」
――ありがとうございます。
[保坂啓太郎]
◆西野 帆平(にしの・はんぺい)文4・東福岡高。176センチ・104キロ。
最近カフェに行くことにはまっている西野選手。おすすめは「梅が丘駅の近くのQuintetというカフェのチーズケーキです」。
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