(54)〜The road to Recapture〜 富田陸「最後の最後まで努力して背番号を勝ち取る」

2025.11.18

 「最後の1分1秒までスキを見せず、全力を尽くす」。平翔太主将(商4=東福岡)がスローガンである『完遂』に込めた意味だ。関東大学対抗戦(対抗戦)全国大学選手権(選手権)制覇の渇望を胸にラグビーに向き合ってきた4年生は明大での日々を振り返って何を語るのか。4年間の総括とラストシーズンの意気込みを伺った。11月7日より連載していく。

第12回は富田陸(政経4=大阪桐蔭)のインタビューをお送りします。(この取材は11月1日に行われました)

——大学4年間を振り返っていかがでしたか。
 「ケガに苦しむ時期が多かったです」

——きつい時期でも努力し続けることができた要因を教えてください。
 「1年生から試合に出ていたので出たいという意欲があって、それを目標に頑張っていました」

——4年間で楽しかったことを教えてください。
 「学年が上がるにつれて後輩が増えて、後輩との取り組みや部屋の時間が学年が上がるにつれて増えたので良かったと思います」

——部屋で思い出に残っていることはありますか。
 「自分が2年生の時は田島貫太郎さん(令7政経卒=現埼玉ワイルドナイツ)とよく寮にいて、映画とか見たり、一緒に飯食ったりとかしていました。今だったら自分が部屋の長なんですけど田代大介(営3=大分舞鶴)と井本章介(情コミ1=常翔学園)と宮崎和史(情コミ2=石見智翠館)と部屋でみんなで『今日好き(今日、好きになりました。)』を見たりしていて、自分の中では当たりの部屋っ子を取れたなと思っています」

——ニュージーランドにラグビー留学に行った経緯はどのようなものでしたか。
 「去年は肩の手術で半年間(試合に)出られなくて夏合宿で復帰したんですけど、そこから調子もあまり良くなくてケガも続いていて、このままみんなと同じようにオフを過ごすのは納得がいかなくて、オフシーズンを使って試合に出ていない期間を自分の中で取り戻したくて留学を決めました」

——ニュージーランドに行って日本と違うと感じた点について教えてください。
 「一番びっくりしたのがコーチがプレーについて叱らないというか褒めて伸ばすスタイルで、プロップでもスキル練習をしたり練習メニューが明治ではBK とFWが別なんですけど(ニュージーランドでは)一緒にやったりしてパススキルもレベル上がったかなと思います」

——スーパーラグビーは観戦されましたか。
 「向こうの週代表のU−20で出たんですけど、ハリケーンズのチームに呼ばれて日本のクライアンスを移行しないと試合に出られなかったんですけど、もしチャンスがあったら出られたかなというのがありました」

——将来的にスーパーラグビーに挑戦してみたいみたいという思いもありますか。
 「向こうのラグビーが楽しかったので挑戦したいというのもあるんですけど、日本はスクラムが強いので向こうでスクラ厶のコーチができたらいいなとか思っています」

——地元を離れて感じた家族の支えはありましたか。
 「高校の時は洗濯とか全部やってもらっていたので、大学に行ったら自分で洗濯をしないといけなくて親のありがたみを感じました」

——富田選手にとってスローガンの『完遂』の意味はどのようなものですか。
 「みんなで話し合って、いろいろな案とか出たんですけど一致団結して決めたスローガンなので思い入れがあります。最後のシーズンが終わるまでやり遂げようと思います」

——ラストシーズンに向けて意気込みをお願いします。
 「明治の3番は自分だと思っているので、3番で出られるように最後の最後まで努力して背番号を勝ち取ります」

——ありがとうございました。

[佐藤比呂]

◆富田 陸(とみた・りく)政経4・大阪桐蔭高。182センチ、125キロ
 フィジカルの秘訣を教えていただくと「食べたい時に食べたいもの食べるのが体大きくする秘訣かなと。日頃頑張っている自分に対してのご褒美というか、それが一番体が欲してるものかなと思うので好きな時に食べたいものを食べる。それで日常頑張って体を絞る。そんな感じですかね(笑)」