(45)~The road to Recapture~ 加藤連「後輩たちにいい姿を残せる先輩に」

2025.11.12

 「最後の1分1秒までスキを見せず、全力を尽くす」。平翔太主将(商4=東福岡)がスローガンである『完遂』に込めた意味だ。関東大学対抗戦、全国大学選手権制覇の渇望を胸に、ラグビーに向き合ってきた4年生は明大での日々を振り返って何を語るのか。4年間の総括とラストシーズンの意気込みを伺った。11月7日より連載していく。

第6回は加藤連(商4=明大八王子)のインタビューをお送りします。(この取材は10月30日に行われたものです)

――大学4年間を振り返っていかがですか。
 「1年生の最初と4年生の最後のシーズンの時に、大きなケガをして手術をしたので、苦しいことも多かったのかなと思っています」

――ケガについて詳しく教えてください。
 「(1年時のケガは)右肩を脱臼して、そのまま手術しました。今のケガは逆肩の手術です。1年の時は6月に手術して、その後のシーズン全て試合に出ることはありませんでした」

――現在のケガの経過はいかがですか。
 「順調ではあるんですけど、試合できる状態まではまだ結構時間がかかるかなという感じですね」

――リハビリ期間で取り組んだことを教えてください。
 「1年の時はセレクションで入ったのもあって、他の同級生よりもすごく体も小さくて、身近な部分で足りないなと感じていました。最初は体重を増やして、ウエートの数値を上げるところにしっかりと取り組んでいました」

――大きなケガもあった中、4年間ラグビーを続けられた要因は何ですか。
 「最後に優勝するという目標をしっかり掲げていたところはあるかなと思っています。1年の時も、どういうふうにリハビリをしながらチームに貢献していくか、また今も最高学年という立場で、なかなかチームに貢献できなくても下級生に教えるなど、そういう小さなところからでもチームに貢献して、最終的に優勝に自分が導くことができればいいかなと考えながら乗り越えてきました」

――印象に残っている試合と、その時のご自身のパフォーマンスについて教えてください。
 「今年の定期戦の同志社戦が初めて紫紺を着れた試合というのもあって印象に残っています。パフォーマンスは正直すごく悪くて、キャリーの部分ではあまり自分のいいところを見せられなかったり、20分ぐらいしか出場時間がない中でもなかなかワークレートが高くなくて、そういう部分で後からコーチの方々と話しました。紫紺を着て試合に出て、パフォーマンスが悪くてもすごくいい経験として捉えることができたかなと思っています」

――明大ラグビー部に入って良かったと思うことはありますか。
 「すごくいろんな価値観の人間と関わることが寮生活の中でできたり、ラグビーに対してすごく真剣に取り組んでいる人たちと一緒に生活していく中で、自分もすごくモチベーションを高めながらラグビーに対して向き合っていくことができたかなと思っています」

――4年間苦楽を共にした同期の存在はいかがですか。
 「すごく大事だったと思っています。自分がケガをした時もすごく心配してくれたり、一緒にリハビリをしていた同級生もいました。モチベーションが下がることもあったけど、その同級生と一緒にリハビリをしていけるという点でも、すごく大事な存在だったかなと思っています」

――後輩の存在は加藤選手にどのような影響を与えていますか。
 「明治のラグビー部というのもあって自分より上手い選手が後輩にいて、特に同じポジションの後輩はすごくいい刺激になったんじゃないかなと思っています。藤井達哉(政経3=東福岡)は練習の中でトイメンに立つことが多かったり、率先して練習の中でも話していて、ラグビーに対する向き合い方だったり、実際に対面してコンタクトしたりすることも多い選手だったので、すごく印象に残っています」

――加藤選手にとってスローガンである『完遂』の意味はどのようなものですか。
 「私生活の面でも、ラグビーに関しては全ての面でしっかり自分たちで掲げたものを成し遂げるものだと考えています。ただ、寮生活のところで少しずつ綻びが出ているところもあるので、そういったところで自分たちの考えたスローガンである『完遂』をしっかり見直すことで、もう一回気を引き締められる、すごくいいスローガンになるんじゃないかなと思っています」

――残りのシーズンに向けての意気込みをお願いします。
 「まずはしっかりリハビリしてケガを治して、最後は試合に出て後輩たちにいい姿を残せられる先輩でありたいなと思っています」

――ありがとうございました。

[晴山赳生]

加藤 連(かとう・れん)商4、明大八王子高。184センチ・101キロ
試合前のルーティンは、海外選手のプレー動画を観ること。「イングランド代表のベン・アール選手は、自分が好きな選手なのもあってよく見ています。スクラムから3人ぐらい引きずってトライしたのを見てめちゃくちゃハマりました!」