(44)~The road to Recapture~ 小椋健介「FWを極めたい」
「最後の1分1秒までスキを見せず、全力を尽くす」。平翔太主将(商4=東福岡)がスローガンである『完遂』に込めた意味だ。関東大学対抗戦(対抗戦)、全国大学選手権(選手権)制覇の渇望を胸にラグビーに向き合ってきた4年生は明大での日々を振り返って何を語るのか。4年間の総括とラストシーズンの意気込みを語った。11月7日より連載していく。
第5回は小椋健介(情コミ4=桐蔭学園)のインタビューをお送りします。(この取材は11月2日に行われたものです。)
ーー明大のラグビー部に入部した理由を教えてください。
「桐蔭出身なのですが、先輩方がみんな早稲田に行かれていて、それでなんとなく早稲田に憧れがありました。そういった中で明治に声をかけて頂き、そこから明治のラグビーを見始めました。FWにこだわっている姿を試合で見たり、いろいろな記事で見て、伺って、そこからFWに対するプライドがいいなと感じました。桐蔭の時はそこまでそういったこだわりがなかったわけではないですが、そういったところでFWをもっと極めたいなと思い明治に決めました」
ーー明大のラグビー部を選んで、良かったところを教えてください。
「FWとして、自分だったらロックとしてラインアウトを引っ張るポジションなのですが、それに対してのプライドが強くなったり、スクラム、ラインアウト、あとは一つ一つのキャリーで絶対に譲っちゃいけないというプライドを持てたというのは感じています」
ーー今年度4年生として意識している点を教えてください。
「最終学年としてチームを引っ張る立場で、これはキャプテン、バイスキャプテンとかリーダー陣とかは関係なく、4年生全員がやるべきところだと思っています。その中で声を出すとか、練習を盛り上げるとか、そういったところで4年生は盛り上げる役、エナジーを前面に出す人が少ない気がするので自分の役割だと思って、練習中も声を出して盛り上げたりしています。あとは、今年に入って自分はBチームやCチームにいる期間が長かったので、必然的に1年生や、下級生と練習する時間が多かったです。そういう意味では普段の練習態度のところや、あとはセットプレーのスキルのところを下級生にアウトプットをする時間が長かったりして、そういう点は意識して取り組んでいました」
ーー4年間を振り返って、一番印象に残っている試合を教えてください。
「去年の大学選手権準決勝の帝京との試合です。自分はメンバーに入れていなくて、スタンドで観戦している側だったのですが、大好きな4年生の引退が決まった試合で、めちゃくちゃ悔しかったです。4年生たちがいなくなる寂しさで、めちゃくちゃ印象に残っています。その試合で自分の代は優勝したいなと思いましたし、4年生に引退してほしくないなと後輩に思ってもらえるような先輩になりたいと思いました」
ーー4年間を振り返って楽しかった思い出を教えてください。
「自分の場合は部屋でのイベントや同期との時間がすごい楽しかったです。特に僕が2年生の時の古田空さん(令6商卒)や、あとは去年の秋濱悠太さん(令7商卒・現リコーブラックラムズ東京)と部屋が一緒だったのですが、その人たちにめちゃくちゃ良くしてもらっていました。ご飯に連れていってもらったり、部屋でピザパーティーをしたりクリスマスプレゼントを交換したり、本当に良くしてもらっていたなと思います。同じ空間にいる中で過ごしやすい雰囲気づくりなどをしてもらっていて、それが僕の中ではものすごくうれしくて、好きだったので自分が3年生、4年生になった時には、次は自分がやってあげたいなとは思っていました」
ーー今の部屋のメンバーを教えてください。
「今自分の部屋には3年生の竹之下仁吾(政経3=報徳学園)、2年生の阿部煌生(政経2=流経大柏)、1年生の佐々木大斗(政経1=常翔学園)がいます。平和で楽しくやっています。月1ぐらいでご飯に行ったり、昨日はちょうどゲリラで101号室と合同でピザパーティーをしました」
ーー4年間を振り返って、苦しかった時期を教えてください。
「三つあって、自分はケガが多く、1年生の夏合宿で肩を外して半年間ラグビーができませんでした。この時期は、それこそ入部したばかりで、これから頑張りたいなという時にケガをしてしまったので、他の同期が頑張っている中、自分だけリハビリで全然チームに貢献できない時期でとてもしんどかったです。あとは、3年生の時なのですが、対抗戦の開幕戦の青学戦で試合に出たのですがその試合で肉離れになってしまい、去年はずっとケガでシーズンが終わってしまいました。当時もこれから行くぞと自分の中で意気込んでいて、それがケガで終わってしまったのはめちゃくちゃ悔しかったです。最後に、5月ぐらいに復帰して、今年最終学年頑張ろうと思っている中で、夏合宿中に一度Cチームまで落ちてしまいました。上のチームに上がれなかったり、自分にベクトルを向けてラグビーしたい中で、下級生が多くて、下級生に色々伝えたり、自分にもっとこだわりたい中であまり手を回せなくて、なかなか上のチームに上がれないその期間が僕の中ではめちゃくちゃしんどかったです」
ーー4年間でご自身が一番成長したと思う部分を教えてください。
「全然まだまだではあるのですが、ラインアウトのジャンプは自分の中では上手くなったなと思ってます。ラインアウトは、ロックとしてこだわらなければいけないのですが、それが全然できていなくて、同期の菊池優希(政経4=山形中央)とかと1年生、2年生の時には毎日練習していました」
ーー特にお世話になった先輩と、期待を寄せる後輩を教えてください。
「お世話になった先輩は、古田空さんと、伊藤耕太郎さん(令6商卒=現リコーブラックラムズ東京)、あとは秋濱悠太さんです。特にお世話になったのはその3人になります。みんなそうなのですが、同じ部屋でめちゃくちゃ良くしてもらっていました。期待を寄せる後輩はみんななのですが、同じポジションで言うと、秋穂(亀井・政経3=長崎北陽台)と、耀ちゃん(物部耀大朗 ・商3=中部大春日丘)です。(物部は)ケガで今年は悔しい思いしてると思うのですが、来年に向けてしっかり今のうちから爆発してほしいなと思います。あとは部屋っ子の佐々木と、阿部ちゃんは頑張ってくれるだろうなと思っています」
ーー小倉選手にとって『完遂』というスローガンはどのようなものですか。
「優勝するために、日本一になるために自分たちが掲げたもので、この意味というのは、私生活やラグビーのところ以外も含めて自分たちが甘くてできてなかった部分をやり切ろうというのがその一つの意味だと思っています。今年はラグビーでも、ラグビー以外でもうまくいったりいかなかったりするところはまたまだいっぱいあるのですが、それも含めてチームがまとまるためのいいタイミングだと思うのでそれをしっかり4年生が行動で体現して優勝するための合言葉だと思います」
ーー私生活で意識していた点を教えてください。
「4年生は寮のルールを破ったりするとそういうのが真似される立場だと感じています。そのため私生活のところでは率先していい方向に持っていけるように心がけています。あと自分はちょっとした役割なのですが、風呂掃除の係をやっています。毎日1年生が寮のお風呂を掃除してくれていて、それのチェックだったりあとは風呂の衛生を保つためにいろいろ見たりしています。そういったところでの寮の生活をもっとちゃんとしようよというのは呼びかけています」
ーー今後の目標について教えてください。
「チームで言うと、大きな目標は大学選手権優勝で、それに向けて、帝京、あとは早稲田が残っていて、そのあとはジュニア(関東大学ジュニア選手権)もこれからプレーオフ準決勝、決勝があります。それを全部勝って、選手権にいい弾みをつけたいというのは思っています。それが勝てなかったとしても、これをいい糧にしてチームがまとまっていけたらなと思っています。個人でいうとこの間の慶應戦もリザーブにはいたのですが出場できなくてめちゃくちゃ悔しかったです。もっとチームに貢献するために、自分の強みのところであったり、4年生として一つ一つの行動でチームにいい影響を与えるようにあと2カ月間死ぬほど努力したいと思っています。特に自分はジュニアにも出る立場なので、チームとして勝ち切って、その流れに乗って選手権に弾みをつけて優勝できたらいいなと思います」
ーーありがとうございました。
[保坂啓太郎]
◆小椋 健介(おぐら・けんすけ)情コミ4、桐蔭学園高。182センチ、104キロ
最近一人で映画を観ることにハマっている小椋選手。最近見た映画で一番面白かったのは『Day After Tomorrow 』だそう。
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