(40)〜The road to Recapture〜 朝島燎夏「最後まで自分を鍛え続けてチームにも優勝にも貢献したい」
「最後の1分1秒までスキを見せず、全力を尽くす」。平翔太主将(商4=東福岡)がスローガンである『完遂』に込めた意味だ。関東大学対抗戦(対抗戦)全国大学選手権(選手権)制覇の渇望を胸にラグビーに向き合ってきた4年生は明大での日々を振り返って何を語るのか。4年間の総括とラストシーズンの意気込みを伺った。11月7日より連載していく。
第1回は朝島燎夏(法4=正則)のインタビューをお送りします。(この取材は11月1日に行われたものです)
——大学の4年間を振り返っていかがでしたか。
「1、2年生の時はAチームに上がることを目標にして頑張って、少しづつ自分の成長を感じながら着実にAチームに近づいていったなという感覚があったんですけど、3年生からケガが続いてしまって、紫紺こそ着られたんですけど、ケガの治療をして復帰してというのを何回も繰り返して、そこで行き詰まってしまったという感じはあったので、ケガに悩まされた4年間かなと感じます」
——ケガが多かった中で努力し続けることができた要因について教えてください。
「自分の中で先輩たちの影響がすごく大きかったなと感じています。特に仲の良かった石塚勝己さん(令6情コミ卒・現クリタウォーターガッシュ昭島)と大越勇気さん(令6営卒)から卒業した後でも頻繁に連絡が来て、『ケガしているだろうけど頑張れよ』と伝えてくださったり、他の先輩方も気にかけてくださっていて、それが励みになりました」
——4年間で一番楽しかったことについて教えてください。
「この4年間寮生活だったので、同期や先輩、後輩とかと遊びに行ったりとか。あとは、僕はよく部屋でご飯を作ったりするんですけど、Netflixとか見ながら一緒にご飯を作っている時が一番楽しかったなと思います」
——一番印象に残っている試合について教えてください。
「4年生で初っ端からケガをしてしまって、もう選手として諦めようかなって思っていた時に、『もう1回復帰を目指して頑張ろう』と、いろいろなトレーナーの方たちと話して、春シーズンは諦めて夏合宿での復帰を目指して、最終的に夏合宿の天理のC戦で、復帰することができました。その試合はスクラムも押せて、ずっと復帰してから中心的にやっていたディフェンスの部分とかも光ったので、夏合宿の復帰戦が思い出ですね」
——4年間で変化したことについて教えてください。
「人と喋るようになりましたね。自分からお節介を焼くタイプではなかったんですけど、下の子たちが入ってきて、なるべく過ごしやすいように、あまりつらい思いをしてほしくないなというのはあったので、そこで後輩に気遣いというか、ちょっと大丈夫かなとか心配な時とかは話しかけに行ったり、そういったところで自分の中で成長というか変わったかなと感じますね」
——正則高校からの進学は珍しく、入部時のインタビューでも不安があったと話されていました。
「結局その不安は消えることはなかったんですけど、弱小校から入ってきて、その中でずっと自分の中で『努力しないと、成長しないと』と思っていて、上も同期も下も強豪校で劣等感はずっと感じていたんですけど、でも逆にそれが1、2年生の時は、先輩たちが面白がって、プレーとか私生活でも面倒見てくれたのかなと。今でもたまに、『正則ってどこだよ』みたいに言われるんですけど、『立地だけはいいからな』って(笑)。『ラグビー場はないけど、立地だけは絶対負けねえからな』とかネタにはなっていますね(笑)」
——明大への入学が決まった経緯はどのようなものでしたか。
「たまたま僕の高校にスポットコーチで来てくださった方が通っていた整骨院の先生が明治のリクルーターさんで、ちょうどコロナがあった時リクルーターさんを全国に派遣できないみたいな感じで、リクルートが滞っているみたいな状態でした。『じゃあ正則にいい選手がいますよ』とスポットコーチの方が言ってくださって、それで練習会とかに参加させていただいて、その結果ご縁があって、ぜひ明治に来てほしいとお声掛けをいただいて、明治に進学を決めました」
——チームの中で尊敬されている方はいらっしゃいますか。
「同期だと菊池優希(政経4=山形中央)ですね。1年生の時からずっと一緒にいて、1、2年生の時は彼がずっとケガをしていて、彼の悔しさとか心境とか悩みとかも聞いていたので、今4年生で彼がチームのリーダーとして、主体として引っ張っているところは、すごく個人的にうれしいことでもありますし、僕はもう試合に出ることはかなわないですけど、その分菊池に託して最後の優勝に貢献してほしいです」
——先輩ではいかがですか。
「同じ部屋の先輩だった石塚勝己さんが印象残っていますね。彼も最後の時期、下のチームのリーダーとしてプレーだけじゃなくて、声でも引っ張って、下のチームの子たちが上を目指していく環境をつくり、そういうチームづくりをしてくださっていたので、それを見習って僕が最後4年でケガをしても、もう1回下のチームを盛り上げたいと思えて、その結果下のチームで盛り上がれたのかなと感じていて、すごく感謝しています。今でも(家に)泊まりに行ったりとか、ご飯を食べに行っているので、いっぱい仲良い先輩はいたんですけど、特に石塚さんですね」
——期待している後輩の方を教えてください。
「2年生の雨宮巧弥(法2=山梨学院)と1年生だと工藤大知(政経1=明大中野)ですね。2人は趣味も合って、よく一緒にご飯食べたり、部屋で遊んだりしているんですけど、彼らもケガでうまくいかないところが似ていて、ポテンシャルは多分僕以上にある子たちなので、自分の目標を持って最後まで成長して4年間やり切ってほしいですね」
——朝島選手にとってスローガンの『完遂』の意味はどのようなものですか。
「3年生まで優勝できなくて、そこで何が足りなかったかなと言ったら、多分やり切ってないところが多々あったなっていう風には感じていています。プレーだけではなくて、私生活といったところも徹底してやっていくことから、『完遂』という言葉をスローガンにして、できなかったこところや明治として荒いところを、どんどん潰していって、それを1年間やり続けて、最後優勝になると捉えています」
——ラストシーズンに向けて意気込みをお願いします。
「もうケガで試合に出ることはできないかもしれないんですけど、最後まで自分を鍛え続けてチームにも優勝にも貢献したいなと思っています」
——ありがとうございました。
[佐藤比呂]
◆朝島 燎夏(あさじま・りょうが)法4、正則高、183センチ・121キロ
得意料理は無水カレー。「この前も工藤たちと食べましたね。内心は知らないですけど、みんな美味しいですって言って喜んでくれているので嬉しいですね」
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