(96)箱根駅伝予選会事後インタビュー⑬/射場雄太朗長距離コーチ

2025.10.31

 第102回箱根駅伝の出場権を懸けて行われた箱根駅伝予選会(箱根予選)。やや気温が高かったものの、比較的走りやすいコンディションで行われたレースで、選手は熱い走りを見せた。しかし、明大はボーダーラインの10位に1分58秒及ばず、惜しくも2大会連続で本選への出場権を逃すという悔しい結果に。今回は、悔しさを胸に秘めた指導者と出走した 12 人のレース直後の声をお届けする。

  第13回は射場雄太朗長距離コーチのインタビューです。

――レースの振り返りをお願いします。
 「明大だけではなく、日本人グループ全体がゆっくり入っていきました。事前のミーティングで『予定のペースより遅く入ったとしても、そこは焦らずに10キロ、15キロ予定のタイムに取り戻していく』という話をしていたので、そこに関して問題はなかったと思います。ただ一方で何人かに聞いてみると、遅く入ったことに対して少し焦りを感じていた選手もいたので、そこの想定がまだ甘かったとも感じています。あとは遅く入ったことで余裕があったはずですが、その分後半に上げられなかったことが今回の敗因だと思っています。夏合宿を経てハーフを走る力はついてきたと思いますが、なんとか仕上げた感じでした。今年度から大志田さん(秀次駅伝監督)の練習に取り組んでいく中で、選手たちは疲労やきつさを感じていました。選手たちも慣れてきて、未知の練習ではなく『これぐらいの練習だったらできます』となれば、1回の練習のダメージも落ち着いてくると思います。そういった練習を習慣化、継続させていくことが来年度につながっていくと考えています」

――選手それぞれの仕上がりはいかがでしたか。
 「今回14人のメンバーのうち出走する12人に誰を選ぶかは、大志田さんと結構ギリギリまで迷っていました。どの選手も状態が上がっていて、今回外れた1年生2人に関しても、調整練習で動きがすごく良かったので、彼らを使ってみたいっていう思いも正直ありました。ですが今回最終的に4年生を多く選んだ理由は、やはり上級生で経験もあることと、直前の練習だけではなくて、やはり夏から継続して練習ができていたことがあります。彼らを信じて使ったことに関しては、決して判断としては間違っていなかったと思います」

――公園内の走りを振り返っていかがですか。
 「私が直接目にした18キロ過ぎのところでは余裕がなく、いっぱいいっぱいになっている選手が多かったと思います。今回は、昨年度のような特別暑いなどの特異な条件では決してなかったので、ハーフのレースを走りきる自力がまだ足りなかったと考えています」

――今後の方針はどうされる予定ですか。
 「もう一度練り直さないといけない部分はありますが、元々予定していたレースには出る予定です。前半シーズンはレースをかなり絞ってやっていた部分もあるので、秋冬シーズンは練習でやってきたことを試合でしっかり試す、試合で成果として出せるようにつなげていきたいです。そこに関しては(箱根予選に)通った、通らない関係なくやっていく必要がありますし、今回メンバー外の選手たちもメンバーに入るぐらいの力をつけていく必要があると思います。もう一度AチームだけではなくBチームの選手、上級生だけではなく1年生、ケガをしている選手も含めて、もう一度チームみんなで強くなることを目指してやっていきたいと思います」

――ありがとうございました。

[加藤菜々香]