(95)箱根駅伝予選会事後インタビュー⑫/室田安寿
第102回箱根駅伝の出場権を懸けて行われた箱根駅伝予選会(箱根予選)。やや気温が高かったものの、比較的走りやすいコンディションで行われたレースで、選手は熱い走りを見せた。しかし、明大はボーダーラインの10位に1分58秒及ばず、惜しくも2大会連続で本選への出場権を逃すという悔しい結果に。今回は、悔しさを胸に秘めた指導者と出走した12人のレース直後の声をお届けする。
第12回は室田安寿(情コミ4=宮崎日大)長距離主将のインタビューです。
(この取材は10月24日にオンラインで行われたものです)
室田
213着 1時間4分59秒
――箱根予選を振り返って感想をお願いします。
「予選突破を目指して入っていった中で12位という結果で、終わった瞬間は穴が空いた感じでした。喪失感が強くて、その後徐々に悔しさを感じました」
――気温や湿度などはいかがでしたか。
「アップしている時は涼しいと感じていましたが、スタートラインに立つと徐々に日差しが出てきて、走っている途中も日差しを感じていて汗も結構かきました」
――個人とチームの調子はいかがでしたか。
「チーム全体として仕上がってきていたと感じていました。直前の調整やメンバー選考でも調子が上がってきて『これはいけるな』という手応えを持ちながらレースに臨みました。自分に関しては、なかなかメンバー選考時点で調子が上がり切らず、エントリー時点では14番目という評価をいただいて、直前になって調子を取り戻していって、自分の出走が決まった形でした。直前まで外れる2人は大志田秀次駅伝監督も悩んでいました」
――レースプランはどのようなものでしたか。
「全体的にA設定・B設定・C設定と振り分けられていて、森下(翔太・政経4=世羅)や大湊(柊翔・情コミ3=学法石川)ならA設定、堀(颯介・商4=仙台育英)や古井(康介・政経3=浜松日体)、岩佐(太陽・商1=鳥栖工)などがB設定、残りがC設定という分け方でした。どの設定も前半は一定のペースで入って、公園内に入ってからペースを上げていく形のタイム設定でした」
――前半の走りを振り返っていかがでしたか。
「最初スタートして集団が少しずつ形成されていく中で、設定よりタイムが遅かったです。ただ変に動きすぎるのも良くないという判断で、近くに集団走をしているチームがあったので、そこをうまく利用して(レースを)進めていこうと考えていました」
――後半は気温も上がりましたが、公園内の走りはいかがでしたか。
「公園内に入ってから最初は走れていましたが、給水がうまく取れなかったこともあって徐々に脱水気味な感じで、意識もうろうとしながらも、無我夢中で前へ走っていました」
――レース後の感触を教えてください。
「自分がチーム内11位でゴールしたことで責任を感じていましたが、自分のゴールタイムは例年よりも速かったのでまだ分からないなという感想でした」
――12位という結果を受けた時の心境はいかがでしたか。
「すぐ悲しいという感情ではなくて、状況を受け入れられない感じでした」
――落選が決まった後、長距離主将としてどのように振る舞いましたか。
「チームも相当落ち込んでいたので明るく元気に振る舞うことは正直できなかったですが、どんな結果であれ悲しむ前に結果発表を受けたら礼をしようと伝えていました」
――予選突破できなかった要因は見当たりますか。
「夏にチームがまとまってきましたが、もう少し早くまとまるべきだったかなと思います。確かに夏の仕上がりは悪くなく、箱根予選前のメンバー選考も手応えを持ってやれていましたが、夏合宿入る前の4〜7月あたりの練習をどう過ごせていたのか。8〜10月だけまとまっていてもうまくいかないのかなというのが正直な感想です。夏前にチームをまとめ切れなかったのは自分の責任です」
――今後出場するレースは決まっていますか。
「目先にある大きな試合としては上尾シティハーフマラソンに数名出場するのと、MARCH対抗戦に出ます。その他各種記録会や、12月に行われる関東10マイルロードレースにも参加します」
――大学4年間を振り返っていかがでしたか。
「順調ではなかったのは正直な感想です。良いこともあれば悪いこともあって、4年目は特に苦しみました。主将としても選手としても苦しみが一番大きかった印象です。最後いい形で締められるように、2月にマラソンを走るので、そこで明大新記録を出して、10年間の競技生活を締めくくりたいと思います」
――後輩へのエールがあれば教えてください。
「伝えたいことはたくさんありますが『正しいことを正しくやる』に尽きますね。大志田さんもずっと言っていましたが、競技だけでなくて生活においても当たり前を徹底することは伝えるべきことですし、今のチームに足りないことだと思います」
――応援してくれたファンの方へメッセージをお願いします。
「明治大学体育会競走部に所属できた4年間は自分の人生の中でも大きな財産になりました。皆さんが望んだ結果を出すことはなかなかできませんでしたが、少しでも心に残るような走りができていたかなと思います。2月のマラソンで、少しでもいい結果をお届けできるように残り数カ月頑張っていきたいと思います」
――ありがとうございました。
[橋場涼斗]
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