(90)箱根駅伝予選会事後インタビュー⑦/大湊柊翔
第102回箱根駅伝の出場権を懸けて行われた箱根駅伝予選会(箱根予選)。やや気温が高かったものの、比較的走りやすいコンディションで行われたレースで、選手は熱い走りを見せた。しかし、明大はボーダーラインの10位に1分58秒及ばず、惜しくも2大会連続で本選への出場権を逃すという悔しい結果に。今回は、悔しさを胸に秘めた指導者と出走した12人のレース直後の声をお届けする。
第7回は大湊柊翔(情コミ3=学法石川)のインタビューです。
(このインタビューは10月21日にオンラインで行われたものです)
大湊
46着 1時間3分8秒
――今回の明大としての結果をどう捉えていますか。
「まず結果だけを見てみると、箱根駅伝本選には2年連続で出場することができず、悔しいという言葉だけでは収まり切らない思いがあります。応援してくださっている方々にも本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。『2年連続で箱根予選に落ちた』ということが、現実的な結果だと受け止めています。ですが今回走った選手の中で、誰かが悪かったということもないと思っています。チームの結果を見ると、自己ベストを更新している者もいますし、大崩れした選手はいませんでした。単純に他大学に力負けした、自分たちの力を出した上での負けかなと思っています」
――昨年度からスタート時間に変更がありましたが、気温や湿度などの条件はいかがでしたか。
「昨年度よりははるかに良かったと思いますが、スタートの3分前くらいに強い日差しが差してきて、気温がかなり一気に上がった感じがしたので、そういった部分では難しいレースではあったのかなと思います」
――ご自身のコンディションはいかがでしたか。
「今できる準備はしたと思っていたので、体のコンディションも良かったですし、自信を持ってスタートラインに立てました。徐々に疲労をしっかりと抜いた上でキレも出てはいたので、いつも通りを心がけて生活して、本番当日に合わせることができたかなと思います」
――レースプランはどのように考えていましたか。
「最初の15キロまでは大体3分ペースくらいで押して、後半の15キロから一気にスピードアップして、しっかり前の選手を捉えていくことを意識していました。もう少し涼しければ設定タイムも上がりましたが、自分の中で少し暑さを感じていました。そこは森下さん(翔太・政経4=世羅)と一緒のペースで、レースの状況を見て2人で、抑えたりしっかり上げたりということはやっていました」
――森下選手とはそのようなお話を事前にされていたということでしょうか。
「元々の設定が同じだったので、大体最初の5キロは森下さんが引っ張って、自分が次の5キロを引っ張って、ということはレース前から話し合っていました。そこから15キロ以降は各々で競って上げていく、という感じで(プランを)立てていました。そのプラン通りで自分と森下さんで走っていけていたかなと思います」
――ご自身の最終的なタイムについてはどのように考えていますか。
「実際に自分の考えていたレースプラン通りにはなったと思います。箱根予選のコースベストですし、ハーフマラソンの記録で見てもセカンドベストでした。ケガをしてから8カ月ぶりの復帰レースではありましたが、今できる走りはやったつもりです。欲を言えば62分台に乗せたい気持ちもありましたが、それは〝たられば〟になってしまうので。ここまでの過程、これまでの準備期間を見れば、合格点の走りかなとは思っています」
――今後のスケジュールはどのように考えていますか。
「自分としては、次はMARCH対抗戦などになってくると思います。今はトラックで、またしっかり記録を出すという流れになると思います」
――これから、どのようなチームにしていきたいと考えていますか。
「チームとして目指すところは、やはり全日本予選(全日本大学駅伝予選会)、箱根予選は必ず突破しなければならないと考えています。各々では、トラックシーズンでタイムを出すことも必要だと考えています。今の明治の状況からすれば『駅伝に集中しろ』と言われるかもしれません。ですがそのスタートラインに立つまでにも、やはりトラックの持ちタイムなどは必要になってくると思います。そういった部分で、全員が自己ベストを更新できるくらいのチームに、来年度はなっていかなければならないと思っています。チームとしての私生活の部分では、オン・オフの切り替えなどを自分も常日頃意識して生活しているので、そういった部分は徹底してやっていけたらと思います。あとは今回の結果を受けて、やはり『エース』という存在は必要になってくると感じています。それはもちろん自分も狙っていきますし、ならなければいけないと思います。ですが他にもポテンシャルを持っている選手はたくさんいるので『エースの育成』ができる、そういう選手が何人も出てくるようなチームになってくればいいのかなと考えています」
――今後への意気込みをお願いします。
「直近で言えば、まずはMARCH対抗戦の1万メートルで『明治のエース』と呼ばれるために、28分1桁、27分台に乗せる必要があるので、そこでしっかり結果を出すことを目標に据えています。そしてもう来月からは新体制になり、チームを引っ張る立場にもなります。そういった部分で自覚と覚悟を持って、自分の弱い部分を捨ててやっていきたいです。応援してくださっている方々もたくさんいるので、そういった期待にも応えたいですし、応える走りをしていきたいです。自分のため、応援してくださる人のために、しっかりと結果で恩返しできればいいなと思います」
――ありがとうございました。
[春田麻衣]
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