羽山倖生 努力の先に望む舞台

2025.10.01

 今年度、サッカー部に14人目のルーキー・羽山倖生(総合1=東急SレイエスFC U―18)が加わった。一般生で入部し「才能は限界、努力は無限」を掲げる羽山の新たなサッカー人生が幕を開ける。

ボールを追う日々
 3歳でサッカーを始め、小学校1年まで所属していた地元のクラブでフィールドを駆け回る楽しさを知った。次第に「もっと上手い人とやりたい」とよりレベルの高いサッカーを求め、クラブを変更。さらに当時は複数のクラブを掛け持ちし、ほぼ毎日練習に足を運ぶサッカー漬けの日々を過ごしていた。
 「小学校時代のクラブは、球際に強くいく海外のようなプレーが特徴。自分はボールを刈り取る守備が一番の売りなので、そこはつながっている」。当時の厳しい練習で培った攻めのプレースタイルは現在も彼の武器だ。

一般入学で明大へ
 「明治大学体育会サッカー部への入部を許可する」。今年4月15日、大学入学後に池上寿之監督から言われたこの言葉は、何よりも待ちわびていた言葉だ。それまでの努力が報われた瞬間を羽山は「自分のサッカー人生の中で本当にうれしかったことの一つ」と振り返る。しかし入部に至るまでの道のりは決して平坦なものではなかった。
 明大を強く志望するようになったのは、高校3年の4月。きっかけはサッカー部の練習に参加したことだった。日本一の大学の練習を目の当たりにし「実際に練習に参加してここで4年間やりたいという気持ちが強くなった」とすでに他大学からスポーツ推薦の内定を得ていたものの、明大への想いを捨てきれず学業と練習の両立が求められる指定校推薦での入学を決意。その後の入学前約2カ月間の練習生期間は「本当に辛い期間だった」と練習にすら参加できない日々が続いた。そんな試練の日々を過ごす中でも「最初から入部できなかったときのことは考えないようにしていた」と入部を諦める選択肢はなかった。一度決めたかなえたい夢の存在が苦しい期間を乗り越える原動力となり、グラウンド外で自主練習に励んだ。こうした努力が実を結び、ついに明大サッカー部部員としての日々がスタートした。

努力で目指す頂点
 念願の入部から約半年。トップチームでの公式戦出場の目標はまだ達成できていない。スタメン入りを果たす同期の活躍を見ると焦りを感じるときもあるが「自分は一番下からのスタート。周りのレベルに負けないようにあとはどの選手よりも頑張るだけ」と強い意志を抱いている。幼少期から描き続けてきた『世界で戦えるプロサッカー選手になる』という夢に向け、誰よりも努力することを誓った羽山は、情熱とともに翔ける。

[吉㟢帆奏]

◆羽山 倖生(はやま・こうき)総合1、東京都出身、東急SレイエスFC U―18 。普段は一般生の寮で暮らしているため、練習後の同期とのミーティングが楽しみの時間。180センチ・70キロ

(※写真は本人提供)