(66)菅平合宿インタビュー②/井上史琉、石堂壮真

2025.10.01

 今年度も長野・菅平にて長距離部門の合宿が行われた。昨年度の箱根駅伝予選会(箱根予選)の雪辱を果たすため、チーム一丸となって練習に励む選手たち。勝負のシーズンを目前に、覚悟を新たにした彼らの声をお届けする。

 第2回は井上史琉(政経2=世羅)、石堂壮真(政経3=世羅)のインタビューです。(この取材は9月14日に行われたものです)

井上
――これまでの合宿を振り返っていかがでしたか。
 「北海道の合宿は足に不安がある中で、調子もあまり良くなくて、練習は継続することはできていたのですが、あまり良くできた合宿とは言えない合宿でした。北海道合宿が終わって1週間くらい休養をとってから、菅平合宿に来て足の痛みや違和感みたいなのもだいぶ減ってきて、調子も徐々に上がってきました。予選会はいい状態で走れるかなと思います」

――足の不安とは具体的に何ですか。
 「ケガではないですが、股関節に不安があって、トレーナーさんの治療などをたくさんやっていただいて合宿中はなんとか練習を継続していました」

――この合宿を通して強化した点を教えてください。
 「前半シーズンで自分はスピード強化を意識してやってきました。そのスピード強化に関してはうまくいったのですが、その分距離をなかなか踏めていなかったので、予選会は20キロハーフですし、そこの足作りのためにもこの合宿はしっかり土台を作るために、ジョグや距離走を意識してやってきました」

――監督方とのコミュニケーションは取れていますか。
 「足の状態に関してのコミュニケーションを練習前後で取ったり『練習メニューに不安があればすぐ変えていいから』と腰や足の状態に合わせられて、一人一人に向き合ってくださっているなと思います」

――シーズン前半振り返っていかがでしたか。
 「スピード強化を意識してやってきて、その成果として1万メートルの自己ベストを何回か更新でき、シーズン最後に出た1500メートルも思っていたよりもよく走れました。スピード強化を目標にしていたのが、うまくいきました」

――今のご自身のチームでの立ち位置をどのように捉えていますか。
 「今シーズンは堀さん(颯介・商3=仙台育英)が一番速くて、自分が2番目のタイムを出しているのですが、堀さんたちの代がいなくなったら、今主力の人が多くいなくなります。自分がエースの立場に立っていかないといけないと思うので、今は全然その立場ではないですが、少しでも早くエースと呼んでもらえるような選手になりたいと思います」

―― 2年生になり、後輩ができて変わったところはありますか。
 「後輩もすごく強くて、練習でも引っ張ってくれたりすることはあるので、やはり後輩に負けられないという気持ちは、2年生になって感じるようになりました」

――今のチームの雰囲気はいかがですか。
 「練習の消化率は、あまりいい状況とは言えないと思っています。ただケガ人は、昨年度よりもすごく減ってきていて、箱根予選までには今いるメンバーで最大限の力を出せるメンバーが組めるんじゃないかなと思います」

――競走部の動画内で、射場雄太朗コーチのインタビューの際、期待する選手として名前が挙がりました。
 「期待する選手と言ってもらえるのはすごくうれしいです。その分、予選会では結果で引っ張っていける選手になれるように頑張ります」

――箱根予選での目標を教えてください。
 「一番は箱根予選突破が今の目標です。一人が良くてもダメだと思うので、チーム全員でしっかり粘り強く走ります」

 ――最後に今後の意気込みをお願いします。
 「明大のエースになれるように頑張ります」

――ありがとうございました。

石堂
――全日本大学駅伝予選会(全日本予選)後から夏合宿までは、どのように過ごしていましたか。
 「全日本予選の直後に仙骨を疲労骨折して、1カ月ぐらい走れませんでした。大志田さん(大志田秀次駅伝監督)の立てたリハビリメニューなどをこなしながら、7月の中旬ぐらいから立ち上げて練習再開するようにしました。8月の合宿に入ってから本格的に練習始めて、今は順調に、ケガもなく練習はできています」

――この夏合宿シーズンは、どのような目標を持って迎えましたか。
 「過去2年間の合宿では体調不良や故障で継続があまりできず、予選会もその影響でまだ走れませんでした。そのため今年度の合宿の目標は『継続する』ことを第一に考えています。1、2年目は余裕がない中、プラスでやってしまったりもしていましたが、今年度の最初の方は、余裕を持って練習を終わるようにしていました。紋別に合流してからポイント練習の質が上がってきたので、そこからはケアや補強をしっかりして、練習に取り組むようにしています」

――練習の消化率はいかがですか。
 「8月は完全に消化したとは言えませんが、Aチームの練習にもしっかり参加できています。離れてしまうこともありましたが、最後までしっかり食らいついて練習はできています。今の段階では完全にこなせているとは言えませんが、過去と比較すると練習できている方かと思います」

――疲労の蓄積具合はいかがですか。
 「思ったより紋別合宿での疲労があまり抜けていなくて、自分の中でそこが原因で少しうまく走れていないと感じています。ですが、菅平合宿は疲労がある中でも、うまく工夫をして疲労をとりながら、最後まで練習を消化していきたいです」

――合宿のメニューは、昨年度と比較してどのような点が変わったと感じていますか。
 「ポイントの設定、質がかなり高いかなと感じています。過去も低かったわけではありませんが、より実践的なメニューが多いと感じています。ハーフマラソンに向けての長いインターバルなどを、かなり取り入れていることが印象的です」

――昨年度と比較して成長を実感できる部分はありますか。
 「やはり距離走の消化率です。昨年度よりも余裕を持って終われたり、30キロに対しての耐性が昨年度よりは上がったのかなと思っていて、それをうまくハーフでの結果につなげていければな、と考えています」

――4年生の姿はどのようにご覧になっていますか。
 「下級生の時から箱根予選、箱根駅伝を経験している先輩が多くいるので、やはり練習に対する姿勢などで見習わないといけない部分があると感じています」

――1、2年生はどのような印象ですか。
 「2年生も1年生も、ストイックな子が多いなというのは印象的です。1年生はジョグなどの練習で、しっかり距離を踏む子が多い印象があります。2年生は練習に対する準備とかも結構しっかりしている印象はあります」

――以前からの取材の中で、3年生の皆さんの仲の良さが印象に残っています。やはり同級生の存在からいい刺激をもらえていますか。
 「僕たち3年生は、自分で言うのも何なんですけど(笑)。結構仲のいい学年だなとは思っています。辛い時、故障などで気分が落ちたりする時とかは、一緒にいると自然と笑顔になれるというか、励まし合える存在だと思っています。これからも切磋琢磨(せっさたくま)し合って、結果を求めて頑張っていきたいなと思います」

――箱根予選に出走すると、『M』を背負う公式戦への出走が2回目となります。どのような走りをしたいと考えていますか。
 「全日本予選の時はチームの流れを止めるような走りをしてしまったので『チームの中でも上位でゴールしないといけない』という気持ちは強いです。今回は絶対に落とせない、絶対に勝たないといけない試合なので、より集中して取り組んでいきたいなと思っています」

――ここからのシーズンで、考えている目標を教えてください。
 「箱根予選はチーム上位でゴール、63分台はマストだと思っているので、絶対そこではゴールしようと思っています。個人(の目標)もありますが、やはりチーム全体でよりレベルを上げて、まとまってゴールできるように頑張りたいなと思っています。個人的には1万メートルで28分40秒を出したいと思っていて、MARCH対抗戦で狙おうと思っているので、そこに向けてしっかりトラックの練習もしていきたいなと思います」

――ありがとうございました。

[熊谷実夏、春田麻衣]