山岸俊太郎 明大馬術に新しい風を吹かせられるか

2025.09.24

 名門・明大馬術部に全日本ジュニア総合馬術大会で優勝を果たした山岸俊太郎(営1=関東国際)が入部した。選手のコンディションだけでなく、馬の体調や相性によって大会の成績が左右されるシビアな競技である総合馬術で、実力派ルーキーが全日本制覇に挑む。

馬術人生の始まり
 父や祖父の影響を受け、乗馬を始めたのは小学生の時。この頃はまだ、遊び半分だった。「高校に入ってからは競技に参加するようになり(試合で)勝てるような練習をするようになった」と語った山岸。高校在籍時に所属していた八王子乗馬俱楽部で出会ったアップトゥーユー・Mとともに、馬術の強豪で総合馬術に積極的な明大に進んだ。

逆境に立ち向かう
 
「いろいろな馬と触れ合った経験値で乗り方の正解を見つけていく。そのため、トップ層の選手年齢が高い」とルーキーには厳しい環境ではある馬術。しかし「やはり動物と一緒に活動することが魅力だと思う。気持ちが常に一定ではないし、簡単なことではないが、その分いい状態にしてあげたら成績も結果も良くなる」と、扱いが難しいからこその魅力を語った。
 そんな山岸の得意な種目はクロスカントリー。馬術が好きになったきっかけであり、今もこの種目が最も好きだと語る。一方、苦手とする種目は障害馬術だ。馬の前のめりな姿勢と合わせてのコントロールが難しいため「馬に気持ち良く、障害を飛ばせてあげること」を課題に挙げている。

追い求める最高点
 
6月に行われた関東学生賞典の団体では自身と馬が不調で実力を発揮出来ずに終わったが、馬場では3位通過とルーキーながら健闘した。「いい結果とはいえなかったが、その分課題を見つけた。その課題を解決している途中であり、全日本に向けて調整している」。勝つことだけが全てではないと言った山岸は、今年度の目標として挙げている全日本学生の総合馬術での入賞に向けてすでに動き出している。さらにそれだけではなく、さらに遠くの目標も見ている。それは、総合馬術で優勝すること。「4年間のうちに1回は優勝できればうれしい。明大の名に恥じない結果を出したい」と意気込みを語った。憧れの人は高校生の時に指導してくれていた篠原正紀選手(八王子乗馬俱楽部)。目標に向かって走る姿に期待せずにはいられない。

[ウエスト宙]

◆山岸 俊太郎(やまぎし・しゅんたろう)東京都出身、関東国際高。大学生になってから、試合前に生田キャンパスにある明豊家というラーメン屋に行って気持ちを整えている。169センチ・60キロ