見竹怜 強者となるために

2025.09.20

 高校でウインターカップ優勝という輝かしい実績を残した見竹怜(政経1=福岡大大濠)が明大にやってきた。ポジションのスモールフォワードは攻守で高い能力を示すオールラウンダーの役割が求められる。持ち前の高い能力とリーダーシップでこの男が〝強い明治〟をつくる。

成長与えた試練
 親や兄の影響で自然と始めたバスケットボール。幼少期から身長に恵まれ、試合に出場する機会を得た。小学3年時に「もっと試合に出たい」という気持ちが芽生え、本格的にバスケットボールに打ち込むきっかけに。高校では全国屈指の強豪・福岡大大濠高に進学した。「中学まではずっと試合に出ていたけど、(高校)1年生の頃は全然出られなかった」。全国レベルの強豪に進学し初めて直面した壁は、プレーだけでなく気持ちの面でも大きな試練となった。「今思うといい経験だったけれど、何も分からなくて本当にきつかった」。苦しい1年を経て、2年生からは徐々に出場機会をつかむ。やがてその経験が「後輩に声をかけたり、仲間を支えたり」という自身のプレーへとつながっていった。

心磨き技を鍛え
 高校3年生の秋にはチームキャプテンに就任した。「チームとして練習がうまくいかない時期があった」。すでに湧川裕斗(政経1=福岡大大濠)がキャプテンとしていたが、アシスタントコーチからダブルキャプテン〟の提案を受け、チームを束ねる役割に挑んだ。「自分は練習をまとめて、試合は裕斗に任せて」。スターティングメンバーではなかったからこそ、試合では声かけやディフェンスなど、陰ながらチームを支えた。ウインターカップまで2カ月弱の短い期間だったがチームをまとめ上げ、日本一へと導いた。そして春、明大へ湧川とともに入学。「自分が(進学先を)明大に決めた時は裕斗がくることは知らなかった」。大学進学にあたってこだわったのは文武両道だった。「バスケットボールも大事だが、勉強の部分も大事だと思った」と話す。

強者は吠えない
 座右の銘は「強者は吠えない」。強い者こそ余裕を持ち、常に冷静にゲームを組み立てていく。「高校の先輩だった鍋田憲伸(法大)さんが言っていて自分にすごく響いた」。苦悩を糧にして勝利をつかんできた見竹。強者としてこれからの明大を支える柱となるだろう。

[川瀬吾一]

◆見竹 怜(みたけ・れん)政経1、福岡大大濠高。基本インドア派で、寮ではユーチューブや映画を見ている。187センチ・79キロ