碇谷隼人 目指すは唯一無二のFW

2025.09.20

 —14やU—16日本代表への選出や、高校3年時にはインターハイで悲願の優勝を成し遂げるなど輝かしい成績を収めてきた碇谷隼人(政経1=駒大苫小牧)。彼が自分の武器を磨き続けるのは明大で唯一無二のFWになるため。期待のルーキーが明大アイスホッケー部で奮闘する。

信じ続けた日々
 「祖父のようなFWになりたい」。競技経験者の祖父に憧れ、小学1年時からアイスホッケーを始めた碇谷。彼の地元にはいつでもアイスホッケーをできる環境が整っていた。スケートリンクに行けば、仲間であり、ライバルでもある同級生の存在が彼を強くし、さらなる高みへと導いてきた。「小柄な体格で何ができるか考えてきた。スピードとシュート力には自信がある」と語るように169センチと小柄ながら、小さい頃から自分の武器を確立し、中学時代にはU14、U16の日本代表に選出された。しかし、高校時代には自分の納得のいくプレーが思うようにできず、幾つもの壁にぶつかる日々を過ごす。「挫折やスランプを自分でどう乗り越えていくかを考えないとこの先上にはいけないと思い、常日頃から向き合ってきた」。自分を冷静に見つめ、アイスホッケーに注いできた努力とそのひたむきな姿勢が彼の何よりの原動力であった。そして、高校3年時に有終の美を飾る形でインターハイ優勝を成し遂げる。

追い続ける存在
 高校生の時に抱いた、二つの目標をかなえるため明大への進学を決意した。それは、プロになることと憧れの選手とプレーすること。その憧れの選手は、自分と同じポジションの井口藍仁(商4=埼玉栄)だ。碇谷は小学生の頃に井口の存在を知って以来、いつか一緒にプレーしたいという思いを抱くようになった。「井口さんのスティックさばきや判断力の速さは誰も持ち合わせていないものだと思う」。憧れの選手とプレーする日々で刺激を受け、より自分の武器に磨きをかけている。「高校の時とは違い、巧みなパス回しに苦戦しているが、自分の武器も生かしつつ順応していきたい」と、ゴールに絡む得点力を強化し、明大のポイントゲッターになるための挑戦を誓う。

さらなる高みへ
 碇谷の向上心の矢はアイスホッケーだけでなく、大学生活にも向いていた。それは、教職課程の取得と海外挑戦への夢だ。「教職課程を取って、選択肢を広げたいし、中学生の頃に芽生えたアイスホッケーの本場、海外で学ぶこともしてみたい」。大学4年間を充実したものにするため、プロへの道に進むため、努力を惜しまない彼は明大で学問とアイスホッケーの両立を目指す。

[吉澤真穂]

碇谷 隼人(いかりや・はやと)政経1、駒大苫小牧高。誕生日は、同部屋で憧れの先輩である井口にケーキでお祝いしてもらった。169センチ・69キロ

(※写真は本人提供)