
(8)シーズン直前インタビュー 元榮愛子
いよいよ本格的なシーズンが始まる。明大の新戦力として氷上に立つ選手もいれば、今季が節目のシーズンとなる選手もいる。4年に一度の五輪シーズンを迎え、リンクにはいつにも増して緊張感が漂う。新しいシーズンを前に、彼らは何を思うのか。本インタビューでは、その胸の内をお届けする。
(この取材は9月16日に行われたものです)
第6回は元榮愛子(商3=目黒日大)のインタビューです。
――夏休みはどのように過ごしていましたか。
「ほとんど練習していたのとたくさん寝ました(寝るのは好きなのですか。)もう暇さえあったらいっぱい寝ています(笑)」
――練習は具体的にどのような練習をされていたのですか。
「合宿も行ったし、曲を変えたので、曲かけの練習をしました。靴を変えた時にあまりうまくいかなくて、調整をしたりしていたんですけど、感覚が狂っちゃってジャンプはあまりうまく練習できませんでした」
――合宿では印象に残っている出来事はありますか。
「今年はすごく人数が多くて、すごく賑やかで。初めてバーベキューをして、この3年の中でも結構新鮮な感じで楽しかったです」
――バーベキューはいかがでしたか。
「おっきいお肉が鉄板の上に乗っていたりして、めちゃくちゃ面白かったです。(他に合宿で遊びはしましたか。)またトランプをやりました」
――今年のルーキーの印象を教えてください。
「友莉菜ちゃん(奥野・商1=駒場学園)はおしゃべりもしてくれてすごく優しいし、めちゃくちゃしっかりしていて。スケートも本当にすごいし、尊敬するかわいい後輩ちゃんです。男の子2人は今まであまり関わったことがなかったんですけど、すごく元気だし、優しいし、たくさん練習していて偉いなと思って見ていました」
――奥野選手のスケートは、元榮選手から見て、どういったところがすごいと感じましたか。
「全部すごいけど、スケーティングがめちゃくちゃきれいだし、表現力も本当にすごい。本当にすごく好きで、あとジャンプもスピンもめちゃくちゃきれいだし、全体的に本当にすてきだなと思って見ています」
――合宿での練習で刺激を受けた選手はいらっしゃいますか。
「みんなすごかったんですけど、やっぱり4年生はみんな頑張っていました。疲れている時でもずっと動いていたし、ジャンプもいっぱい跳んだりしていたのとか。みんな疲れているはずだけど全力で練習していたので、すごく刺激を受けました」
――先ほど靴を変えたというお話がありましたが、それはいつごろですか。
「夏の最初ぐらいに変えたんですけど、うまくいかなくて。ちょっと長引いちゃったというか。(今はうまく合わせられていますか。)今もずっと合わなくて、もうまずいという感じなんですけど、頑張って合わせれるようにとりあえず試合で頑張れるようにはしたいなと思っています」
――プログラムを変えたというお話がありましたが、SP(ショートプログラム)曲名を教えてください。
「曲名は『光る君へ』というドラマの曲です」
――選曲した理由はそのドラマ見ていたからという感じでしょうか。
「すごくすてきなドラマだったし、曲もすごくすてきだなと思って、使いたいなと思いました」
――ドラマがすてきだと感じたポイントがあれば教えてください。
「(ドラマに)出てくる登場人物の方々がすごくすてきで、強くもありみたいな女の人で。そういうのいいなと思って、グッときた、感動をしました。結構(ドラマが)長かったので、いろんな場面があったけれど1年を通してたくさん感動をしました」
――どのような衣装にしましたか。
「水色みたいな感じです。(気に入っているポイントはありますか。)大河ドラマを去年1年見ていたんですけど、その登場人物の好きな色の着物なんですけど、その着物を着ている写真を衣装さんに見せて、その感じをイメージして作ってもらったところがお気に入りポイントかなと思います」
――振り付けで気に入っているところはありますか。
「今回は初めての先生に振り付けてもらったので、自分的に新しい動きがいっぱいあったので難しかったです。最初いきなりスパイラルをするところが結構新鮮な感じがして気に入っているかもしれないです」
――逆に苦戦した点はありますか。
「今までしてこなかった動きとか、ステップがいっぱいあって。ずっとこけそうになっちゃっているのが、結構大変で苦戦したなと思います」
――どのようなところを見てほしいですか。
「曲が基本ゆったりしているけどちょっと速くなるところもあるので、そこを表現できるようにと、振り付けの先生もおっしゃっていました。そういうところを意識してできるように頑張りたいなと思います」
――関東学生有志大会でSPを初披露されていたと思いますが、振り返ってみていかがですか。
「あの時はつなぎの部分でガタついたりしちゃって焦りました。前のプログラムよりもステップが多かったり、詰まっている感じがあるので、実際に試合でやってみると体力的にも大変だったなと思います」
――収穫はありましたか。
「ステップはまだこけないようにするのが精いっぱいで、レベルがちゃんと取れていなかったりとか、スピンも取りこぼしちゃったりしていたので、そこを直そうと思えたのが収穫だったのかなと思います」
――その後、関東サマートロフィーに出場していましたがSPを振り返っていかがでしたか。
「サマートロフィーはジャンプやエレメンツ的には有志大会の方が良かったりしたんですけど、プログラム全体的には少し慣れてきたのかなとは思いました」
――サマートロフィーではリリーカップ以来のFS(フリースケーティング)実戦だったと思いますが、成長は感じましたか。
「リリーカップの方が良かった感じになってしまって。練習からボロボロな感じをそのまま試合でも披露してしまったんですけど、プログラム的には作ってから時間も経ったし、少し直したりもしたので、振りがちょっとだけなじんできたかなとは思いました」
――プログラムを直したというのは、どの部分ですか。
「リリーカップの時から比べると出だしの振り付けも変わったりとか、つなぎとかステップも変わった感じです」
――FSの見てほしいところを改めて教えてください。
「あまりうまくはできていないんですけど、最初は静かな感じで滑っているところを、最後のところは強くできるように頑張りたいなと思っています。まだ全然できてないんですけど、そこかなと思います」
――東京夏季大会はSP、FSそれぞれ振り返っていかがですか。
「SPはサマートロフィーと同じようなことをしてしまって、ルッツをパンクしてしまいました。でもレイバックスピンで初めてレベル4を取れたのが、ちょっとだけ成長していたのかなと思って。そこだけは良かったのかなと思っています。FSに進めると思っていなくて、進めたのがまず良かったことなんですけど、FSはジャンプはボロボロな感じになってしまって。でも全部ボロボロになった中でも、それ以外のところはそこまで汚くならずに最後まで滑れたかなと思うので、そこは良かったのかなと思います」
――東京夏季大会は明大の女子選手、皆さんが出場されていたと思うんですけど、雰囲気はいかがでしたか。
「明治の女子も確か全員FSに進めて。でも時間がバラバラだったりして、あまりみんなで会えなかったです。有志大会の時はみんなで集まって写真撮ったりとか、やっぱり明治はみんな仲良しだなと思います」
――靴の影響もあると思いますが、ジャンプの練習状況としては今はどのような感じですか。
「今ちょっと感覚が狂ってしまっていて、練習に毎日行けば行くほど訳が分からなくなってしまっていて。ちょっとまずい状況なんですけど、とりあえず元に戻せるように練習している状況ではあります」
――前回インタビューした時はループやトーループの練習にも力を入れていると仰っていましたが、その二つは今練習状況としてはいかがですか。
「全然やっていないです。夏最初ぐらいまではわりと練習して良くなってきたかなと思っていたんですけど、ここ最近はやっぱり曲に入っているジャンプが、ボロボロになってしまっているので。トーループは少しやっていて、でも今は曲に入れられるほどにはできなかったのがすごく悔しいなと思います。(焦りはありますか。)結構焦ってはいていろんなことを試したけれど、自分が(靴に)合わせていけないのがダメだなと思うので、頑張りたいです」
――靴が合わなくなってしまってジャンプの感覚がずれてしまったというのは、これまでで今が一番深刻でしょうか。
「シーズンオフとかに、がっつりなっている時はあったんですけど、シーズン始まってからなってしまったので深刻だなと思います」
――改めて今シーズンの目標を教えてください。
「去年の今の時期よりも全然進歩した状態でシーズンを迎えられなかったのが少しダメだなと思うんですけど、また去年みたいにブロックのSPを通過して、ブロック通過できるようにまず頑張って。その後も調子を上げていけるように頑張りたいなと思います」
――具体的にどのようにシーズンを通してステップアップしていきたいですか。
「たくさん試合があったら、進めるように頑張りたいっていうのがあるんですけど、やっぱり今調子がめちゃくちゃ良くないなという感じをちょっとずつ脱出できていったら。少しずつ上がっていったらうれしいなと思います」
――東京選手権はSP、FS、それぞれ目標の点数はございますか。
「点数はあまり分からないけれど、今シーズン出している点数を超えられるようにSPもFSも頑張りたいなと思います」
――最後にファンの方へメッセージをお願いいたします。
「今シーズンできる限り試合に出て頑張りたいです。よろしくお願いします」
――ありがとうございました。
[堀口心遥]
(※写真は本人提供)
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