(57)秋季リーグ戦開幕前インタビュー 戸塚俊美監督

2025.09.19

(この取材は9月3日に行われました)

――夏のキャンプで重視した点を教えてください。
 「スイングの量はいつも普段より多くしながら、オープン戦も入っていましたので、実戦ですよね。7月いっぱいまでは試験の関係もあって十分な練習が取れなかったんですが、キャンプから丸1日練習できるようになったので、バッティング量、スイング量を増やして、あとはノックの本数増やしながら、ちょっと実戦に近い形でね、ゲーム形式のノックとか入れてオープン戦をやってきたという感じですね」

――昨季見つかった課題を教えてください。
 「伊藤樹くんを持てなかった、この一言かなと思います。彼1人にやられてるような感じでしたので。また、負けた試合は先取点を奪われているんですね、初回に3点とか4点とか。優勝決定戦も毛利が4点取られて、なんとか追いついたりしたしたんですけど、やっぱり先制点を取られるっていうのが一つあります。もちろんいつもとにかく先取点を取ろうと取り組んでいるんですが、なかなかそうはいかずに、やっぱりピッチャーの立ち上がりを攻め込まれて、2点、3点、4点取られて負けてしまったと。勝てば優勝だった試合は何個かあったと思うんですが、全部先に点を取られて追っかける立場になってしまった。ピッチャーだけの責任ではありませんが、ピッチャーの準備っていうかね、試合の入り方っていうのはしっかりやっていこうという、そんな話は秋に向けてしています」

――伊藤樹投手対策は何か考えていらっしゃいますか。
 「とにかく低めに丁寧に、ちょっと曲がる変化球とかが多く、ストレートも150キロぐらいで攻めてきますので。ファーストストライクから打ちに行くのはいいんですけど、強いスイングでしっかり相手を怖がらせるぐらいのスイングをしていかないと、彼の思うつぼにはまってしまいます。これは去年からの課題ですね。なかなかいいピッチャーはそう簡単には打てないですけど。伊藤くんからそんな点は取れないとは思っているので、そういう面では、やはり先取点を与えてしまうと、ちょっときついなと思います」

――ここからはチーム編成について伺います。野手では宮田知弥内野手(商4=横浜)が一塁を務めています。
 「ちょっと肘の故障がありました。本人はもう大丈夫ですと言っていますが、肘の不安があるとやはりスローイングが悪くなることもあるので、投げる負担の少ないファーストを今は中心にやらせています。じゃあファーストを誰がやるか、内海(優太外野手・商3=広陵)とか今井(英寿外野手・政経4=松商学園)を考えていましたが、内海は腰の腰痛でリタイアしていますし、今井はファーストの守備が多少不安なところもあるので。だったら、宮田はファーストに持ってきてサードは友納周哉(内野手・文3=福岡大大濠)とかですね。あとは八谷晟歩(内野手・政経3=浦和学院)など3年生のいい選手がいますので、守備という面ではそっちの方が安定感あるかなって感じです」

――打撃の調子が良い選手はいらっしゃいますか。
 「セカンドの岡田啓吾(内野手・商3=前橋育英)が非常にいい感じで来ていますね。試合も多く使っていて、とにかく実戦の経験を多く積ませてやろうと思ってます。非常に足のある選手なので、やっぱり彼1人加わることによって機動力も大幅にアップします。ただ一方で、キャプテンの木本(圭一主将・政経4=桐蔭学園)もセカンドにいるので…嬉しい悩みじゃないですけど、今見定めているところです」

――髙須大雅投手(法4=静岡)、大川慈英投手(国際4=常総学院)、久野悠斗投手(商4=報徳学園)の状態はいかがですか。
 「高須は夏のキャンプから戻ってくるまでは非常に良くブルペンでも、3年生の時の高須のような投球でした。このまま行けばいいかなと思っていましたが、ちょっと肩に違和感があるということで、8月の中旬ぐらいですかね、1週間ぐらいノースローにしました。今はまたブルペンで全力で投げられる状態になってきています。大川は、秋は難しいかなと思ってたぐらいなんですが、手術から3カ月過ぎ、シートバッティングとかも投げて、実戦感覚も養いながら仕上げています。春と同じように後ろの1イニング、2イニング任せられる状態にはなっているかなと。思ったより早く復帰してくれて非常にうれしく思ってますね。久野は投げれるだけでも本人にとって非常にうれしいことなのでしょうけど、いい時の久野に比べたら、ストレートの走りもまだ足りないと思いますし、本人もその辺の歯痒さを感じていると思います。でもやっぱり経験も豊富ですから、短いイニングならきっちり抑えてくれるかなと思っています」

――先発投手の構想について教えてください。
 「土曜日は毛利(海大投手・4=福岡大大濠)でほぼほぼ完投してくれたら1番いいかな。日曜日は現時点ではまだ本当に確定できてないので、候補的には髙須、松本直(投手・情コミ3=鎌倉学園)とか、2年生の大室亮満(投手・文2=高松商業)です。あと1年生で山口瑛太(投手・政経1=創志学園)ってのがなかなかいいピッチャーで、テンポもよく、ストライクからしっかり入れるピッチャーなんです。大抜てきじゃないですけど、もしかしたらあり得るかもしれないですね」

――中継ぎ、抑えについてはいかがでしょうか。
 「大川には最後の1イニングは絶対的に抑えてくれたらありがたいなと。そんなにイニングを引っ張らないように考えてますので、例えば9回を大川という状態になれば、7回、8回をどうするか。松本とか大室とか、その辺が先発しない時には後ろに回ってこの2回ぐらいを抑えてくれたらという風に思っています。日曜日の先発は誰にしろ、そんな長いイニングは多分難しいと思うので、どうしても継投にはなりそうです」

――打順の構想を教えてください。
 「秋に向けてはオープン戦で、色々試しながらやっています。榊原七斗(外野手・情コミ3=報徳学園)をやはり1番にして、宮田がだいぶ調子が良いものですから3番、5番ぐらい。4番はもう小島(大河捕手・政経4=東海大相模)で行こうかなと思ってるんですけど、あとはそうですね、さっき言った岡田にしろ木本にしろ、チャンスの多くなる6、7番で、光弘(帆高内野手・商3=履正社)がやはり5、6番。春とあまり変わらないと思います」

――長いリーグ戦を戦うにあたり、大切なことは何だと思いますか。
 「粘りです。明治大学伝統の粘りです。粘るためには体力も必要ですし、当然気持ちも技術も必要になってくる。やっぱり球に食らいついていく、それが1番大事なんじゃないかなと思いますね。気持ちもそうですし、技術的にはね、やっぱり球際に強くとか、ファールで粘って粘ってフォアボール取るとかね。そういう粘りの積み重ねが結局チームの粘りになって、終盤の大逆転とか、そう生まれていくんじゃないかなと思っています」

――最後にファンの方々へメッセージをお願いいたします。
 「春は本当に悔しい思いをしましたし、昨年もね、早稲田にやられっぱなしでした。当然他の5大学は全てライバルで倒さなくてはいけないんですけど、特に早稲田にはやられっぱなしになってますので、なんとしても早稲田から勝ち点を取って優勝するということを目標に頑張っていきますので、応援をよろしくお願いします」

――ありがとうございました。

[橘里多]