
(5)シーズン直前インタビュー 磯和大智
いよいよ本格的なシーズンが始まる。明大の新戦力として氷上に立つ選手もいれば、今季で現役生活に区切りをつける選手もいる。4年に一度の五輪シーズンを迎え、リンクにはいつにも増して緊張感が漂う。新しいシーズンを前に、彼らは何を思うのか。本インタビューでは、その胸の内をお届けする。
(この取材は9月13日に行われたものです)
第3回は磯和大智(営1=京都両洋)のインタビューです。
――大学生活はいかがですか。
「ものすごく楽しいですね。もともと高校まであまり勉強してこなかったので、少し勉強面で心配があったんですけど、思ったより勉強が楽しくて。文武両道じゃないですけど、勉強の方に少し力が入ってしまったかなという感じです」
――具体的にどんな勉強が楽しいですか。
「簿記の授業の先生がすごくいい人で、その授業が楽しくて、簿記の資格を取ろうと思い、6月から(勉強を)始めました。一応2級までは取って、今は1級の勉強をしています」
――明大スケート部での活動はいかがですか。
「2週間前くらいまで合宿があったんですけど、本当に学年関係なくみんな仲良くて。でも練習は本当にレベルの高い選手が集まっているので、練習と練習以外の場での空気が違っていて合宿に行って自分は危機感を覚えました」
――今シーズンからシニアに転向されたと思うんですけど、ジュニアとどんな違いを見せたいですか。
「今ケガをしているということもあって、スケーティングを強化しているので、そのスケーティングの部分を強化して見せていければなと思っています」
――SP(ショートプログラム)が継続(『INSANE』)だと伺ったのですが、継続した理由を教えてください。
「もともと僕が曲を変えるのが大体2年周期で。それでちょうど昨シーズン作って、今シーズン2年目というのと、あとは曲が好きというその二つの理由です」
――S Pの曲は好きな曲調ですか。
「ショートの曲はアメリカのアニメの曲で、どちらかといえば曲調が好きというよりかはアニメそのものが好きです」
――継続に際してブラッシュアップした部分はありますか。
「振り付けというよりかは、スピンのレベルの部分です。本当に僕自身スピンのレベルがあまり取れてないことが多くて、今シーズンは三つのスピンを全てレベル4に揃えて構成することができたので、それを発揮できればなと思っています」
――FS(フリースケーティング)ではどのような表現をしたいですか。
「フリーの曲はバイキングの曲になるので、海賊の動きを大きく見せたいです。あとは曲の最後がステップになるので、そのステップを全身で曲を表現して踊れたらなと思っています」
――プログラムの中でお気に入りの部分はありますか。
「フリーのステップの部分がお気に入りですね。僕自身今まで上半身を動かして演技するということがなかったんですけど、チームを移籍して振り付けを宮本賢二先生にしてもらった時に、初めて上半身を使うということを学びました。最初はきつかったですが、それがだんだんできるようになってきて今ではその部分が一番好きです」
――これまで2試合出場された中で得られた成果や課題はありましたか。
「成果は特になかったです。課題は本当に体力をつけること、その一点だと思います。言い訳にはなってしまうんですけど、シーズンオフに勉強ばかりしていてあまり滑っていなかったということも(原因として)あります。今はスタミナを増やすトレーニングをずっとしています」
――練習はどのくらいの頻度でされていますか。
「今は試合前ということもあり、週5、6でやっているんですけど、シーズンオフ中は本当に週1とか週2でしか滑っていなかったです」
――4回転トーループやトリプルアクセルなどの高難度ジャンプの調子はいかがですか。
「4回転トーループに関しては特に良くもなく悪くもなくという感じですが、トリプルアクセルはあまり調子が良くないです。試合まであと1週間あるので、それまでに戻せたらなと思っています」
――来週の東京選手権で、その2つのジャンプは構成に入れられる予定はありますか。
「現時点ではショートプログラムではアクセルを1本、フリープログラムではトーループ2本とアクセル1本の構成で組んでいますが、やはりその日の調子や朝の練習次第という感じです」
――プログラムの中で、様々な要素がある中で一番大切にしている要素を教えてください。
「ジャンプです。スピンにも言えることではありますが、まずジャンプを降りないと点数にならないので。ジャンプの場合転んでしまった時点で点数が半分以下になってしまうので、やはりジャンプが一番大事な要素なのではないかなと思います」
――東京選手権に向けて残り1週間でどんな練習をしていきたいですか。
「まずはアクセルを戻すことと、フリーを滑り切る体力をつけることの二つです。あとは先程も挙げたようにスピンを全部レベル4構成にしたので、それを安定していかにできるようにするかということに重きを置いてあと1週間練習したいと思います」
――東京選手権での順位や点数などの具体的な目標はありますか。
「順位についてはシニアで、大きい試合に出るのが初めてなので他の選手のレベルがあまりよくわかっていないのですが、点数は170点から180点を出したいと思っています」
――今シーズンの目標を教えてください。
「全日本選手権に出場することです」
――ありがとうございました。
[吉㟢帆奏]
(写真は本人提供)
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