
(53)秋季リーグ戦開幕前インタビュー 大川慈英投手
(この取材は9月16日、電話にて行われました)
大川慈英投手(国際4=常総学院)
――これまでの大学生活「絶望しかない」と仰っていましたが、春季リーグ戦中にも、ケガにより離脱を余儀なくされました。現在の心境はいかがですか。
「ブログは心のままに書いたので、本当に今のところ絶望しかないですね。ですが『終わり良ければすべて良し』というか、最後にはしっかりと満足して、大学野球やって良かったなと思って終われるように今はポジティブな気持ちで、最後勝負したいと思っています」
――大学生活は辛い期間も長かったと思います。メンタル面の強さなど培われたと感じるものはございますか。
「ケガもそうですし打たれた後もそうなんですが、メンタル的には一度『落ちるところまで落ちたな』というところから毎回スタートして成長できているので。そういう面では諦めないというか、最後までやり切ろうというメンタルは本当に強くなったと思います」
――現在はまだオープン戦でも登板機会が少ないように見受けられますが、現在の状況はいかがでしょうか。
「やはり練習試合であったりスタートが遅れた分、コンディション調整というか、そういった面では春ほどしっかりできている感じはないですね。ですがチームの立ち位置に関しては、やはり後ろ、自分が投げて勝つというところは変わりがないと思うので。ラスト1週間ですが、そこはしっかりと合わせて結果を残せるようにというのは何も変わらずという感じですね」
――これまで調整は難しいながら、リーグ開幕後に徐々に調子を上げてくるというケースも多く見受けられます。
「『秋は東大戦からしっかり投げる』というのは手術前からの考えとしてあったので、投げることに関してのネガティブさというのは全くなく、東大戦から相手を完全に圧倒できるような投球を目指しているというのは変わらないですね」
――外的な要因によるケガということで、再発リスクは低いと考えますが。
「そうですね。動く場所をケガしたわけじゃないので、最初は少し不安もあったんですが、そこは投げていく中でも怖さがなくなっているので、問題ないかなと思います」
――春からのパフォーマンス向上というよりも、リハビリが一番の課題となったと思います。具体的に難しかった部分や克服した点はございますか。
「やはり自分の中で調整とは言っているんですが、春よりも成長がないと相手もデータであったり対策はしてくると思っているので。このリハビリ期間の中でも何か一つでも成長できるようにというのはずっと心がけています。そこに関してはフォームだったり見直した部分もありますし、春よりもいい球を投げられるかという部分は正直やってみないと分からないのですが、ある程度いいかたちを持ってこられたのかなとは思っています」
――投手陣全体を俯瞰しても、例挙にいとまがないほど多くの投手が登板しています。
「やはり春のままでは勝てないというか、昨季2位だったのもありますし、同じ状態で行っても勝てないと思っています。そういう面ではメンバーも変わっていて、優勝へのピースというか、誰かしらの成長がないと勝てないので、そこは誰かが抜けてきてくれれば、本当にいい投手陣として全員で投げ切れるのかなと思っています」
――期待している投手の方はいらっしゃいますか。
「仲がいいというのもあるんですが、3年生の松本(直投手・情コミ3=鎌倉学園)と2年生の大室(亮満投手・文2=高松商)ですかね。球自体も強いですし、オープン戦でどうこうというよりかは、明治大学野球部は来年もあるので。本当に2人はここで、自分らを糧にしてではないんですけど、成長してくれれば本当にいいかなと思っています」
――同期投手6人の結束、仲の良さのようなものもブログで触れられていました。改めてリーグ戦を目前にいかがでしょうか。
「特に秋は4年生が頑張って勝ちたいというのが一番です。後輩も頑張って欲しいですが、ここが一番なので。みんな最後に笑って終われたらいいなというのは一番かもしれないですね」
――チームを概観していかがですか。
「オープン戦だったりも最初の方が入れていないのでつかみ切れていない部分もあるんですが、根幹としては監督も言っているように守り勝つ野球だと思っているので。投手陣で勝てれば一番いいのかなと思っています」
――すでにリーグ戦は開幕していますが、どのような点に着目しておられますか。
「今回の春のリーグ戦の結果で言うと、本当に打高投低というふうな感じですね。データを見てたら分かると思うんですけど秋もそうなのかなという感じで、今も東大、早稲田、慶応を見てもかなり点が入っているので。逆に言うと、しっかり抑えられれば勝てるということなので、そこはピッチャーに懸かっているのかなとは思います」
――野球部の敷地内で印象に残っている場所はございますか。
「自分としてはマウンドとブルペンかなと思います。野球と関係なくはないんですが、整備であったり自分たちの練習する環境をきれいにすることは1年間ずっとやっていたことなので。本当にそのおかげで少しは周りが見えるようになったのかなと思っています。私生活の一部でしたね。ここは本当に個人の意見なんですが、そういう環境をしっかりと見ていれば、相手バッターだったり何かしらの変化に気づけるようになるんじゃないかな、そういうところにもつながってくると思っています」
――チームが乗り越えるべき壁はなんでしょうか。
「今のところ4季連続2位というところで、1位との壁というところを気にしている人もいるかもしれないので。そこに対して何か一つ殻を破ることが大事かなと思っています」
――大川投手自身で言えば、どのような点がリーグ戦の命運を分けるでしょうか。
「一番大事なのは、投げ切るというところかなと思っています。この〝投げ切る〟もいくつか意味があって、相手バッター一人だったり一球に対して置きにいかず、しっかり攻めてボールを投げ切ることの〝投げ切り〟と、春は法政戦でケガしたり最後まで投げ切れなかったので、秋は最後までリーグ戦を通して〝投げ切る〟という二つの意味を掛け合わせて大事かなと思っています」
――大学野球の集大成として、最後に抱負をお願いします。
「この秋は投手陣で勝つというところが本当に大事だと思うので、まずはそこをしっかりと全うできるように、自分としては最後まで投げ切って勝つというところを目標にして、それが結果的に優勝につながればいいなと思っています」
――ありがとうございました。
[松下日軌]

関連記事
RELATED ENTRIES